日本語に訳された楽器の名前。〈その②〉
ようこそ!ブーです。
前回に引き続き『日本語に訳された楽器の名前』をご紹介します。
〈その①〉はこちらからどうぞ↓
前回はわかり易いスタンダードな楽器を紹介しましたが、〈その②〉では吹奏楽経験者や、音楽を趣味にしていたり音楽を専門に学んでいる人以外が、普段あまり目にしない楽器も取り上げてみました。
それでは、どうぞ!
六弦琴・六絃琴(ろくげんきん)
六弦琴は弦楽器であるギターのことです。(アコースティックとエレクトリックに関係なく)
名前の由来は、ギターという楽器の音がなる部分である弦の本数が6本(6弦)なので、「六弦琴」と付けられました。
ですが、現代では「4~18弦のギター」といったように、弦の本数が少ないものや多いものが存在しています。
それに加えて、音色を変えるために弦を張る場所を分けた「ダブルネック」や「トリプルネック」、「マルチネック」と幅広い楽器の種類があるので、名前をつけた時の定義が根本から覆されています。
四弦琴・四絃琴(しげんきん)
四弦琴はベースという「低音を担当するギター」のことです。
名前の由来は、楽器の音が鳴る部分である弦の本数が4本(4弦)なので、「四弦琴」と付けられました。
ですがギターと同じように、ベースも現代では「1~12弦のベース」といったように、弦の本数が少ないものや多いものが存在しています。
そしてギターと同様、音色を変えるために弦を張る場所を分けた「ダブルネック」や「トリプルネック」、「マルチネック」と幅広い楽器の種類があるので、名前をつけた時の定義が根本から覆されています。
(ちなみに、コントラバスはダブルベースやウッドベースという別名をもちますが、四弦琴ではありません。)
そのうえ、日本には〈四弦琴〉という名前は同じでも別の楽器があるんです。
ベースと同じように弦が4本ですが、棹 (ネック) の長さが約1メートルの「三味線に似た琴」であり、音色の全く異なる楽器のため、混同しないように注意が必要となります。
その他の弦楽器
現在では漢字で書かれたり呼んだりすることはあまりないので情報が少ないのですが、知っている限りの弦楽器の名前をまとめてザックリと紹介します。
楽器の名前を日本語にした場合、中国語を基にしているものが多く、日本語の読みが不明なものが多々あったため、代わりに『こう読むんじゃないかな?』と個人的に考えた読みや、中国語の読みを書いてみました。
中国語の読みは、私が聞いた発音で表記しているので、本来の読みとは異なるかもしれません。
その点は、あしからずご容赦願います!
琉特
琉特はリュートという弦楽器のことです。
日本語での読みは不明ですが、個人的には「りうと」や「りゅうと」か「りゅーと」もしくは「るうと」あたりではないかと思っています。
由来となった中国語では「琉特琴・魯特琴=ルゥトェキンもしくはルゥトェチン」となります。
現代の中国では、『演奏方法や音色が異なるケド、見た目が似ている弦楽器の琵琶』と混同されているようです。
(うん、確かに似てる…)
リュートはヨーロッパに古くからある古楽器で、6~18世紀頃までは独奏楽器としてだけではなく、合奏や歌の伴奏としても幅広く楽しまれていました。
ギターのように弦をはじいて演奏しますが、ギターや他の楽器と比べて音量が小さいことと、和音などの細かい演奏を瞬時に行なうことが困難という理由から、徐々に衰退していったのでした。
曼徳林(まんどりん)
曼徳林はマンドリンのことです。
マンドリンもギターのように演奏することができ、大きさ(全長)は一般的なギターが90~100㎝台に対して、60㎝台の全体的に小さめな楽器なので、『手が小さいからギターは無理』という方でも扱いやすい楽器です。
班鳩・班卓(ばんじょう)
班鳩・班卓はバンジョーという弦楽器のことです。
由来となった中国語では「班鳩琴・班卓琴・班祖琴=バンジョーキンもしくはバンジョーチン」といいます。
バンジョーは、アフリカ系アメリカ人が作った楽器で、ギターのように弦をはじいて演奏します。
変わった見た目をしていて、薄いスネアドラムにネックをつけたような形をしているので動画のように打楽器としてリズムを刻むこともできるハイブリッドな楽器です。
関係があるかは分かりませんが、斑鳩は日本では「いかるが」とも読み鳥の名前や町の名前にもなっています。
三角琴(さんかくきん)
三角琴はロシア発祥のバラライカという弦楽器のことです。
この楽器は、名前の通り三角形の見た目をしていて、ギターのように演奏します。
この動画では弦楽器が2つあり、大きさが全然違うので一見すると別の楽器のようですが、実は両方ともバラライカなんですよ~!
