ゴッドファーザーのテーマ曲を聴くと、あれを思い浮かべてしまうのは私だけでしょうか?
ようこそ!ブーです。
今日は、ゴッドファーザーのテーマ曲と、その作曲家の作品で好きな「道」について書こうと思います。
ゴッドファーザーのテーマ曲といえば…
世代によって違うかもしれませんが、ブーが1番に思い出すのがこれです。
絵が下手すぎてわからないかもしれませんが、あれですよ!
暴走族のバイクです!
夜中、「パラリラパラリラ」という暴走族のミュージックホーンの中に、「ゴッドファーザーの愛のテーマ」が紛れ込んでいるとなぜかテンションが上がったもんです。
でも、暴走する人が減ったのかな?最近ぜんぜん聴きませんよね。
まぁ、違法だしね。
最後に聴いたのを思い出すと、かれこれ5年も前だった気がするし。
トラックのミュージックホーンでもたまに付けてらっしゃる方がいて、まさに羨望のまなざしでしたね。
この曲の作曲者は
この曲を作曲したのは、ニーノ・ロータ(Nino Rota)というイタリア出身のクラシック作曲家です。
1911年12月3日~1979年4月10日、すでに亡くなってから40年近く経っていますが、今でも注目を集めている作曲家です。
「ゴッドファーザー」、「太陽がいっぱい」、「ロミオとジュリエット」、「道」など、有名な映画音楽の音楽を手掛けました。
ところが、本人いわく「自分の本業はクラシックの作曲家であり、映画音楽は趣味にすぎない」と語っていたそうです。
そうは言っても、彼の功績は映画音楽で培われたんだから、人生って皮肉なもんです。
下手でも好きなことより、好きではないけど出来ることの方が目立ってしまうので、しょうがないのかもしれませんね。
ニーノ・ロータと映画音楽
ニーノ・ロータが初めて映画音楽で作曲したのは、1933年の「ポピュラー列車」です。
ロータはこの映画音楽を、オペラや管弦楽曲の感覚で作曲したのでした。
しかし、まわりには「娯楽である映画に、こんな難解な音楽は必要ない」と言われ、手直しすることまで要求されたのです。
何回も書きなおしをさせられて、「この曲を、自分が作曲したことは伏せてほしい」と思うくらいで、映画音楽は難しいと感じていましたが、収入源としてここから映画音楽を仕事にするのでした。
大学卒業後は、音楽教師をして、その傍らでクラシックの作曲家としても活動していました。
その本業のクラシック音楽の創作では、オペラなどを書いていましたが、当時すでに、クラシックオペラは過去の栄光となっていて、ロータの〈イタリアの伝統的音楽〉の流れを受け継いで作曲されたオペラは、「時代錯誤だ!ロータは映画音楽専門」と批判され、見下されたのでした。(泣)
しかし、こんなことがあっても、ロータは作曲を辞めませんでした!
彼は、新たな音楽の在り方を追求するために、イタリアを飛び出しアメリカへ向かうのです。
いざ、ハリウッド!!
