ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

ピアノを弾くときのコツ。ダンパーペダルの踏み方

ようこそ!ブーです。

 

今日は、ピアノを弾くときのコツとして「ダンパーペダルの踏み方」を紹介します。

 

ダンパーペダルは、普段の演奏でもっとも良く使う『音を伸ばして響かせる』効果のあるペダルです。

 

 ペダルの細かい説明はこちらから↓

boosensei.hatenablog.com

 

 

 

ペダルのせいで演奏が台無しに… 

ピアノの演奏は、ミスタッチや演奏に合わない動作が1つでも混じると台無しになってしまうことがあります。

 

なので、もし何も考えず無造作にペダルを踏んでいる人がいれば、要注意です!

 

繊細で美しい演奏をしているのに、踏み方が適当なことによって起こる音の濁りや、足が動いたときに起こる雑音が聴こえたらどんな気持ちになるでしょうか?

 

演奏している側だったら『今からペダルを踏むぞ!』と思っているので気にならないかもしれません。

 

ですが、演奏を聴いている人は落ち着いた気持ちでゆったりと浸っていた、音楽の素敵な世界から急に現実世界へ引き戻されるという、幻滅した気持ちになると思います。

 

そんなことにならないように、ペダルを踏むときは細心の注意を払いましょう。

 

 

 

ダンパーペダルの踏み方

現在製造されている一般的なピアノには、2~3種類のペダルが付いています。

 

そして演奏に1番良く使うペダルは、右側に付いている「音を伸ばす」効果のあるダンパーペダルですよね。

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皆さんは普段、どんな風にこのダンパーペダルを踏んでいるでしょうか?

 

上から足をおろしてつま先や足全体で踏んでいる人、踏む必要のないときは足をペダルから離して必要なときだけ足を持っていって踏んでいる人、強く踏んだり軽く踏んだり、さまざまな踏み方をしていると思います。

 

人それぞれに踏みやすい場所はあると思いますが、そのときどきで足の踏み場所を変えたり、足が安定しない状態や安定しない足の部位を使っていると、ペダルから足がズレてしまって上手く踏み込めなかったり、俊敏な動作ができないのでミスにも繋がります。

 

ペダルの踏み方(ペダリング)をしっかりと教えてくれるレッスンの先生もいると思いますが、独学でペダリングを習得しようと思ったらこのポイントを押さえておくと良いでしょう。

 

踏み方のポイント

  • 親指の付け根あたりでしっかりと踏み込めるようにする
  • ペダルの3分の1にあたる部分を踏む
  • 踵を床につけて、しっかりとバランスを取る
  • 中途半端な状態で踏んだままにしない

 

 

まず、親指の付け根あたりで踏み込めるように、ペダルと足の位置を調節しましょう。

 

足の中心で踏んだ方が安定しそうですが、ペダルと足の長さを考えると親指の付け根で踏む方が、よりグッと下までペダルを踏み込むことができます。

 

ペダルの3分の1にあたる部分を踏む理由は、てこの原理が上手く働いてスムーズな足運びができるからです。

 

そして、踵(かかと)は常に床につけておきましょう。

 

踵でしっかりと体のバランスが取れていると、ブレずにペダルを踏み込むことができます。

 

ペダルを踏むときは裸足だったり靴下や靴を履いた状態が想定されますが、どのような状況でも踵を床につけておけば、足を浮かせているときよりも滑ったりズレたりすることを防げるんですよ。

 

 

最後に注意して欲しいのが、中途半端にペダルを踏むことです。

 

ペダリングには2種類あって、1つ目は「ペダルをしっかりと踏み込むもの」、2つ目は「ペダルを半分まで踏むもの」があります。

 

1つ目は、ごく普通のペダリングのことです。

ペダルをしっかりと踏んだ状態で音を鳴らすので、豊かな広がりと響きを持って音が伸びていきます。

 

2つ目は、ハーフペダルという「ペダルを半分のところまで踏んで、ある程度の残響音は残しつつも、一つ一つの音がはっきり聞こえる状態」にする音楽的に効果のあるペダリング方法です。

(この技術は上級者でないと難しいと思います…。汗)

 

そして、この2つに当てはまらないのがペダルを中途半端に踏んでいる状態です。

 

ハーフペダルがしたいのではなくて、足に力が入っていなくて無意識のうちにペダルが押された状態になっているので、音楽的な要素はないまま適当に音が伸びて音に濁りがでてしまう結果になってしまい、音楽が台無しになってしまいます。

 

そうならないように足にも神経を集中させて、俊敏かつ繊細に足を動かすようにしましょう。

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タイミング

ペダルを踏むときには、ただ踏むだけではなくタイミングがとても重要です。

 

 

タイミングのポイント

  • 響かせたい音を押さえた直後に素早く踏む
  • 音を響かせたあとは素早く離す

 

ペダルを踏むタイミングが遅い音と音の間に変な隙間が生まれてしまいますし、ペダルを離すタイミングが遅いと響いていた音がそのまま残ってしまい、次に鳴らした音とぶつかって濁った響きになってしまいます。

 

なので、ペダルを踏む動作は素早く行いましょう。

 

いくらタイミングか大事だからといっても、ペダルを乱暴に踏んだり離したりしては繊細な演奏の妨げになってしまうので注意が必要です。

 

 

 

車の運転とペダリング。

学生の頃、ピアノの先生から「ピアノの演奏と車の運転って似ている」という話を聞いたことがあるんです。

 

ピアノは楽譜を目で見ながら手を使って演奏し、音響効果としてペダルを踏んで音に特別な響きを持たせます。

 

車は目で周りを確認しながらハンドルをにぎって車の方向を操作し、ペダルを踏んで車を進めたり止めたりします。

 

1度に目と手と足を同時に使い、足でペダルを踏むという同じような動作もするので似ているということで、先生は「ピアノを弾いている人の方がペダルを踏むのに慣れているから有利だよ!」と教えてくれたワケですね。

 

私も『確かに!手で演奏しながら足ではペダルを踏むから、手と足をバラバラに動かすことに慣れていて有利なのかも!』と思いました。

 

数年後、実際に運転免許を取ってみて感じたのは…

 

『運転はセンスと運動神経が重要』ということです!

 

いくら演奏は慣れていても、やっぱり運転とは全然別物でした。(笑)

 

何事も、簡単に考えてはいけませんね…。

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