管楽器
喇叭(らっぱ)
喇叭は金管楽器(トランペットのような形と演奏方法の楽器)の総称として使われています。
他の楽器が、見た目や演奏方法で名前が付けられていることに対して、喇叭という漢字の名前が使われている理由は調べても書いてありませんでした。
ですが個人的には、漢字の意味が関係しているのではないかと思います。
- 喇の意味は「おしゃべり、早口、甲高くしゃべる」
- 叭の意味は「口を開けたさま、口から発せられる音や声の形容」
ということなので、『おしゃべりな人の声ように甲高い音が鳴る楽器』という解釈で良いでしょうね。
低音管・低音笛(ていおんかん・ていおんぶえ)
由来となった中国語では「巴松管=バンソングァン、低音管=ディイングァン」となります。
木管楽器の中では、もっとも低い音を担当する楽器なので「低音」という漢字があてられました。
角笛(つのぶえ)
角笛はホルンの総称です。
ホルンの由来は、狩をするときの合図として使われていた楽器の「動物の角で作られている角笛」で、今でも「角」という意味を持つイタリア語ではCorno、フランス語ではCorという名前で呼ばれています。
ちなみに、ホルンではなくオーボエに似た楽器のイングリッシュホルンは、日本語で「英国管」といいますが、このようにホルンという名前がついていても違う楽器が多くあるので注意が必要です。
欧巴
欧巴はオーボエのことです。
日本語での読みは調べても出てきませんが、 完全にオーボエを基にした当て字なので「欧巴=おーぼえ」で良いと思われます。
黒管
黒管はクラリネットのことです。
日本語の読みは不明ですが、個人的には「くろかん」、「こくかん」、「こっかん」だと思います。
由来は、ボディーが黒色で細長い筒状・管状の楽器だからです。
打楽器
鐘琴(しょうきん)・鐘(かね)
鐘琴・鐘はチューブラーベル(チャイム)のことを指します。
チューブラーベルという名前は馴染みが無いと思いますが、NHKの番組「NHKのど自慢」では審査用の鐘にも使われているので、音色自体は聴き馴染みのある楽器だと思います。
太鼓(たいこ)
太鼓はドラム系の打楽器を総称するときに呼ばれます。
日本でも同じような構造の楽器「和太鼓」や「鼓=ツヅミ」があるのでわかりやすいですね。
定音鼓
定音鼓はティンパニのことです。
ティンパニは、足元についているペダルやハンドル、または本体を回転させることで音の高さを調節することができ、通常の太鼓と違い楽譜に書いてある定められた音程を正確に演奏することができるため「定音鼓」と呼ばれているようです。
日本語の読みは不明ですが、中国語では「定音鼓=ディンイングゥ」と読みます。
木琴(もっきん)
木琴はシロフォン(ザイロフォン)やマリンバなどの「木製の板をピアノの鍵盤のように音の高さ順に並べた打楽器」の総称です。
ちなみに、マリンバは「馬林巴」という当て字が使われています。
鉄琴(てっきん)
鉄琴は「金属製の板をピアノの鍵盤のように音の高さ順に並べた打楽器」に当てられた日本語の名前です。
ヴィブラフォンなどの大きな楽器から、マーチングで使われているベルリラやグロッケン(グロッケンシュピール)のように小さな楽器、そして調律されていないようなオモチャまで、全てまとめて「鉄琴」と呼ばれています。
三角鉄(さんかくてつ)
三角鉄はトライアングルのことです。
トライアングルは本来「三角形」という意味があるので、見た目や素材の特徴をそのまま名前にした感じですね。
鉄という漢字が入っていますが、実際の素材は鉄ではなく鋼鉄という「鉄と他の金属をまぜて強度を増した合金」が使われています。
鈴鼓
鈴鼓は打楽器のタンバリンを指します。
由来となった中国語では、「铃鼓・鈴鼓=リングゥ、手鼓=ショウグゥ」となりますが、日本語での読みは不明です。
ジングルと呼ばれる鈴がついた太鼓のような楽器なので「鈴鼓」と呼ばれています。
その他
鳩琴(きゅうきん)
鳩琴はオカリナという笛のことです。
鳩の鳴き声に音色が似ているので鳩という漢字が使われるのは分かりますが、どう考えても琴っぽくはないので「鳩笛」と呼ぶ方がしっくりくる感じがします。
ですが、日本には別の楽器で鳩の形をした鳩笛があるので、オカリナを鳩琴と呼んでいました。
ところがイタリア語でオカリナは『小さなガチョウ』という意味なので、「鳩琴・鳩笛」のどちらにしても日本語の名前をつけたときのミスだということが発覚しました。(笑)
馬頭琴 (ばとうきん)
日本では馬頭琴として知れわたっているのが、モンゴルを代表する伝統的な弦楽器モリンホールです。
モンゴルの言葉で「馬の楽器」という意味があり、名前の通り楽器の棹の先端部分が馬の頭の形をしているため中国と日本では「馬頭琴」と呼びます。
弱音器(じゃくおんき)・消音器(しょうおんき)
楽器の名前ではありませんが、この2つは楽器を演奏するときの機能で考えると、とても重要な役目をもつ道具や機能のことです。
弱音器はミュートを指します。
ミュートは、楽器の音が出る部分に蓋をして聴こえてくる音を弱める(小さくする)効果と、音楽的な表現のために音の強弱や音色を変える目的で使われることがある道具や機能のことです。
例として、金管楽器のミュートする道具と、ピアノのミュート機能をもったペダル↓
消音器はサイレンサーやサイレント機能のことを指します。
サイレンサーは、楽器から出る音を消す(出なくする)効果や、ミュートと同じように楽器の音が出る部分に蓋をして音を弱める(小さくする)効果のある道具や機能のことです。
例として、ピアノの消音機能をもったペダル↓
ミュートとサイレンサーのどちら共、楽器の音が騒音になることを防ぐために使うことができます。
知ってたら教えてね!