「ゴッドファーザー」
そのハリウッドでオファーされたのが「Godfather(ゴッドファーザー)」の音楽だったのです。
絵はあくまで私のイメージです。(笑)
小説をもとにつくられたこの映画は、当時アメリカ国内ですら知られていなかった、マフィアの世界(栄光と悲劇)を描いたもので、現在でもマフィアのイメージといえば、この「ゴッドファーザー」が挙げられますよね。
若かりし頃の、アル・パチーノやロバート・デ・ニーロなど、イタリア系の血をもつ俳優さんが出ているので、観ていて違和感がないです。
この曲は映画公開と同じく1972年に発表され、日本では「ゴッドファーザー~愛のテーマ~」として知られています。英語ボーカルバージョンは「Speak Softly Love」と呼ばれます。
ゴッドファーザー3では、コルレオーネの息子が架空のシチリア民謡「Brucia La Terra(太陽は燃えている)」として歌っていて、その後、多くの歌手にカバーされています。
日本人では「また逢う日まで」で有名な歌手の、尾崎紀世彦さんがカバーしています。
ブーのおすすめは、Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)さんのカバーです。
「愛のテーマ」は、1958年に自身が作曲した「Fortunella」に全く同じ旋律(メロディー)があります。
私が聴いても「スタッカートなだけで、メロディーは同じやないか!」と思ったほどですから、よっぽどですね。
このために1973年のアカデミー作曲賞をとり逃してしまいました。
でも、ただ単に旋律の転用なので、1974年のアカデミー作曲賞では、同じテーマを使用したのに受賞しています。
この曲で、映画音楽にもオペラのような壮大な音楽が使えることが証明されました。
ロータの思い描いていた、音楽の在り方が叶ったのです。
「La Strada(道)」
この作品は1954年に製作されたイタリアの映画です。
ロータはこの作品を手掛けたフェデリコ・フェリーニ監督と長年タッグを組んでいます。
この映画もですが、きっとフィリーニ監督の世界観に、ロータの音楽がよく合ったんでしょうね。
日本で、1971年に吹き替え放送されたときには、声優として市原悦子さんや愛川欽也さんなど、声が個性的な人が起用されました。
「道」は、旅芸人のザンパノと、ジェルソミーナというちょっとオツムの弱い娘さんの話です。
旅芸人をしているザンパノは、芸の手伝いをさせるためにジェルソミーナを家族から引き離し旅に出ます。
ザンパノは乱暴者でかなり暴力的でしたが、道化(ピエロ)の恰好をして芸をするジェルソミーナは、そんな生活の中にもささやかな幸福を感じて過ごしていました。
作中に、ジェルソミーナがラッパ(トランペット)で「道」のテーマのメロディーを吹くシーンがあるのですが、それを聴いたシスター役の人が、思わずといった感じで「Bello…(なんて美しいの…)」と言うんですよ。
「その気持ち、めっちゃわかるわ~!」って感じです!
そんな中で、ジェルソミーナは陽気で優しい渡り芸人のイル・マットと出会い仲よくなります。
実は、イル・マットとザンパノは古くからの知り合いです。
でも、性格が真逆のこの2人、もちろん仲がいいわけありません。
いつも、おちょくってくるイル・マットにザンパノはいつも腹をたてていました。
結果、ザンパノはイル・マットを殺してしまいます。
目の前で仲よくしていた友達を殺されて、ジェルソミーナは放心状態になり、大道芸の手伝いとして役に立たなくなりました。
そんなジェルソミーナとラッパを置いて、ザンパノは独りで去って行ったのでした。
数年たち、ザンパノは旅芸人の一座と一緒に見知らぬ海辺の街にきました。
そこで、懐かしいメロディーを聴き立ち止ります。
ザンパノは思わず、それを口ずさんでいた女性にたずねました。
「ねぇ、お嬢さん!今唄っていたその歌は、いったいどこで覚えたんだい?」
女性はこう答えます「昔、4~5年前だったかしら。ここにいた娘(こ)がラッパで吹いていたの、旅回りの芸人だったわ。ここでは知り合いもいなくて、口数も少なかったけど…」
ザンパノ「その子は、今どこに?」
女性「死んだわ、かわいそうに。ある朝、冷たくなってたの。町長さんがあとの世話をしてたみたいだから聞いたらわかるかもしれないわ。」
懐かしい歌は、やっぱりジェルソミーナがラッパで吹いていた曲だったのです。
真相を知ったザンパノは、オツムの弱い、けれど素直でいつも明るいジェルソミーナのことを思い出し、人生のはかなさと、虚しさを感じながら海辺で独りむせび泣くのでした。
あぁ~~!!ブーも涙がとまらないよ~~!!
曲が切なすぎだよ~~!!
フィギュアスケートと「道」
ここ最近、この曲はブーが大好きなフィギュアスケートでよく使用されています。
好きなものと好きな曲の組み合わせって、ほんとうに最高だな、と思いながら見ています。
スケーターは、ピエロのおちゃめな面と、人生の悲しく切ない面を考えながらすべっているのでしょうね。