ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

ヘ音記号とハ音記号って知ってる?以外と知らない音部記号。

ようこそ!

教えてもらうまでト音記号を、tone(音)記号だと思っていたブーです。今日は、知ってるようで知らない、音部記号(おんぶきごう)について書きます。 

音部記号ってなに?

音部記号は、ト音記号(とおんきごう)、ヘ音記号(へおんきごう)、ハ音記号(はおんきごう)の3個です。

 

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クラシックの基礎である西洋音楽で使われはじめた、5線記譜法の楽譜に使われる音の高さを決める記号を音部記号といいます。

 

西洋音楽は、ヨーロッパが起源のクラシックやポピュラー音楽のことですが、このブログの中での西洋音楽は、ほとんどクラシック音楽のことだと思ってください。

 

5線記譜法は、現在もっともよく使われている、楽譜を書くときの大事な決まりごとです。

 

楽譜は、水平に引かれた5本の線に、音符(おんぷ)や休符(きゅうふ)を置いて音の高さや長さを決めたり、そのほかにも多くの記号を使って、音の流れや速さを付け足しています。

             

音部記号ってすごく大事!

楽譜を書くのに1番重要なのは、音符じゃなくて音部記号なんです。

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なので、こういう楽譜は普通ありません。

 

なぜなら、まっさらな状態の5線紙(ごせんし)に最初に書くべきなのは、音楽に重要な音符や休符じゃなくて、音部記号なんです。

 

単に音符を配置しただけでは音の高さの基準がないので「ソ」なのか「シ」なのかわからず、音ではなく宙ぶらりんの「黒丸と棒」の状態になります。

 

どうしたら、この可哀そうな宙ぶらりんの音の高さを知ることが出来るのでしょうか?

 

ここで重要なのが、音の高さを決める役目をもつ、音部記号です。

 

音部記号を先に書いて、音の高さの基準をすぐにわかるようにすることが、楽譜を書くためには1番大事なんです。

 

初めて見る楽譜に、音部記号がない!ってなると、音の基準がどこにあるのか作曲者以外にはわからないので演奏する側は困りますし、なにより演奏できません。(泣)

 

だから、音部記号は私たちにとって音の高さを知ってスムーズに演奏するために、とっても大切な目印なんです!

 

その大事な目印が一目見てわかるように、楽譜の見る方向も考えて、音部記号は1番見やすい左端に記されています。

 

音符記号は、英語で clef(クレフ)といいます。

 

ドイツ語ではNoten schlüssel(ノーテン シュリュッセル)です。

 

ノーテンは音楽、シュリュッセルは音楽用語で音部記号、普通の訳では鍵(かぎ)という意味。

 

音部記号の種類、特徴と役割

先ほどの説明のように音部記号は3種類ありますが、逆に言うと3個しかありません。

 

ただ3個として使うだけでは、いろいろ分けるには面倒くさいんですよね。(笑)

 

たとえば、楽器の王様と呼ばれるピアノは、88~97個の鍵盤(けんばん)を持っています。

 

ということは、88~97音出せるので、楽譜にはその低さと高さがすべて書けなければいけません。

 

となると、 楽譜に書くときに線がヤバい数になります。

 

もし、ピアノの楽譜がト音記号だけで書かれていたら、どっちが左手でどっちが右手かわからくなるし、何より、音の数だけ線が多くなるとしたら解読するのにかなりの労力と時間を使いそうで絶対に嫌ですよね。

 

なので、3種類ある記号の「置く場所」を変えて、高さを細かく分けられるようにしているのです。

 

ト音記号の特徴と役割

ト音記号

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音楽の記号などは、国によって呼び方が違います。

ト音記号という呼び方も日本だけです。

 

ト音記号の「ト」は、日本の音名です。これをわかり易くドレミ…に直すと、ト=ソの音になります。

 

日本音名・ハニホヘトイロハ

イタリア音名・ドレミファソラシド

英・米音名・CDEFGABC(シー,ディー,イー,エフ,ジー,エー,ビー,シー)

ドイツ音名・CDEFGAHC(ツェー,デー,エー,エフ,ゲー,アー,ハー,ツェー)

 

この記号が、真ん中の高さの「ソ」、日本ではトの音を基準にするためにつくられた記号だから、日本ではト音記号という名前なんです。

 

ト音記号は日本でも違う呼び方があって、高音部記号(こうおんぶきごう)ともいいます。

 

これは、ト音記号が高い音域の楽譜を書くときに使われるからです。

 