私が今現在知っている「日本語に訳された楽器の名前」は以上になります。
今回、日本語に訳された楽器の名前を調べてみて『なるほど~!』と感心したものもありましたが、『見た目のままの名前だな!』とか『オカリナ…鳩でも琴でもないし!』とか、ツッコミどころもあって面白かったです。(笑)
新たに日本語に訳された楽器を見つけたら、そのたびに追記していきますので『他にも日本語に訳してある楽器を知ってるよ!』という方がいましたら是非、教えてくださいね!
そして音楽では楽器以外にも、日本語に訳されている用語などが多くあるので、また記事にしたいと思います。
日本語に訳された楽器の名前。〈その①〉
ようこそ!ブーです。
今回は、『日本語に訳された楽器の名前』を2回にわたって紹介します。
みなさんは、〈楽器の名前〉と聞いてどんなものを思い浮かべますか?
日本固有の楽器(琴・尺八・三味線・篳篥・笙など)以外で、日本語の名前が思い浮かんだ人は少ないのではないでしょうか。
思い浮かんだ人は逆に凄いですよ!
楽器の名前が日本語でパッと思い浮かばない理由は、現在聴くことのできる音楽の基礎となった「クラシック音楽」が西洋発祥ということと、
現代の日本では外国(海外)から伝わるものに偏見が少ないため、音楽を習うときも当たり前のように専門用語は外国語で習っているからです。
ですが楽器が伝わってきた初めの頃は、他国に対する偏見や、外国語で伝えても日本人にはまったく馴染みがないので上手く伝わらないという事もあったので、日本語に訳したものが伝わっていくことも少なくありませんでした。
グローバル化が進んだため、現代では日本語の名前はほとんど使われていませんが、「日本語に訳された楽器の名前」ということで言葉(固有名詞)としてはちゃんと残っていますし、由来や解釈が面白かったり、『なるほど!そういう理由かぁ…』と納得できるものも多かったので紹介していきます!
知っておきたい「楽器を日本語に訳したときの法則」
楽器を日本語に訳したときに、大きく分けて2つの法則があります。
法則の1つ目は、楽器の名前を日本語に訳した場合、その多くに「琴」という字が使われているという事です。
中には、「琴」という字が使われていると違和感を感じる楽器もありますが、中国から漢字が伝わるときに、弾いたり擦ったりして演奏する弦楽器や、吹いて演奏するリード式の管楽器、鍵盤楽器のほとんどに「琴」という字が使われていたことに由来して、日本でも楽器を指す漢字として「琴」という字が使われるようになりました。(付いていないものもあります。)
法則の2つ目は、「見た目や演奏方法など」の楽器の特徴から名前が付けられる場合も多いということです。
この2点が分かっていると、楽器の名前が漢字で書かれていても、どの楽器なのかが理解しやすいと思いますよ!
日本語に訳された楽器の名前
洋琴(ようきん)
洋琴とはピアノのことです。
ピアノの場合は、言葉の発音が上手く伝わりすぎて「ピヤノ」と誤表記されている時期もありましたが、明治時代に『西洋から来た鍵盤楽器』ということに因んで、日本語では「洋琴」と名前が付けられました。
この「洋琴」はピアノという楽器を総称で呼ぶときの名前ですが、電気が使われていないアコースティック式のピアノの種類は2種類あり、それぞれに名前があります。
1種類目のグランドピアノは「平台洋琴・三角洋琴・大洋琴」
2種類目のアップライトピアノは「竪式洋琴」です。
そして、ピアノの原型である楽器のチェンバロは「大鍵琴」と言います。(同じ仲間なのに、こっちには“洋”という字が付かないんだなぁ…。笑)
電子琴(でんしごと)
電子琴はエレクトーンのことです。
エレクトーンは、ヤマハ株式会社が製造・発売する「電子オルガン」という特定の商品名を指しオルガンをベースとした楽器なので、同じように電気によって演奏できる楽器でも「電子ピアノ・デジタルピアノ」はピアノをベースとした楽器のため電子琴ではありません。
風琴(ふうきん)
風琴はオルガンのことです。
オルガンが風を使って音を鳴らす仕組みの鍵盤楽器のため、この字が使われました。
似た構造で大規模な鍵盤楽器のパイプオルガンは「管風琴」と言います。
「パイプ=管」ということで、見たままの解りやすい名前ですね。
手風琴(てふうきん)
手風琴はアコーディオンのことです。
風を使って演奏するという構造がオルガンと似ていること、また手で演奏するためにこう呼ばれていました。
口風琴(くちふうきん)
口風琴はハーモニカのことです。(伝来した明治時代には“西洋横笛”と訳されていた時期もありました。)
「風琴」は上に書いたとおりオルガンを指しますが、ハーモニカの名前の由来には諸説あり、「口を使って楽器に風を送り込み音を鳴らす楽器のため」や「オルガンの調律用の道具として使われていたため」だと考えられています。
