ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

「米津玄師」って、徳の高いお坊さんみたいな名前だよね。《その②》

ようこそ!ブーです。

 

前回に引き続き、シンガーソングライターの米津玄師さんをご紹介します!

 

《その1》はこちらから↓

boosensei.hatenablog.com

 

《その2》の今回は、米津さんとコラボについてです!

 

米津さんの音楽が好きなのに、少々ネガティブな内容が多くなってしまったことを先にお詫びいたします。(汗)

 

 

 

米津さんとコラボ

前回の記事では孤独が好きな米津さんの1人での活動をピックアップしましたが、彼の音楽性が日々進化していることに伴い、現在はコラボという新たな形が多く取られるようになりました。

 

本人いわく、

『ずっと自分独りで音楽を作り上げるっていうことを、心地よくやってきたんですけど、

一人でやれること(音楽)なんてたかが知れてるなぁ…っていう風に思うようになったんですね』

とのこと。 

 

デジタル化が進んだ現代では、コンピューターを使って自分1人でもオーケストラ以上に多彩な音色を奏でる事ができます。

 

そのため、歌に自信がなかったり楽器が演奏できなかったりしても簡単に音楽を作ることが可能になりました。

 

ですが、その便利さゆえに「独りよがりな音楽」になってしまったり、音楽の持つ即興性やライブ感のような「ワクワクしたもの」が薄れてしまうこと、そして他人と音楽を作り上げる楽しさが無いことに米津さんは気が付いたのだと思います。

 

本当は1人が好きなのに、思い切って自分の殻を破り音楽の世界を広げることができるなんて米津さんの進化はスゴイなぁ…、とも思ったのでした。

 

 

 

初音ミク砂の惑星

米津さんとコラボといえば、一番にボーカロイドの「初音ミクを思い出すのではないでしょうか?

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上に書いたようにコンピューター音楽は時には独りよがりになりがちですが、ボーカロイドとして初音ミクが登場したことは音楽業界に新たな風を送り込み、人と音楽との付き合い方をより近いものにしてくれたという点ではとても素晴らしいものだと思います。

 

米津さんは元々、初音ミクを使って「ニコニコ動画」に音楽を投稿していましたが、前回の記事でも書いたように『ボーカロイドを隠れ蓑にしていたくなかった』という理由から自身の声で歌うようになりました。

 

そして最後にコラボしたのが「砂の惑星」という曲です。

 

この曲では、初音ミクニコニコ動画過去のものとして、まるで決別するような歌詞の内容が見て取れます。


ハチ MV「砂の惑星 feat.初音ミク」HACHI / DUNE ft.Miku Hatsune

 

音楽というものはそもそも流行と共にあるものですが、衰退していく文化とはアッサリお別れなのかな?と思うと、調べていて少し切なくなりました。

 

 

 

DAOKO「打上花火」

「打上花火」では、女性シンガーソングライターのDAOKOさんとコラボをしました。

 

この曲は、アニメ映画《打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?》の主題歌で、米津さんは作詞・作曲・音楽プロデュース・ゲストボーカルを担当しています。

 

DAOKOさんを起用した理由は『声に切なさを帯びている人間が(この曲を)歌うことによってどういうモノになるのか?』ということや『映画自体も男の子と女の子のお話なので、2人で歌う方法が合うんじゃないか?』と思ったからなのだそうです。

 

確かに、繊細でふわふわとしたニュアンスの歌声を持つDAOKOさんはこの曲にピッタリだなと思います。

 

コラボの印象が強いため、アルバム「BOOTLEG」に収録された米津さんのソロバージョンに違和感を感じてしまうのは私だけではないハズ…。

(しかもキーが違うから、カラオケで入れるときにはどっちのヴァージョンなのか確認が必要!)

 

 

 

菅田将暉

「灰色と青 ( + 菅田将暉)」

俳優や歌手としても活動している菅田将暉さんとは4thアルバム「BOOTLEG」に収録されている「灰色と青」で初めてコラボしました。

 

菅田くんとのコラボ曲なので「灰色と青( + 菅田将暉)」と表記されることが多いです。

 

この「灰色と青」という曲は、米津さんが好きな作品である北野武監督の映画《キッズ・リターンから着想を得たもので、この映画の主要な登場人物のイメージと菅田くんが米津さんの中でマッチしたためオファーすることになりました。

 

キッズ・リターン》はボクサーとヤクザになった同級生2人の友情を描いた映画で、このことから『誰かと一緒に歌うことでしか成立しない曲だった』という事と、

米津さん自身はヤンキーとは真反対の人間だと自負しているので、逆に暴力的で情熱的な印象を持った『彼(管田くん)じゃなければっていう風に思ったんだろうな』と語っています。

 

表と裏のような2人が交互に歌うという独特な雰囲気や、「静と動」が絶妙なバランスで感情が揺さぶられるように曲が仕上がっているし、情熱的な菅田くんをオファーしたのは本当に正解だと思うよ。(何様…笑)

