ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

演奏中に起こってほしくないハプニング!<その②>

ようこそ!ブーです。

 

今回は2回にわたって、「演奏中に起こってほしくないハプニング」をご紹介しています。

 

<その①>はこちらからどうぞ↓

boosensei.hatenablog.com

 

自分が体験したものや、知人などから聞いたことがあるものなどをまとめた100%実話です。

 

是非ご覧下さい!

 

 

 

指揮者のハプニング!

演奏を止めるのは指揮者…。

巷では『ただ棒を振っているだけの人』や『コンサートマスターが居れば指揮者なんか要らないんじゃない?』と言われることもある指揮者ですが、音楽のイメージをまとめて、オーケストラに適切な演奏を指示することが出来る唯一無二の存在です。

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ですが、そんな指揮者も生身の人間ですから、指揮を振り間違えることもあるんですよね。

 

実際に私がプロの指揮者の方を密着したドキュメント番組を観たときのハプニングをご紹介します。

 

その指揮者の男性は『良い音楽にするためには暗譜するくらい楽譜を読み込んで、頭の中で音楽が鳴らせるくらいに準備しておくんです。楽譜をめくるのも指揮を振るのに邪魔になる時があるので…』と語っていました。

 

ところが、1番大事なコンサート本番!というときにハプニングが起こります。

 

彼は、語っていた通りに暗譜の状態で気持ちよく指揮棒を振るっていました。

 

ところが曲の中盤というところで、自分が思っていた楽譜の箇所とオーケストラが演奏している箇所を勘違いして(間違えて)指揮を振ってしまったのです。

 

ですが流石はプロの指揮者、頭の中で鳴っているハズの音楽とオーケストラが奏でている音楽の違いに即座に気付き、演奏をストップさせて最初からやり直したのでした。

 

指揮者の方は理想の演奏のために、たとえ本番中であっても演奏を止めることがあります。

 

彼のように振り間違いでやり直す場合もあれば、聴衆が騒がしいからと演奏を一時中断したり、楽器の演奏者が間違えたという理由で途中から演奏をやり直したりと理由はさまざまです。

 

やり直しさせられることは演奏者にとってハプニングになりますが、観客として聴く分には、好きな「指揮者・オーケストラ・曲目」だった場合、普段より長い時間好きな音楽に浸れるので、逆にラッキーな出来事になりますよね。(笑)

 

 

 

指揮台から落ちる!?

ブーの学校に居た指揮の先生が、実際に起こしたハプニングです。

 

指揮の先生は普段のオーケストラや合唱の授業でも、かなり激しい動きで指揮を振っていたのですが、年に1度だけの大きなホールで行われる「定期演奏会」の本番では更にテンションが上がり、その激しさにも拍車がかって、まるで踊っているようでした。

 

ですが、指揮台は大きくても横120㎝・縦90㎝ほどの台なので、そんなに可動域は広くありません。

 

そのため、とうとう指揮台から足を踏み外して転げ落ちてしまったのです。

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指揮台が置いてあった場所が、幸いにもステージのギリギリではなかったので、高いところから落ちたというわけではなく、特に怪我をしたというわけでもありませんでした。

 

ですが、その場に居た学生達(ブーを含む)のトラウマになったことには違いありません。

 

なので、その後の授業では先生が指揮を振るたびに『○○先生、また台から落ちちゃうんじゃないかな…』と心配で音楽に身が入らない日々が続きましたとさ。

 

世界的に有名な指揮者に、指揮台から足を踏み外して頭をぶつけたことが原因で亡くなった方も居るので、落下防止のパイプや柵が付けれる指揮台もあったハズなんだけどなぁ…。(汗)

 

 

 

お客さんでもハプニング!

ブーの先生が昔(20年以上前に)ソロコンサートを開いたときの話です。

 

クラシックのコンサートに行くと、余程のことがない限り演奏中に「普通のトーンでお喋り」をしている人は居ないと思います。

 

ですが、元気な子ども達にはそんな常識が通じない時がありますし、現代とは違って昔は「親子席」や「ファミリーシート」と呼ばれる特別席がなかったりした関係で、途中退場を余儀なくされているご家族も少なくありませんでした。

 

先生の開いたコンサートでも、1番前の席で男女2人組の子どもが大きめの声を出してお喋りしていたそうです。

 

ですが、どうやら付き添いの大人から離れて座っているようで周りに大人の姿はなく、誰も注意ができない状況の様子…。

 

演奏者にとって、演奏中に自分が奏でる音以外の音が聴こえることは、とても気が散ることなので控えてほしいところです。

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このハプニングを先生がどのように回避したかというと、

 

休符のところで、その子ども達に顔を向けて「シーッ!」と一瞬ジェスチャーして見せたのよ

 

だそうです…

 

鉄のハートがないと無理!!(笑)

 

 

 

マーチングでハプニング!

吹奏楽部に所属していた友達が経験したハプニングです。

 

吹奏楽部が行うマーチングでは、行進や動きながら楽器を演奏します。

 

パフォーマンス性を高めるため、行進の途中で方向転換のために素早くターンをしたり、楽器を上下左右にスウィングさせたり回転させたり、と結構激しく動くことが多いんですよね。(ブーは吹奏楽部のことを、体育会系集団だと認識しています。笑)

 

友達の所属していた吹奏楽部も部活動に熱心で、さまざまなパフォーマンスを行っていたのですが、先輩の吹いていたチューバのベルの部分が頭にクリーンヒットして大きなたんこぶが出来たそうです。

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金管楽器のベルって結構鋭いし、チューバって大きいから、怪我がたんこぶ程度で済んで良かったね…。(汗)

 

 

 

演奏中以外でもハプニング!