提琴(ていきん)
提琴はヴァイオリンのことです。
“提”という字は『手にさげて持つ・かかげる』などの意味があり、ヴァイオリンを演奏する様子をあらわしています。(似ている漢字の“堤”と間違えないようにね)
その他にヴァイオリン属の弦楽器類では、ヴィオラ(ビオラ)が中提琴、チェロは大提琴、コントラバスが低音提琴という風に、楽器の大きさと合わせて名前が当てられています。
竪琴(たてごと)
竪琴はハープのことです。
もともとアジアではハープに似た楽器があり、中国では箜篌(くご)、ミャンマーではサウン・ガウと呼ばれて演奏されていました。
“竪”という字は、「縦向き・上下・水平」などの方向をあらわす意味があり、楽器を立てて(縦向きにして)演奏する様子をあらわしています。
“琴”という字は、同じ弦楽器で日本人には馴染みのある「琴」や「箏」を想像することが出来るので、見たままですね。
自鳴琴(じめいきん)
自鳴琴はオルゴールのことです。
解釈としては、人間が音程を調節して奏でる楽器ではなく、設定された音・決まった音をほとんど自動で演奏するため、「自らが演奏し鳴る楽器」としてこの名前が付けられました。
人の手によってスイッチを押したりネジを回したりして音を鳴らすので、『本当に自動といって良いの?』と問いたくなりますよね…。(笑)
横笛(よこぶえ、おうてき、ようじょう)・長笛(ながぶえ)
フルートを日本語にすると横笛になります。
縦向きではなく横に持って演奏するためこう呼ばれますが、フルートだけではなく、邦楽器である竜笛や篠笛など、横向きに構える管楽器は「横笛」と呼ばれるので注意が必要です。
フルートと似た小さい横笛のピッコロは「短笛」といいます。
縦笛・竪笛(たてぶえ)
リコーダーのことを日本では縦笛と呼びます。
横向きではなく縦に持って演奏するためこう呼ばれますが、邦楽器の尺八のほかにクラリネットやオーボエなど、縦に構えて吹く管楽器は「縦笛」と呼ばれるので注意が必要です。
知っているものはありましたか?
私自身、調べるまで知らなかったものの方が多かったです。(笑)
今回は解りやすくスタンダードな楽器を紹介しましたが、次回は知らない人が多いかもしれない楽器も紹介しようと思います!
ファンじゃなかったのに、星野源さん凄すぎます。
ようこそ!ブーです。
今日は、星野源さんが2018年8月20日にリリースした楽曲「アイデア」と、星野さん主演のNHKのテレビ音楽番組「おげんさんといっしょ」を紹介します。
星野さんについては、こちらの記事でも紹介しました。↓
「アイデア」ついにリリース!
2018年8月20日午前0時、星野源さんの楽曲「アイデア」が各音楽サイトにて限定配信されました。
『やっとリリースされたな…』という感じではありますが、すでにCDに収録される日が待ち遠しいです。(笑)
アルバムにするとしたら、他の楽曲はどんなものが入るのだろうか、などいろいろ考えるとワクワクしますよね!
「アイデア」の楽曲としてのリリースは待ちに待ったという感じですが、“半分、青い”というドラマを観ていれば毎日のように1番だけは聴くことができている状態だったので、『2番以降はどんな歌詞なのかなぁ…?』という位の微妙な期待で待っていたんです。
ところが!
20日にリリースされて初めて曲の全貌を聴いて度肝を抜かれたのでした。
ミュージック・ビデオはYou Tubeで公開されています。ご覧になっていない方はこちらをどうぞ!↓
マリンバの素材である“木”特有の優しい音色と、弾けるようなメロディはやっぱり星野さんの演奏でしたね。
最後のドラも、曲の締めとして良い仕事をしてます。
歌詞を調べてみると、一見なんの変哲もない普通な感じがしましたが、音楽構成としては私が今までに聴いたことが無く、考えてもみなかったものでした。(歌詞を載せることはできないので調べてみてね。)
1番と最後のメロディは、聴き馴染みのあるポップな感じ
2番は歌詞の「ダンスフロア」に合わせて、電子楽器を使った重低音とクラップ音(手拍子のような音)が利いたクラブを思わせるダンスミュージック風
そして間奏の後に来るのは、今までのスピード感を一気に抑えたアコースティック・サウンドで聴かせる、ギター1本で挑んだバラードの部分…
音楽の緩急の付け方は、予想することができないジェットコースターのスピード感を思わせるようなドキドキとワクワクで構成され、1つの曲にジャンルの違う3曲を詰め込んだ全貌は、まさに音楽の宝箱といえる作品です!
そして、その違うジャンルの音楽それぞれが、これまた絶妙なバランスでなりたっているなんて、本当に凄すぎます!
