ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

角笛や法螺貝を吹いてみたい!

ようこそ!ブーです。

 

今日は、吹奏楽器(吹いて演奏する楽器)の「法螺貝」と「角笛」について紹介します。

 

ブーは「法螺貝」や「角笛」に限らず、自然なものを使って作られた原始的な楽器を見ると『吹いてみたい!』という衝動に駆られます。

 

血が騒ぐのは私だけではないハズ…! 

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「法螺貝」はドラマなどで戦国時代の合戦シーンなどで使われていますし、「角笛」はヴァイキングや山賊が持ってそうなイメージがあります。

 

どちらも物騒な感じがしますが、同じような印象を受けませんか?

 

それもそのはず、この2つは使われ方が非常に似ていて、楽器の分類も同じ種類に分けられるからなんです。

 

 

法螺貝

法螺貝は巻貝の1種で、日本に生息する巻貝の中で最大級の大きさを誇ります。

学名は「Charonia tritonis」で、和名が「ホラガイ」です。

 

毒はありませんが、内臓の部分は取り除いてお刺身で頂くことが出来るらしいので、ぜひ食べてみたい!

 

そして貝殻の部分は楽器「法螺貝笛」として使われるなど、有効利用できる良い貝です。

 

 

楽器としての「法螺貝」

「法螺貝」は、唇を振動させて演奏するトランペットと同じ奏法のため、金属は使われていませんが「金管楽器」に分類されます。

 

「法螺貝笛」とも言いますが、大体の場合は笛の部分がぬけて「法螺貝」と呼ばれます。

 

作り方は、貝殻のとがった部分を削り穴を開け、その穴が開いた部分に「口金」と呼ばれる吹き口(マウスピース的なもの)を設置し、石膏で固めて固定しているものが多いです。

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日本では、平安時代から使用されている事が確認でき、1180年頃の歌集には『山伏の腰につけたる法螺貝のちやう(ちょう)と落ちていと割れ砕けてもの思ふころかな』と詠まれています。

 

訳は『山伏が腰につけているホラガイが、ポロッ(ちょう)とおちてパリン!(てい)と音を立てて割れて砕けた。こんな風に、私の心も砕けんばかりに物思いにふけることがある、今日この頃です。」といった感じになります。

風流ですね。

 

他の歌集にも『人呼びの丘』と言われる小高い塚の上で使用されていたという記述があるので、元々は合戦で使われているようなものでは無いことがわかりました。

 

戦国時代では「陣貝」と呼ばれ、合戦中に軍勢の進退を合図するときや戦意高揚のために使われたとされています。

 

そして、現代でも見られるのが修験道で行なわれる、法螺貝の奉納です。

修験道は、山にこもって修行する「日本古来の山岳信仰」が仏教に取り入れられた独特の宗教のこと。

 

その修験道で、修験者や山伏が奉納のときに行なう演奏は「奉奏」や「奏鳴」と呼ばれ、演奏の作法として「立螺作法りゅうらさほう」があります。

 

他の地域では、東南アジアオセアニアで「法螺貝」に似た楽器を見る事ができます。

 

 

角笛

角笛は動物の角から作られたのことで、ヨーロッパから中東など広い地域で見る事ができます。

 

ですが、日本には角笛に使われるような角が取れないことや、法螺貝のような似た楽器があるので、あまり見る事ができません。

 

角は哺乳類の牛、鹿、サイなどに見られる角質や骨質突起のことを指します。

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角は英語で「Hornホーン」、フランス語では「Corneコーン・コルネ・コルヌ」、イタリア語は「Cornoコルノ」、ドイツ語では「Hornホルン」と言い、

英語のHornホーンやドイツ語のHornホルンは楽器のホルン、フランス語のCorneコルネやイタリア語のCornoコルノは小さいトランペット(コルネット)語源です。

 

角笛は元々、遠くにいる人へ向けて合図するために使われていて、大きな音を出す事が目的なので、車などに使われているホーン(クラクション)は、この性質を受け継いでいるといえます。

 

法螺貝と同様に、唇を振動させて演奏するため「金管楽器」に分類されます。

基本的には音を変化させる事は難しく、1つの高音しか鳴らせません。

 

大昔から使われている楽器で神話などにも登場するため「神聖なイメージ」があり、ファンタジー文学では「様々な能力を発揮する不思議な角笛」が登場し、RPG系のゲームなどでは「重要なアイテム」として扱われることもあります。

 

 

こ、これは!

この間、祖父の家の玄関で角笛を発見しました。

彼の家の玄関には普通のご家庭には無いような、いろいろと不思議なものが置いてあるので、まぁまぁ自然な感じで壁に掛けてあったんです。

 

近頃の祖父の流行は、終活に向けて家の片付けをすること(100歳なんて軽く超えれそうだから、まだ急がなくていいと思うけど…)なので、きっと物置や押入れなどを整理していたときに見つけたのでしょう。

 

かなり年季の入っている物のようです!

 

ブーは勿論『よっしゃー!吹ける!』とワクワクした気持ちで口を当て、いざ吹いてみました。

 

『フ…フスー、フーフーゥ~。フョーーー!!……アレ?音鳴らない…』

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全然音が鳴らなかったので『そうだよな、流石に素人には無理か…』と思いましたが一応、父に相談してみよう。

 

ブー『お父~さぁ~ん!コレ全然鳴らないんですけど~?』

 

父『まぁ、そうやろうな。それ1輪差しやぞ。』

 

ブー『は…?…えぇっ!?』(ガーン)

 

角は本物だったけど楽器ではなく花などを飾る道具である事が発覚…!

 

ちゃんと吹き口の部分まで再現してあるから騙されたぁ~。(汗)

 

ますます角笛への憧れが強くなったのでした。

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