楽譜に書かれる小節について。
ようこそ!ブーです。
今日は、楽譜に書かれる「小節」について説明します。
演歌の小節(こぶし)ではないですよ!
こちらをあわせて読むとわかり易いかも…。↓
小節とは
小節とは、楽譜を読み易くするために線を引いて、細かく分けたときの単位のことです。
英語で1小節はa measureア・メジャー、それ以上の数の小節はmeasuresメジャーズと言います。
(例→3小節だったら3measuresスリーメジャーズ)
基本的な楽譜を書く方法の「5線記譜法」では、縦の線を引くことで音楽の小さなまとまりとなる小節を作ることができ、その1小節づつに音を細かく振り分けることができます。
文章で言うと小節は「単語」に相当すると言えるでしょう。
その小節(単語)がいくつも集まって、曲(文章)として完成することは果てしないけれどステキなことですよね。
小節の長さ(大きさ)
音楽・曲が拍子を持つ場合、楽譜に書かれる小節の長さは拍子で指示された音価に合わせて分けられます。
音価の説明はこちら↓
そのため、楽譜の始めの方に書かれている音価を表す指示の「拍子記号=○分の○拍子」が重要になります。(楽譜に拍子記号が書かれるときは分数で記入される)
小節には、拍子記号に使われた分子の数の音符、または拍子記号と同じ音価を持った音符を入れなければいけません。
拍子記号と小節の例↓
このように、1小節に入る音符の個数(音価)は拍子記号によって最初から決まっているので、作曲者が指示しない限り1小節の長さがコロコロ変わったりすることはありません。
それは、あまりにも拍子が変わりすぎると音にまとまりが無くなったり、曲全体の締まりも悪くなるからです。
要は、弾きづらいし聴きづらいんですよね。
逆に、拍子を変えることが「隠し味のように少しだけ」できれば、曲の目玉として効果的に使うことができるでしょう。
(変拍子と呼ばれる、拍子や小節の長さがコロコロ変わる曲も稀にありますが、今回は割愛させて下さい。)
普通、ひとつの小節は強拍から始まり、次の強拍の直前で終わるように定められてます。
わかりやすい例で説明すると、4分の4拍子の曲では1小節が4拍分の音価を持ち、強拍は拍の1つ目(1拍目)です。
4つ目(4拍目)でひとつの小節が終わり、また次の小節の1つ目(1拍目)へ音が続いていきます。
その楽譜(複数の小節)が何拍子なのかを説明するための数字は、その拍子が始まる部分、または直前に必ず書かれなければいけません。
それは、そうしないと曲のテンポが変にズレてしまって、作曲者が考えた音楽としては成り立たなくなってしまうからです。
小節に使われる線
ノーマルの状態で、5線譜を小節に分けるために使われる縦線は、小節線・複縦線・終止線の3種類です。
この3つを合わせて「縦線じゅうせん」と言います。
ピアノの楽譜のように5線を2段使う楽譜の場合は、小節線が5線同士(譜表間)をつなぐ場合があります。
Bar Lineバーライン「小節線」
1小節づつの終わりに書くことで、次の小節と明確に区切る事ができるのが小節線です。
(お弁当で説明すると、細かい仕切り・バランのような役割)
小節線は、1本線の細い線のみで書かれるので、「複縦線・終止線・反復記号」など5線譜上に他の線が使われるときには重ねて使う事はありません。
Double Barダブルバー「複縦線ふくじゅうせん」
音楽の段落や楽章の切れ目などの、調や拍子の変り目などに使われるのが複縦線です。
(お弁当で説明すると、お米とおかずを分ける大き目の仕切りのような役割)
小節線と区別するために2本の細い線で書かれます。
Double Barダブルバー「終止線しゅうしせん」
曲の終わり・曲を閉じるために使われるため、楽譜の1番最後の小節に書かれる縦線が終止線です。
(お弁当で説明すると、お弁当箱の蓋的な役割。箱は楽譜そのもの)
他の線と区別するために2本の線で書かれ、さらに2本目の線は他の線より太く書いて終止線であることを強調します。
楽譜の最後を閉じるための線なので、他の縦線と違って1曲につき1回しか使えません。
小節の線の部分に使われる音楽記号
小節の線の部分に使われる音楽記号は、repeat signsリピート・サインズ「反復記号」しかありません。
反復記号は単にリピートとも呼ばれます。
- 線と点以外に何も書かれていない場合は1回くり返して終わり。
- ⊓や⌐の中に数字が書いてあればその数の分だけくり返します。
この記号の数字部分を「∞無限」と書いておけば、曲を永遠にくり返すことも可能です。(笑)
小節を意識しすぎない!
説明した通り、楽譜を読みやすくするための区切る要素として大事な小節ですが、演奏する上ではあまり意識しすぎない方が良いです。
もしも小節線にこだわって1小節ごとに音をブチブチ区切ってしまうと、曲が持っている本来の音の流れを妨げて、印象や響きを壊してしまいます。
小節に囚われなかった良い例として、作曲家のエリック・サティが1番有名です。
彼の書いた曲には小節線や、拍子記号すらないものも数多くあるんですよ。
普通に考えるとかなり異端の存在ですが、音楽的・感覚的に彼の音楽を聴くと小節が無いことによって、音楽の自由度が増したように感じることができると思います。
初めてサティの小節がない楽譜を手に取ったときには、素直に驚きましたけどね。(笑)