中でも、曲の間奏部分では音を逆回転させたようなイメージで作られたところがあり、ミュージック・ビデオの踊りも音楽に合わせて逆再生にしたような振りになっているので、耳と目の両方で楽しめるなど、星野さんのこういった《音楽の細かい世界観作り》は本当に見事ですよね。
ミュージック・ビデオと、音楽サイトの配信版ではつなぎ部分の仕様が多少異なるので、聴き比べると新たな発見があるかもしれませんよ。
星野さん本人も、この曲についてこう語っています。
星野源としてやってきたこと、もっと言えばSAKEROCKの時からやってきたこと。
そして『YELLOW DANCER』以降、作ってきたイエローミュージックというもの。
すべてを含み、すべてを越え、すべてを壊し、未来に進むパワーを持つ楽曲、そんなものを作りたいと思いました。
このことから、「アイデア」という曲が今の星野源の集大成で力の入った作品であること、そして星野源が目指す音楽の新たな進化への原動力になる楽曲なのだと解りました。
「おげんさんといっしょ」
「アイデア」のリリースに合わせるかたちで、同日の2018年8月20日の午後10時、前回放送の第1弾から約1年3ヶ月ぶりに「おげんさんといっしょ」という星野源さん主体の音楽番組がNHKで生放送されました。
前回の放送も10時50分からという、ゴールデンタイムから外れたオンエア時間であったにもかかわらず、Twitterのコメントが1時間で30万を越えるなど、ものすごい反響があったそうです。
《星野源の“ゆる~い”偏愛的音楽&トーク番組》と銘打ってありますが、生放送ならではのライブ感が楽しめたり、また出演者陣が『間違っても良い音楽番組です!よろしくお願いします!』と紹介する当たりに、親近感(お茶の間感?)を持てて素敵だなと思いました。
もちろん内容も『歌にトークに』と充実したラインナップだったので、観ていて楽しかったですし、番組を“ゆる~く”進めていたせいで、この充実したラインナップだと最後の方は時間が押してしまっていたため『巻きで(急ぎで)!』と口に出してしまっていたのも、他の音楽番組には無い感じで面白かったです。
番組の設定では、
主役でお母さん役の「おげんさん」が星野源さん
「お父さん」役が女優の高畑充希さん
セーラー服を着た14才の長女「隆子(たかしこ)」は、お笑い芸人で俳優業もこなす藤井隆さん(藤井さんは1972生まれなので、あくまでも番組としての設定です。笑)
造園業の仕事をしている設定の「次男」役はダンサーや歌手として音楽活動をしている三浦大知さん
(ちなみに今回は出演していませんでしたが、第1弾に登場した長男役はY.M.O.のベーシストとして有名な細野晴臣さんです。)
番組のマスコットで司会進行を務めるパペットの「ねずみ」は声優の宮野真守さん
というなんとも豪華な顔ぶれでした。(あと、みなさん歌がお上手なんですよね!)
高畑充希さんはドラマ「過保護のカホコ」の主演、藤井隆さんはドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」に出演と、お二方とも星野さんが主題歌を歌ったドラマからの流れで今回も「おげんさんといっしょ」に出演されたのだろうと推測されます。
このとき、『じゃあ、三浦大知さんは何で出てるんだろう?』と疑問に思ったのですが、すぐに解決しました。
おげんさんといっしょでは、You Tubeにアップされている「アイデア」のMV(ミュージック・ビデオ)撮影に関する裏側も少し語っています。
実は、MVに使われているダンスの振り付けを次男役の三浦大知さんが担当したそうで、そのため今回出演したのだとわかりました。
三浦さんが自分以外のアーティストの作品を振り付けするのは初めてとのことで、この「アイデア」がそういった観点から見ても注目度の高い作品だと思いました。(MVのダンスシーンのとき、裏方さんのように少しだけ三浦さんが映っているので是非、探してみてください。笑)
三浦さんが、過去に星野源さんのダンスへ向ける姿勢を目の当たりにしてからリスペクトしているという経緯で交流が始まり、今では焼き肉に行くほどの仲だそうですよ。
曲に振りを付けてもらった星野さん本人や、他の出演者にも三浦さんのダンスは好評で『音の細かい部分まで再現している』『いろんなジャンルを組み合わせた凄いダンス』と絶賛されていました。
三浦さんのダンスの根元にあるのは、アメリカのシンガーソングライターのジャスティン・ティンバーレイクのダンスで、ジャスティンの「ビートではなく音や言葉に合わせた振り付け」のダンスに心揺さぶられたそうです。
三浦さんも、そんな風に音楽のグルーヴ(ノリ感)に合わせたダンスを自分なりに模索して表現しています。
音楽番組に出演しているのを何回か拝見しましたが、三浦さんは歌いながら踊るアーティストの中でも群を抜いて凄いんですよね!
あんなに激しく踊っているのに声がブレないことには驚きを感じます。
星野さんが語っていた『ダンスは曲の一部』の表現ができるアーティスト、また星野さんの人柄や、彼の音楽的な世界観などを理解している人物として、今、1番合っているのが三浦さんだったんだなぁ、と思いました。
こんな風に、「アイデア」の曲の裏側を知ることができたので、「おげんさんといっしょ」という番組を観ることができて良かったです。
星野源さん凄すぎます!
上に載せた過去の記事では、『ファンじゃないんだけどね!』と書いていましたが、気が付いたらファンみたいになっていました。(笑)
彼の音楽には中毒性がある、星野源さん凄すぎます!
そして、これからもあなたの楽曲を楽しみにしています!!
民謡の革命「ソーラン節」
ようこそ!ブーです。
今日は、民謡に革命を起こした「ソーラン節」を紹介します。
北海道の日本海沿岸で歌い継がれている民謡の「ソーラン節」ではなく、ドラマ【金八先生】の1999年に放送された第5シリーズで取り上げられたことによって、人気に火がつきブームになった方です!