そして、音部記号が付いた5線紙は、譜表(ふひょう)と呼ばれます。

ト音記号の場合は、高音部譜表(こうおんぶふひょう)です。

 

英語ではTreble clef(トレブル クレフ)または、G clef(ジークレフ)、トレブルは高音という意味。

 

ドイツ語では、G Schlüssel(ゲー シュリュッセル)です

  

他の国では、ソの音をGと呼びますね。

 

Gの文字はト音記号にとって、すごく重要な意味を持っています。

 

それは、この記号がGの文字をもとにしてつくられたからなんです。

 

Gがソの音であること、Gの文字をもとにつくられた記号、そしてト音記号を書いたときにうずまきの中心がソの位置にくるようになっていることを合わせて覚えるとよいと思います。

 

 ト音記号は2種類にわけられる

ヴァイオリン記号

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1番スタンダードで良く使われるのが、下から2番目の線が基準のソ音の位置になる、このト音記号です。

 

ト音記号と言えば主にこちらのことを言いますが、わかりやすく別の名前もあり「ヴァイオリン記号」と呼ばれます。

 

一般的な音楽に使われる以外に、ヴァイオリンの楽譜に使われるからです。

 

英語ではViolin clef、ドイツ語では、Violin schlüsselといいます。

 

小バイオリン記号

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この位置のト音記号は、見たことが無いと思いますが、「小ヴァイオリン記号」といいます。

 

1番下の線が、基準のソ音の位置になる音部記号です。

 

すべての音部記号の中で、高音域を書くのに1番適した記号ですが、現在では全然使われていません。

 

アルト・リコーダーを実音で楽譜に書けるので便利ですが、もともと昔の楽器のためにつくられた記号なので、現在ではわざわざ使う必要もないからです。

 

ト音記号の例外

たまに低音域の楽譜でも使われることがあり、このときには目印で記号の下に小さく8と数字が書かれて、基準が8音下のソの音になります。

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8=オクターブという意味です。

 

これは西洋音楽が8つの音をひとつのまとまりで考えているためで、1オクターブ上は8音上の同じ音、1オクターブ下は8音下の同じ音になります。


ヘ音記号の特徴と役割

ヘ音記号

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ヘ音記号は、中央のド音の下にあるファ音を基準にするための記号です。

 

こちらも違う呼び方があり、低音部記号(ていおんぶきごう)といいます。

 

低音域を楽譜に書くときに使われるからこう呼ばれます。

譜表名は、低音部譜表(ていおんぶふひょう)となります。

 

英語では、F clef(エフ クレフ)、Bass clef(バス クレフ)、バスは低音のこと。

ドイツ語では、F Schlüssel(エフ シュリュッセル)、Bass chlüssel(バス シュリュッセル)といいます。

 

Fの文字をもとにしてつくられていて、Fがファの音であること、ヘ音記号を書いたときに点と点の間が基準のファの位置にくるようにすることを覚えておくとよいです。

 

ヘ音記号は3種類にわけられる

バス記号

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これが、ヘ音記号の中で1番スタンダードな、2番目の線が基準のファ音の位置になるバス記号です。

 

ヘ音記号と言えば主にこちらのことを言います。

 

昔から男性の声楽パートであるバスの楽譜に使われていて、現在でもヴァイオリン記号の次に良く見る音部記号ですね。

 

ピアノの楽譜や、合唱などの楽譜ではよく見られる大譜表(だいふひょう)などに使われます。

 

英語では、Bass clef、ドイツ語ではBass chlüsselと言います。

 

バリトン記号

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真ん中の線が、基準のファ音の位置になる音部記号で、昔は男性の声楽パートであるバリトンのために使われていました。

 

バス記号より、すこし高い音域を書くときに使いますが、現代ではあまり見ることはありません。

  

低バス記号

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1番上の線が、基準のファ音の位置になる音部記号で、すべての音部記号の中で低音域を書くのに1番適した記号です。

 

ですが、バリトン記号と同様こちらもめったにお目にかかることはありません。
   

 

ハ音記号の特徴と役割

ハ音記号

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ハ音記号は、中央のドの音を基準にするための記号です。

 

こちらも違う呼び方があり、中音部記号(ちゅうおんぶきごう)といいます。

 

高音と低音をつなぐ中間くらいの音域を楽譜に書くときに使われます。

 

譜表名はハ音譜表とは言わず、分けられた名称の譜表名になります。

たとえば、アルト譜表(あるとふひょう)など。

 