ドレスって大変!

男性の演奏者の方はドレスを着る機会はないと思いますが、女性の演奏者は少なからずドレスを着る機会があるのではないでしょうか?

 

本番用の衣装なので着慣れるほど身に着けることはないでしょうし、見栄えが良いように裾も引きずるような長さだったりするので、とても動きにくいだろうなぁ…と思います。

 

さらに、衣装に合わせたステージ用のヒールが高い靴を履いていることが多いので、歩くだけでも注意が必要です。

 

裾を踏んでしまうとコケてしまったり、裾の部分から衣装が破れてしまったり(貸衣装だったら大変)、袖のないチューブトップタイプのドレスだと胸の辺りがズレたり最悪の場合は半分脱げてしまう、なんてハプニングはどの演奏会でもあります。

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踏んでしまうことだけではなく、ステージやステージ袖の床に潜む釘などの突起物に引っ掛けてしまい破れてしまったケースも見たことがあるので、ドレスは注意することが多くて大変ですね! 

 

 

  

慣れた靴が履きたい。

ブーが通っていた学校やピアノ教室では、普段履いている靴と演奏するときに履く本番用の靴は分けるように言われていました。

 

本番用の靴は見栄えが良くないといけないので、皮製だったりヒールの部分が高かったりと『普段ばき』の物とは全然違う靴で舞台に上がることになります。

 

慣れない靴を本番だけで履くのはリスクが高いため、練習やリハーサルでも履いて慣らしてはおきますが、音楽では演奏のほうが重要なので、モデルさんがランウェイを歩くために練習するようにみっちりと履き慣らすわけではありません。

 

なので、紹介されて舞台袖から演奏ポジションに行くまでに、靴が脱げちゃうなんてこともあります。

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クールビズ求む! 

私のなかで、舞台上で辛いことの上位に入ってくるもの、それは…

 

春夏秋冬に関係なく照明のせいで舞台上が異様なほど暑い!

 

ということです。

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明るさの範囲や、調節・交換が難しいという問題などがあるため、舞台照明のLEDライト化が進んでいないホールも多く、今後も演奏者の負担になると思われます。

 

1曲くらいなら我慢できるけど、それ以上になると汗が止まらずビショビショな状態での演奏になるので、とっても恥ずかしいんですよね~。

 

 

 

演奏人生最大のハプニング!

最後に、ブーが音楽を通して経験した1番のハプニングを紹介します。

 

それは短大生の頃に開かれた発表会での出来事です。

 

発表会当日は、朝から天気が悪くジメ~とした嫌な気候で、さらに午後からの本番の時間が近付くにつれて雨脚が強まっている様子でした。

 

上手く弾けるか心配で、外の空気を吸いにいっても雨のせいでテンションが上がらないし、むしろ嫌な予感しかしません。

 

リハーサルが終わりお昼ごはんを食べていると、あっという間に開演時間となり、ドキドキ・ソワソワして落ち着かない中、とうとう自分が演奏する順番がやってきました。

 

先生から曲の紹介があり、それが終わると先生と入れ違いに舞台上のピアノの前に歩いて行きます。

 

お辞儀をして椅子に座り高さと距離を調節して、いざ弾き始めました。

 

いつもは指が上手く回らないところも結構調子よく演奏できて、『あと半ページで終わりだ!カッコよく仕上げるぞ!』と思った次の瞬間…

 

ズーン…という地鳴りと共に、会場がパッと一気に暗くなったのです。

 

なんと雷による停電でした! 

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咄嗟のことで状況が読み込めず、パニックで椅子から一瞬腰が浮きかけましたが『上手く弾けてないから、電気を落とされちゃったのかな?』と、頭では意外と冷静に考えているうちに演奏を終えていました。

 

お客様方は、すぐに非常灯がついたことにより演奏上の演出だと思ったらしく、まったくと言っていいほど騒ぎにはなりませんでしたし、照明自体も停電のアナウンスのあとすぐに復旧しましたが、ブーの後に控えていたお姉さま方は『先生!私、怖くて弾けません!』『落ち着くまで時間を下さい!』とパニック状態。

 

ですが先生の『何を甘えたことを言っているの!プロ意識を持ちなさい!この日のために練習してきたんだから、電気が点いていようがいまいが鍵盤なんて見ずに演奏できるでしょ!あなた達ならできるはずよ!』という叱咤激励のおかげでお姉さま方も気力を持ち直し、どうにか発表会を終えることが出来たのでした。

 

でも、チョットだけで良いからさ…電気が消えた状態でも演奏を全く止めなかったブーを誰か褒めてよ!(笑)

 

 

 

絶対に血圧上がったな…

学生の頃(演奏者として現役だった時代)は、演奏のたびに『あんな事やこんな事が起こったら…』と考えてしまうと緊張しすぎで発狂しそうになるので、本番前には絶対にハプニングのことは考えないように過ごしてきました。

 

そんな風にハプニングをなるべく避けてきたので、今回いろいろなハプニングを思い出して書いてみて、自分が経験したことじゃなくてもドキドキして手に汗握ったブーなのでした…。

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