聴きながら読んでね。↓
昨今では、体育祭などの行事でよく踊られるようになったので、1度は聴いたことがあるんじゃないかなぁ~?と思います。
「ソーラン節」とは?
本来の「ソーラン節」は、北海道の民謡です。
北海道の日本海沿岸では春になると、数の子の親として有名なニシンという魚が産卵しにやってくるので、漁が盛んになります。
その作業の際に歌われていた鰊場作業唄の1つ「沖揚げ音頭」から派生したのが「ソーラン節」です。
『ソーラン、ソーラン』という掛け声が印象的なので「ソーラン節」と呼ばれるようになりました。
上の動画で紹介したものは、現在もっとも知られている「ソーラン節」で、民謡に革命を起こした作品です。
昔からある北海道民謡をロック調にしたという画期的なものですが、歴史ある民謡界では異例の作品なので、当時は否定的な意見が多くありました。
ですが、この作品のおかげで「ソーラン節」という1つの伝統が救われたことは言うまでもありません。
現代に合った民謡の形として、今では全国で知られるようになりました。
革命的な「ソーラン節」を作った人
この作品を手がけたのは民謡歌手の伊藤多喜雄さんという方で、現在でもパワフルに音楽活動を行っています。
1950年10月6日、北海道苫小牧市の漁師の家に12人兄弟の末っ子として生まれた多喜雄さんは、小学生のころから新聞配達などをして家計を助け、中学生のころには民謡酒場で歌うようになりました。
中学卒業の15歳ごろには『金の卵』と呼ばれるほどの歌声を持っていましたが、将来のことを考え、音楽を諦めて就職を決意し上京するのでした。
その音楽とは離れた生活の中で、たまたま民謡教室の横を通る機会があり、聴こえてくる民謡の懐かしさに居てもたってもいられず、思い切って民謡を習い始めることにします。
天性の才能からか、18歳でNHK民謡オーディションに合格し、「民謡界のホープ」と言われるまでに成長、1976年(昭和51年)26歳から3年間、公益財団法人日本民謡協会主催の「民謡民舞全国大会」において連続優勝し、協会より民謡の教授免許認定を受けました。
自分の歌手としてのスタイルに悩んだ時代もありましたが、廃れていく民謡の復活に向けて独自の活動を展開しようと奮起します。
その活動の中で出会った稚内市立稚内南中学校のおかげで、多喜雄さんが目指す民謡の復活と「民謡の新たな道」が開かれたのです。
1980年代の中学校は、校内暴力やいじめ、学級崩壊などで荒れていました。稚内南中学校ではその風紀を正すため、生徒達に伝統的な民謡の「ソーラン節」を踊らせていました。
地域の住人や保護者からは好評でしたが、生徒達には『リズムやテンポ、歌詞も古臭い』という理由で不評でした。
時は流れて、平成3年に多喜雄さんの「ソーラン節」を聴いた先生が『これは子どもに間違いなく受ける』と直感して採用したことが縁で、多喜雄さんによる新たな編曲と舞踏家の春日壽升さんによる振り付けの指導がされました。
こうして現在知られているソーラン節の原点である、最北の風雪やカモメなどの自然、そこに生きている漁師達の活気や海峡の町である稚内を唄と踊りで表現した作品「南中ソーラン」が誕生しました。(踊りにも漁師さんが網を引き揚げるような動きが入っているので楽しめますよ。)
タイトルは稚内南中学校に因んで「南中ソーラン節」、ロック調に編曲をしたものだからそのまま「ロックソーラン」、伊藤多喜雄さんが編曲をしたから「TAKiOのソーラン節」など色々な呼びかたがあります。
現在演奏されているのは、初期版からアレンジされた「TAKiO'S SOHRAN 2」です。
作詞は多喜雄さんの自作、編曲は自身も所属するグループ“TAKiO BAND”と共に行ないました。
ダンスブームと「ソーラン節」
昨今のダンスブームによせて「ソーラン節」もジャズヒップホップに合わせて編曲されました。
ジャズヒップホップの編曲は佐藤真吾さんというキーボーディスト(鍵盤奏者)の方で、2012年からダンサーのnonさんとダンス教室「楽喜楽kids」を開いています。
そのダンス教室の活動から、縁があって2017年11月1日に溝の口駅前にある高津市民館で行われた【伊藤多喜雄コンサート溝の口】に参加し、更にソーラン節のREMIXアレンジを担当する運びとなったそうです。
このアレンジに対して多喜雄さんは『この曲は、盆踊りと同じ感覚なので、唄も全国さまざま、色んな種類があったりテンポが違ったりするように、こういった民謡のあり方があっても良いのではないか?』という考えを持ったと語っています。
ただし、このアレンジは『テンポが速いので唄うのが精一杯!』と仰っていて面白かったです。(笑)
1つの民謡であった「ソーラン節」が、ロック調からジャズヒップホップへと編曲されているように、音楽は時代によってドンドン変わっていくんだなと実感するエピソードでした。
伝統を残すのは難しいけれど…
近年の運動会や体育祭というと、クラスの結束を早く強めるため・熱中症などの安全性に考慮して・秋の行事が立て続けにならないように分散するため・受験を控えている生徒のことなどを考えて“春”に行うことが増えました。
でも、私が学生の頃は9月に行なわれていたので、この暑い時期になるとこの「ソーラン節」を練習した記憶がよみがえります。
学生の頃は『この暑い中、いったい何のために踊らなきゃいけないんだ…』と思っていましたが、大人になると汗だくになって踊ることがまったく無くなりますから、今では本当に貴重な体験だったなと感慨深いです。
そして今回調べて驚いたのは、この「ソーラン節」が実はそんなに古い曲ではないということと、「この曲を作った人・歌っている人」が今でもパワフルに活動しているということでした。(多喜雄さんゴメンナサイ…。汗)
民謡といえば「昔からあるもの!」という意識が強いのでかなりの衝撃の事実だったんですよね。
伝統をきっちりと残すのは難しいけれど、こんな風に現代に合った「形を変えた在り方」も良いなぁ、と思うのでした。
「猫のための音楽」は本当に猫のためのものでした。
ようこそ!ブーです。
先日、テレビを見ていて面白い音楽の存在を知ったので紹介しようと思います。
その名はなんと「猫のための音楽~Music for Cats」!!