英語では、C clef(シー クレフ)、Alto clef(アルト クレフ)、アルトは中音域の意味。

 

ドイツ語では、C Schlüssel(ツェー シュリュッセル)、Alt Schlüssel(アルト シュリュッセル)といいます。 

 

Cの文字をもとにして作られていて、逆にしたCを上下にくっつけた形をしています。

 

ドの音を基準にするための記号で、ハ音記号を書いたときにCとCの間に線がきます。その線の位置が基準のドの音になることを覚えておくとよいです。

 

 ハ音記号は5種類にわけられる

アルト記号

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 ハ音記号の中で1番スタンダードな、アルト記号です。

 

真ん中の線が、基本のド音の位置になる音部記号で、中音域の楽器、女性の声楽パートであるアルトの楽譜を書くときに適した記号です。

 

ハ音記号は中音域を書くときに使われるので、このアルト記号は見ての通りキングオブ中央といって良いでしょう。(笑)

 

現在でも、楽器の楽譜に良く使われています。

譜表名はアルト譜表です。

 

メゾソプラノ記号

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 下から2番目の線が、基準のド音の位置なる音部記号です。

 

女性の声楽パートであるメゾソプラノの楽譜を書くときに適した記号ですが、ヴァイオリン記号で補える音域なので、現在では目にすることはありません。

 譜表名はメゾソプラノ譜表です。

ソプラノ記号

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 1番下の線が、基準のド音の位置になる、ソプラノ記号です。 


女性の声楽パートである、ソプラノの楽譜を書くときに適しています。

ハ音記号の中で1番高音を書くのに適した記号ですが、実際に高音域が必要であれば、ヴァイオリン記号の方が適しているので、こちらも使われることはほとんどありません。

 譜表名はソプラノ譜表です。

テノール記号

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上から2番目の線が、基準のド音の位置になる、テノール記号です。 

 

男性の声楽パートである、テノールの楽譜を書くときに適しているほか、現在でもオーケストラ楽器の楽譜に使われている記号です。

譜表名はテノール譜表です。

 

バリトン記号

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1番上の線が、基準のドの位置になる、バリトン記号です。

 

ハ音記号の中で、1番低音域を書くのに適した記号ですが、ヘ音記号のバリトン記号とまったく同じなので、現在ではあまり見ることはありません。

譜表名はバリトン譜表です。

 

ハ音記号多くない?

ハ音記号すべてを通して言えることは、中音域を書くことに適しているので、声楽の楽譜を書くためにはもっとも適していました。

 

しかし、5線の1つ1つに記号を振り分けているので、音の差があまりなく、結局ほとんど必要がなくなってしまったのです。

 

現在でも使われているのは、楽器の楽譜に使われていたりするアルト記号とテノール記号なので、ハ音記号はこの2つを押さえておけば大丈夫です。

 

音部記号の現実

たった3個しか無かった記号で、10種類も出来ましたね。

 

高さの順番は、小ヴァイオリン記号→ヴァイオリン記号→ソプラノ記号→メゾソプラノ記号→アルト記号→テノール記号→2つのバリトン記号→バス記号→低バス記号です。

 

でも、いま使われているのはこの半分以下で、ト音記号のヴァイオリン記号、ヘ音記号のバス記号、ハ音記号のアルト記号とテノール記号のたった4種類だけなんです。

 

パート分けをするには、すごく便利なのになぜ使われなくなった記号が多いのでしょうか?

 

理由は、昔の楽器用の記号だからであったり、現在ではいろんな楽譜の書き方ができるので細かくパート分けしなくても良くなったこと、

 

今は、昔みたいにインクがにじむような印刷技術でもなく、紙も良いものになったのでどんなに音符の線を増やしても見えるようになったからです。

 

だからといって、線がいっぱいの読みにくい楽譜はイヤだな。(笑)

 

でも逆に、作曲する際に使われなくなった音部記号を使うのも、個性が出ていいかもしれないですね。

 

楽譜に書くときはついつい省略しちゃうよね。

私もそうですが、ついつい面倒くさくて省略してしまう人、多いと思います。

 

例として私のハ音記号、普段はこんな感じです。(^_^;)

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有名な作曲家でも、ト音記号の書き方がグチャグチャだったりするそうで、「基準の音さえわかれば良いんだろ?」ってことですね。(笑)

 

こんな感じでしたが、音部記号が音を決めるためにすごく重要!ということだけでもわかってもらえれば嬉しいです。

 

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