音符の意味と種類。
ようこそ!ブーです。
今日は音楽の基本である、音符の意味と種類を説明します。
音符や休符のおかげで音からリズムとメロディが生まれ、それを基準にハーモニーが作られるので、現在使われている西洋音楽ではとても大事な基本の記号です。
音符の意味
音符とは、楽譜に書いたときに音の高さ・時間的な長さを目で見てわかるようにする記号で、英語ではNoteノートと言います。
イロイロな時間の長さに対応した種類があり、音価という単位を使ってどれくらいの長さで音が鳴るのかを計ることができるんです。
「音価」の説明はこちら↓
音符の形
音符は、音価によって書き表される形が変わり、短くなるにつれて線(符尾)が増えていく事が特徴です。
符頭(たま)
白まると黒まるの2種類があります。
楽譜に書くときには、真ん丸じゃなくて少し斜めに書くと見やすいです。
符幹(ぼう)
符頭に寄り添わせて書きます。突き刺してはいけません。
5線の真ん中より下だったら右側で上向きに、5線の真ん中より上だったら左側で下向きに書くことが多いですが、楽譜全体のバランスをみて臨機応変に上下を変えても良いです。
符尾(はた)
1つの音だけであれば、旗のようになびかせて書きます。
同じ種類・同じ音価の音符は、符尾の部分を繋げてまとめる事(連桁)もできます。
4分音符より長い音価の音符には使われません。
音符の種類
他の音符と比べるときに便利な、4分音符が基準と思っている人が多いですが、実際には音符の基準は全音符です。
全音符は楽譜の最小単位の1小節をすべて使った一杯の長さで、拍子が変わったら全音符のみ音価が変わるときがあります。
普通に使われる音符(単純音符)の種類
長さ=音価です。
2分音符は、全音符の2分の1の長さ
4分音符は、全音符の4分の1の長さ
8分音符は、全音符の8分の1の長さ
16分音符は、全音符の16分の1の長さ
32分音符は、全音符の32分の1の長さ
64分音符は、全音符の64分の1の長さ
128分音符は、全音符の128分の1の長さ
256分音符は全音符の256分の1の長さ
128分音符が使われている例は、ベートーヴェンのソナタ「悲愴」や、超絶技巧を得意としたアルカンの作品などが有名です。
256分音符では、やっぱりベートーヴェンがピアノコンチェルトなどで使っている例があります。
あまり使われない音符(単純音符)の種類
人間が演奏するには不可能なことが多いので使われる音符は限られ、128分音符より音価が短い音符を目にすることは少ないです。
ですが、音符の種類は数学的に考えると無限に存在する事ができます。
そのため、1024分音符はAnthony Philip Heinrich作曲の「Toccata Grande Cromatica」に使われてたり、
4096分音符は、コンピューター楽譜作成ソフトウェア「Finaleフィナーレ」で使える最小音価を持った音符として存在しています。
他の例では65536分音符が、ジョン・スタンプ作曲のパロディ作品「Faerie's Aire and Death Waltz妖精のエアと死のワルツ」に使われていますが、この作品は演奏不可能で美術品の一例とされていて、楽譜は絵画のように壁に飾られる事が多いです。(笑)
1073741824分(2の30乗)音符は、コンピューター楽譜作成ソフトウェア「GNU Lily Pondグニュー・リリー・ポンド」で使える最小の音価を持った音符として存在しています。
付点音符
付点音符の役割は、ちょっと音の長さが足りないときに点を付けることで、音符を書き足すこと無く必要な長さの音価が補える記号で、3種類あります。(例は4分音符で書きます)
付点音符は、「音符+半分=1+0.5」の計算になり、音価は1.5倍です。
複付点音符は、「音符+半分+半分の半分=1+0.5+0.25」の計算になり、音価は1.75倍になります。
3重付点音符は、「音符+半分+半分の半分+半分の半分の半分=1+0.5+0.25+0.125」の計算で音価は1.875倍となり、
超絶技巧の曲では細かい音符で刻まれるリズムが必要不可欠なので、より細かい3重付点音符が使われる事があります。
付点音符で付けられる「点」は、必ず符頭の右側に付けられますが、
音が線の上にあったとき、同じように線の上に小さな点を書くと見ずらいので、その場合は上か下の線の間に点を書きましょう。
連符(連音符)
普通の音符は、
全音符=2分音符2個分=4分音符4個分=8分音符8個分=16分音符16個分…
の音価が基準となります。
ですが、この基準よりも数の多い音価を使いたいときに、同じにするため連符が使われるんです。
演奏するときには、「ただ音が繋がっている連桁」と「音価を同じにする連符」を見分ける事ができなかったら、リズムが合わなくなってしまうので注意しましょう。
音符の上に数字が書かれてあるのが連符の目印で、連桁していればまとまっているので書くときにはカッコが必要ありません。
全音符よりも長い音符
音符の基準となる全音符よりも長い音符があります。
倍全音符は、全音符の2倍の長さ。
形は白まるだけで全音符にとても良く似ているため、見分けやすいように他の音符と違って形にいくつか種類があります。
全音符よりも長いけど、今は使われて無い音符
現在使われている楽譜の書き方が確立する前に使われていた音符なので、今は使われていませんが、音符の基礎になった記号です。
楽譜の基準によって長さ・音価が変わる性質があります。
Maxima(マクシマ、またはマキシマ)は、もっとも長い音価です。
およそ全音符の8倍の長さと言われていますが、それより長い場合もあります。
Longa(ロンガ)は、およそ全音符の4倍の長さの音価です。
Brevis(ブレヴィス)は、ロンガの2分の1、もしくは3分の1の音価です。
Semibrevis(セミブレヴィス)はブレヴィスの2分の1、もしくは3分の1の音価です。
Minima(ミニマ)は、古い楽譜の中で1番短い音価を持っています。
セミブレヴィスの2分の1、もしくは3分の1の音価です。
楽譜のコンピュータ化
コンピュータ化が進んだ現代では、楽譜作成用のソフトウェア(コンピュータを働かせるためのプログラム)を使って作曲ができるようになり、出版業界などでは活用されています。
手で書き込むよりも線や幅を正確に書くことができるし、作成途中でもボタン1つで演奏までしてくれるので、とても便利です。
「手書きの方が味がある」とか「楽譜もアートだ」といったような、こだわりがある人は別ですが、そうでなければ活用してみよう!