名前の通り、猫のために作られた音楽なんです。
今まで、猫や犬の声で作られている音楽は聴いたことがありましたが、まさか『猫のため』に作られた曲があるなんて!と驚きとともに興奮を感じました。
「猫のための音楽~Music for Cats」収録曲
1. ロロの空間 - Lolo's Air
このCDアルバムの中で唯一、猫と人間の両方に向けて制作された楽曲です。
なので和訳の題名を『ロロと過ごす空間』と付けても良かったのでは無いかと思います。
2. ケイティ・モスのキャットウォーク - Katey Moss Catwalk
イギリスのモデル“ケイト・モス”を想像してしまいます。(笑)
3. タイガーリリとミミのミャウジカル - Tigerlili And Mimi's Mewsical
「ミュージカル」が「ミャウジカル」に!良い発想です。
4. スクーター・ベレのアリア - Scooter Bere's Aria
オペラで使われるようなアリアのように、感情的でドラマティックな仕上がりの曲です。
5. サイモン・セッズ - Simon Says
サイモンセッズは、英語圏の人によく知られている子供の遊びなんだそうですが、曲のタイトルが同じ意味なのかは定かではありません。
曲を聴いた感想
個人的な意見ですが、猫が心地良い音と感じるであろう部分は雑音のように聴こえるので少し耳障りだったり、音の種類に馴染みがなくて音楽としてしっかり聴いていると脳が混乱して疲れたり、違和感を感じるところが多々ありました。
音楽的にはゆったりとしているので、小さな音でBGMとして流すのなら気にならないと思います。(猫は人間に対して10倍の聴覚を持っているので、小さい音量で聴く方が丁度良いのかも!)
猫のために作られている音楽ですから、人間が聴いてこういう風な感想を持つのは、当然といえば当然の結果ですよね。(笑)
制作に携わった人
作曲者 David Teie
作曲者はDavid Teie(デヴィッド・タイまたはデヴィッド・テイー)という、アメリカ在住の音楽家です。
1984年から20年以上もの間、ワシントン・ナショナル交響楽団でチェロ奏者(チェリスト)を勤めました。
1999年から2000年にはサンフランシスコ交響楽団の首席チェロ奏者として活躍し、アメリカ合衆国のメタルバンドとして世界的に最も成功を収めたとして知られているメタリカ (Metallica) がサンフランシスコ交響楽団と共演したライヴでも演奏しているスゴイ人物です。
その他にも、世界のトップアーティストを指揮したり、楽曲提供や大学の教員を務めるなど、充実した音楽家生活を送っています。
彼が「ある種の動物のみに向けた音楽」の研究を始めたのは、2009年からです。
きっかけは『音楽が感情にどのような影響をもたらすのか?』ということについて、探究心が芽生えたからでした。
そのため、心理学者・霊長類の研究者であるCharles Snowden(チャールズ・スノーデン)に連絡を取り、彼の協力を得て、中南米の熱帯雨林に生息するタマリンという種類の猿を対象とした実験を行うことに…。
タマリンを研究対象にした理由は、複雑で頻繁な発声によってコミュニケーションを取る動物だったからです。
3週間ほどかけてタマリンの鳴き声や、彼らの出す音を録音し、それを研究して2つの音楽を書き上げました。
1つ目は、音楽のリズムをタマリンの安静時の心拍数に合わせ、音もリラックスしているときの鳴き声に寄せた、精神を落ち着かせるための曲。
2つ目は、タマリンが興奮したときに立てる音や、危険を知らせるときの鳴き声をもとにした、動揺を感じさせる曲でした。
実際に、1つ目の曲ではタマリンはリラックスした状態、2つ目の曲でタマリンは落ち着かない様子を見せたそうです。
この実験により、動物がその種別に『聴覚や音楽の好みが違う』ということを発見することができました。
そして彼を一躍有名にさせたのが、この経験を踏まえて、その後に発表した「猫のための音楽」です。
デヴィッド・タイ氏は、現在でも動物のための音楽の研究をいろいろ進めていて、犬やクジラ、馬などのために実験や観察を行なっています。
協力者 Jagmeet Kanwal
この「猫のための音楽~Music for Cats」に携わったもう1人の人物は、インド出身のJagmeet S Kanwal(ジャグメット・S・カンワル)という生理学や動物学を専門とする大学教授です。
カンワル教授は、主に「動物の脳の機能」や「知覚情報(味覚・聴覚など)がどのように神経に伝達されているのか」といったこと、「動物の音によるコミュニケーションの取り方」、「音の知覚に関する聴覚と神経系とのつながり」などを研究しています。
彼の動物学の知識や協力を得て、「猫のための音楽」が作られました。
何のために作ったのだろう?
