雨の日にオススメの曲!【その①】
ようこそ!
雨の日は外に出るのが憂鬱なので、好きな音楽を聴きながら過ごしているブーです。
キラメキが感じられる曲や響きが美しい曲を聴くと、ジメジメした天気でも風情があるように感じてしまうから、音楽って不思議だなぁ…。
今日は、そんな雨の日にオススメの曲を紹介させて下さい!
雨とはまったく関係の無い曲が多くて、私の好みによる偏りもありますが、楽しんでいただけると幸いです。
水の戯れ(ラヴェル)
水に関係した曲といえば、この「水の戯れ」が上位に挙げられるのではないでしょうか?
キラキラした音楽の中にわざと不安定な音を紛れ込ませることで、水が零れ落ちて流れていくような揺らぎを表現しています。
この曲を聴いていたら、田んぼの水ですら幻想的に見えてきそうですよね。
亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)
この曲は、幼い王女を描いた絵画からインスピレーションを受けて作られた曲で、『若くして亡くなったこの王女も、パヴァーヌを踊っていたかもしれないな…』とラヴェルが妄想を膨らませて書き上げました。
パヴァーヌとは「孔雀のようにゆっくりと優雅に踊るダンス」のことです。
ゆったりとした、悲しみと優しさが入り混じった曲調は、教会で使われていた音の並びを使っているものなので、切ないだけではなくて、どこか懐かしい響きも感じることができると思います。
シトシトと降る、長雨のときに聴きたい名曲です。
映像 第1集“水の反映”(ドビュッシー)
水が湧き出してくると水面にユラユラと波紋が広がり、そこを覗くと映っているのは自分?それとも他の世界の住人なのだろうか?
そんな不思議な水の反映をあらわした曲です。
均等な和音の流れは、徐々に広がっていく波紋の特徴をよく捉えています。
ときどき小魚が横切っていくようなチョコチョコした音の表現や、水の中に差し込む光の筋のように感じるのは高音から次々と降り注いでくる音でしょう。
豊かな水の流れは高音と低音が入り混じることで、ダイナミックに表現されていて圧巻です。
この曲を聴いていたら、泥水でできた水溜りからでも異世界に行けそうな気がします。
版画「雨の庭」(ドビュッシー)
簡潔なタイトルとドビュッシー作曲ということで『穏やかな曲なのかな?』と思われがちですが、けっこう激しいピアノ作品です。
庭先に降りだしたパタパタと踊るような雨粒たちは、軽快な音の粒で表現されています。
降りだした雨は強くなったり弱くなったり、そんな刻一刻と変わっていく空模様も、音楽の暗い部分と明るい部分をおりまぜた技法を使って見事に再現しました。
大雨で聴いていても、この曲なら負けませんよね!(笑)
版画「塔」(ドビュッシー)
島国の多い東洋ならではの、湿った空気感を漂わせる美しい曲です。
曲にはバリ島の民族音楽「ガムラン」や、中国の音楽を思い起こさせるような不思議な音の並びを使っています。
アジサイでも眺めながらゆったりと聴きたい曲です。
前奏曲「亜麻色の髪の乙女」(ドビュッシー)
前奏曲集の第1巻に収められている8番目の曲です。
この曲は「亜麻色の髪の乙女」という詩からインスピレーションを得て作曲されました。
全体的に切ないのは、叶わない恋を思って書いたものだからでしょう。
詩の内容は『花畑で歌う美しい君。おさげ髪が可愛い君。つれない態度をとる君。ずっと眺めていたいよ。バラ色の唇にキスしたい。』といった感じです。
雨が上がったときにぼんやりと聴きたい名曲です。
前奏曲「沈める寺」(ドビュッシー)
前奏曲集の第1巻に収められている10番目の曲です。
伝説で言い伝えられている「海に沈んだ街の大聖堂」をイメージして作られました。(なので日本のお寺とは違います!)
『昔々、あるところに…』と続きそうな始まりですね。
海に沈んでいた巨大都市が細かな泡と共に姿を表す部分では、音を壮大に盛り上げて神々しさを出しています。
ふたたび幻のように消えていく様子や、深い水の底に沈んでしまった大聖堂は小さい音で表現され、祈りの歌や鐘の音もかすかに響いているようです。
神聖な感じがしますが途中で音量が急に大きくなるので、雨の日の目覚ましに使いたいな…。(笑)
ため息(リスト)
全部で3曲ある「3つの演奏会用練習曲」という曲集の3曲目です。
「ため息」というタイトルは後付ですが、リストらしい情熱的な愛による、心の葛藤や甘美な苦しみを感じることが出来るのではないでしょうか?
この時期、雨が降るとため息もつきたくなりますよね。
そんなときには、この曲を聴きましょう!
慰め(リスト)
原題はフランス語でConsolations, Six Penseés poétiques、日本語に訳すと「慰め、6つの詩的思考」となります。
今回は特に有名な第3番を抜粋しました。
超絶技巧を得意としていたリストにしては控えめな表現が多く、その儚く美しい旋律は「慰め」というより『慈悲深い愛情』という風に感じとることもできます。
曲集は小作品が6曲なので、全部聴いても20分ほどです。
雨の日にBGMとしてかけると良いのではないでしょうか?
ジョスランの子守唄(ゴダール)
フランスの作曲家ゴダールの作品「Berceuse de Jocelyn」です。
子守唄と言うだけあって、ゆっくりした曲調ですがメロディがとても切ないです。
ときどき踊るようなリズムが出てくることで、無理して明るく振舞っているような悲しみが滲み出ているような気がします。
それもそのはず、この曲は子どものために歌われるものではなくて、大人が1人寂しく自分の境遇をなぐさめるために歌う曲だからです。
もとはオペラ「ジョスラン」で使われたアリアという種類の歌の1つでしたが、今ではオペラとして全曲が演奏されることは無く、この曲だけが好んで演奏されます。
ピアノ版に編曲されたものや、歌の代わりにフルートやチェロがメロディを演奏するものが多いです。
雨の日の感傷に浸るときに聴きたいなぁ…。
雨の日ってロマンティックだよね。
外出しているときの雨はあまり得意ではありませんが、雨の日の雰囲気は好きです。
太陽が昇っているような時間でも雲が立ちこめていると薄暗いから、雨の日って何もかもがロマンティックに見えてくるんだよなぁ…。
光を反射してキラキラ輝く雨のしずく、シトシトと降る雨の音、アスファルトに落ちたときの独特な香り、色とりどりのゆれる傘、『雨が上がったあとに虹が出るかな…』なんて考えながら街を歩くと、特別な日を過ごしているようなワクワク感さえ出てきます。
そんなときに大好きな音楽を聴いていると、まるで物語の主人公になったような不思議な気分になるのでした。