 

 

まちがいさがし

「灰色と青 」でのコラボから紆余曲折を経て作曲されたのが、この「まちがいさがし」です。

 

菅田くんと米津さんが同い年ということや、お互いに尊敬し合っているとても良好な関係、米津さんの菅田くんに寄せる熱烈な想いなどがあって、菅田くんに合うような良い物(曲)にしたいというプレッシャーが強まり曲作りが難航したそうです。

 


菅田将暉 『まちがいさがし』

 

曲の盛り上がり方が情熱的な菅田くんの歌にピッタリで、『流石は米津さん!菅田くんのこと好きすぎて良い曲に仕上がってるな。笑』と思いました。

 

 

 

中田ヤスタカ「NANIMONO (feat. 米津玄師)」

映画「何者」の主題歌では、私がリスペクトしている作曲家の中田ヤスタカさんとのコラボが実現しました。

 

主題歌の「NANIMONO (feat. 米津玄師)」で米津さんは、作詞を担当しています。

 

作詞作曲ができる米津さんがゲストボーカルを務めるなんて斬新!

 

 

 

Foorin「パプリカ」

日本の公共放送を担うNHKでは、2020年とその先の未来に向けて頑張っているすべての人を応援していくプロジェクトのために「パプリカ」という楽曲が提供されました。

 

このコラボでは「Foorin」というオーディションで選ばれた小学生5人のユニットが歌と踊りを担当しています。

 

最近、全編英語の歌詞で国際的に歌うFoorin team E=team Einglish native(私が訳すと「英語で歌える仲間」)も結成されました。

 

パプリカはNHKの教育番組などで流れていることもあり、かなり前から子どもたちに大人気ですが、最近では街中でもよく耳にしますよね。

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コーラスだけじゃなくて本人が歌ったバージョンも聴きたいなとあれほど思っていたのに、テレビやお店屋さんで流れているBGM的なものとして「Foorinのパプリカ」に慣れてしまっていたことや曲調が違うこともあって、本人が歌ったバージョンは何だか『これじゃない感』が否めないブーなのでした。(笑)

 

 

 

嵐「カイト」

期待しすぎたせいもあると思いますが、紅白歌合戦で初披露した嵐とのコラボは『残念』の一言に尽きる感じでした。

 

紅白歌合戦は出演者や曲順が決まっているので、コラボした菅田将暉さんやFoorinが出ても米津さんが歌わないことが事前にわかっていたし、そのことについてガッカリしたわけではありません。

 

当日発表の嵐とのコラボ曲「カイト」が一体どんな風に仕上がっているのだろうかとネットニュースで見てから数日の間、と~っても楽しみにしていたんです。(録画予約もしてたしね!)

 

米津さん本人もインタビューで、「カイト」という曲を作詞作曲するにあたってこのように熱く語っています。

 

この「カイト」という曲を作るに当たって、いろんなことを考えましたが、そのうちの大きな一つは

今の自分は誰かに生かされてきた

ということでした。

 

自分の身の回りにいる人間や、遠くで自分に影響を与えてくださった沢山の方々。

その全てにちょっとずつちょっとずつ許されながら

お前はここで生きていてもいいんだ」と、

そういう風に許されながら生きてきたのが今の自分だと思っていて、そういうことを考えていました。

 

日々漫然と生きているとそういうことは何だか忘れがちになってしまいますが、それは決して忘れてはならないことだと自分を戒めるような気持ちでこの曲を作りました。

 

とても良い曲になったと思います。

この曲を作るきっかけを与えてくださった沢山の方々、並びに嵐の皆さんに感謝の気持ちを述べたいと思います。

本当にありがとうございます。

 

確かに、今までの集大成的な曲・NHK2020ソング・今年解散を控えている嵐とのコラボ曲…等々、いろいろな理由をつけて考えてみると、『曲調が軽めの「海の幽霊」みたいだな…、歌詞のラルラリラは「パプリカ」と共通した米津さん特有のスキャットなんだな…。』という風に無理やり自分の中に落とし込めるのですが、嵐が歌うと爽やかすぎてインタビューで語っていたような感情の重みが感じ取れないし、胸にも全然響いてこないんですよね~。

 

嵐も米津さんも好きなのに、なぜかこの曲は微妙に感じてしまいました。

 

とは言え、『オリンピック・パラリンピックが開催される2020年とその先の未来に向けてアスリートや若い世代を応援する楽曲』として制作された曲ですので、NHKみんなのうた」で2月から3月にかけて放送されるとのこと…、忘れずチェックしておきます。(笑)

 

 

 

 

米津さんの音楽、好きだよ。

『これじゃない感』とか『微妙』とかディスり気味でしたが、米津さんの音楽はスマホにダウンロードするくらい好きです!

 

これからもどんどん活躍して欲しいな!

 

 

 

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