この曲は、もちろん猫のために作られたものですが、詳しくは作曲者であるデヴィッド・タイ氏がこう語っています。
今まで猫が聴いてきた音楽は、人が人のために作ったものでした。
古代に神として崇められた時から、ネットでもてはやされる現在まで、猫は別に好きでもない曲(音楽)を聴かされ続けてきたのです。
そう、今までは…。
これは「猫のための音楽」
始めて科学的に実証され動物(猫)のために作られた音楽です。
さぁ、聴いてみてください。
『そんなことが可能なの?』とお思いでしょう。
私は、猫が反応する音を観察して、猫の感性に寄り添いました。
人の音感は胎児の頃から発達します。母体の中で、母の心臓の鼓動をリズムとして知覚するからです。
一方、猫は生まれてから周りの音をきいて聴覚が発達していきます。
鳥のさえずりや、ミルクを吸う音、母猫が喉をならすときの『ゴロゴロ』という音などです。
ドラムが刻むビートは人の気持ちを高めますが、猫はそれとは違ったビートを好みます。
思い出してみてください、始めて音楽を聴いたときのことを…。
あの経験を再び、あなたの猫と共有(シェア)することができるのです。
科学が猫とじゃれる新しい方法を生み出しました。
彼らをリラックスさせ、音楽によって彼らの生活は豊かになります。
動物と人間。それぞれに感じるものは違っても、音楽という芸術を家族の一員である猫と一緒に楽しむことができるなんて、素敵だなぁ…。
でも、この「猫のための音楽」を作った張本人、デヴィッド・タイ氏が猫アレルギーだと言うのですから皮肉な話ですよね。(笑)
世界初!猫達のために待望のCD化。
実際に猫を対象とした実験の結果、全ての猫がこの音楽を好きというわけではありませんでしたし、少数ですが全く関心を持たない猫もいました。(人間でも音楽の好みはそれぞれなので当然のこと!)
ですが、人間用に作られた音楽よりも遥かに興味を持ち、猫のために作られた音楽ではなんと「77%」もの猫が好反応を示したのです。
実験に参加した多くの猫はリラックス状態になり、スピーカーの近くに行ったり、スピーカーに体をすり寄せ自分の匂いをつけるマーキングの行為を行ったといいます。
彼は今回の結果や、過去に行なったタマリンの音楽実験により、人間以外の動物でも音楽を充分に楽しむことができるということを知っていたので、「猫のための音楽」を世界中にいる多くの猫に聴いて欲しいという想いが膨らんでいきました。
そのためCD化することを考えたのです。
CD化を実現するために、2015年から資金集めでクラウドファンディングを実施すると、このことを知った大手メディアがこの話題をいち早く取り上げ、「猫のための音楽」は世界中で話題となります。
そのおかげで目標金額2万ドル(当時の日本円で約225万円)のところ、なんと10倍以上の24万ドル(約2,700万円)を超える金額が集まりました。
この反響をうけて、アメリカの音楽会社であるユニバーサルミュージックが契約を持ちかけ、2016年10月メジャー初となる人以外のために作られたアルバム『ねこのための音楽 - Music For Cats 』が、まずイギリスで発売されました。
メジャー初という話題性から再度注目されるようになり、人間以外用の音楽として史上最高位となるiTunesクラシックチャート1位、全英チャートでも33位という記録を打ち立てました。
日本では語呂合わせで、2017年2月22日(猫の日)に税抜価格2,222円(税込み2,400円)で発売されています。(笑)
そして、このCDを購入した世界中の愛猫家から、多くの高評価のレビューやコメントが寄せられました。
- このCDを買って本当に良かったです。飼い猫2匹ともソファーで満足してCDを聴いていました。
- 半信半疑で買ったんだけど、効果が凄かったです。最初は熱心に聴いていて、その後はとても落ち着いた様子で聴いています。
- 全く信じてなかったけど、本当にうちの猫が聴いていたのでビックリ!
- 猫はこの音楽を好きになったようです。
- 最初の数日は全く反応しなかったけど、毎日かけていたら彼女の反応が変わって今ではとてもリラックスして幸せそうに聴いています。
- そういえば猫の為の音楽ってあったよなーと物は試しようだとAmazon Musicで流したらまじでね、寝た…半目で(笑泣)猫飼いさん達是非!
「猫のための音楽」が、本当に猫が心地好く聴くことのできる音楽であるということがわかりますね~。
音楽の持つ力ってやっぱり凄い!
人間だけでなく他の動物でも、曲や音によって感情が揺さぶられるというのですから、『音楽の持つ力ってやっぱり凄い!』と改めて感じました。
デヴィッド・タイさんは探究心が旺盛なようなので、いつの日か、「鳥のための音楽」とか「魚のための音楽」、果てには「虫のための音楽」とかが聴けるともっと面白いな、と思います。(笑)