ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

自分の手で演奏できるオルゴール「カリンバ」

ようこそ!ブーです。

 

今日は、「カリンバ」という楽器を紹介します。

 

 

カリンバってどんな楽器?

箱や板に付いた棒を指(親指)ではじくことで音が鳴り、その独特な音色から「オルゴール」のルーツという説もある楽器です。

 

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動画では「ジジジジ…」と音割れのように感じる音があるかも知れませんが、それもこの楽器の特徴です。

 

楽器の基礎となる板や箱に、細い棒が並んでいるので不思議な見た目ですよね?

 

棒がむき出しになっているのでそこら辺にポイっと置いてあると、楽器というより魔よけのオブジェみたいだなぁ…、と思います。(笑)

 

 

 

発祥と名称

アフリカの南、サハラ砂漠よりも下の辺りが発祥です。

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アフリカ南東のジンバブエに住んでいる、ショナ族という民族古来の楽器「Mbiraムビラ」が原型と言われています。

 

祭礼や儀式の時に先祖の霊や、スピリットと呼ばれる精霊との交信をするために使われ、神聖な役割を持つスピリチュアルな楽器として演奏されていました。

 

カリンバやムビラと同じ構造や形の楽器はアフリカに沢山あり、名前はその地域によって違います。

 

 

いろいろな呼び方

  • KalimbaまたはCalimba(カリンバ)、大きさの違いによってイリンバやマリンバと呼ばれる
  • mbira(ムビラ、ンビラ)
  • sanza(サンザ、サンジ、サンサ)
  • thumb piano(サム・ピアノ、親指ピアノ)
  • リンバ
  • リケンベ
  • デングー
  • ハンドオルゴール

 

このように様々な呼び名がありますが、同じ形や構造をしているのに呼び方がバラバラだと解りにくいので、よく知られている「カリンバ」の他に、楽器(楽器分類学上)の総称としてlamellophoneラメロフォーン、lamellaphoneラメラフォーン」と呼ばれます。

 

 

 

構造

楽器の構造は「音が鳴る部分」、「音が響く部分」、「音の装飾」の3つに分けることが出来ます。

 

 

音が鳴る部分(音源)

数本~数十本の長さが異なる細い棒(keyキー)をバーで押さえたものが音源です。

 

キーの形は、細い円柱状の均等な厚みの棒だったり、指で押さえやすいように先端が広いものや、全体が平べったいものもあります。

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演奏し易いように、キーは基盤となる板の部分と平行ではなく、上向きになるように曲げられているものが多いです。

 

金属製がほとんどですが、木・竹、動物の骨などが加工されて使われているものもあり、それを撫でたり、はじいたりすることで音が鳴ります。

 

音の高さは、中央のキーを基準の音にして左右に振り分けて付けられているため、他の楽器とは演奏する順番がまったく違うんです。

 

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(こんな並びなので、ピアノや木琴などの鍵盤が付いた楽器を弾ける人だと混乱するだろうなぁ…)

 

楽器の調和を取るためのチューニング(調律・調節)は、バーの位置をズラすために棒をハンマーなどで叩いて調節します。

 

ソロで演奏する場合には楽器自体の調和が取れていれば、Hzという基準で定められた音にチューニングする必要はありません。

 

 

 

音が響く部分(共鳴部分)

音が響く場所は共鳴板と呼ばれる板や、共鳴箱という箱のどちらかで、素材はだったり、ひょうたんヤシの実など様々な種類があります。

 

箱の方には、サウンドホールと呼ばれる穴が開いていて、楽器によって大きさ、開けられている場所、開いている数がバラバラです。

 

このサウンドホールを指で押さえたり放したりことで、音に独特の揺らぎ(ビブラート)が出せます。

 

より響くようにするために、乾かしたひょうたんを半分にしたものの中に入れて演奏することもあって面白いですよ。

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音の装飾(効果音)

装飾の種類は

  • キーの部分に直接パイプ状の金属を通すもの
  • 金属の板の部分に貝殻やビンのふた(王冠)を付けるもの
  • キーを固定するためのバーに、筒状に加工した金属、ビーズや数珠球などをワイヤーに通してネックレスのように板に取り付けるもの

などです。

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打楽器のように効果音的な役割を持った「ジジジ…」という音がワザと鳴るようにするために、装飾はきっちり付けるわけでは無くて少しゆるく付けて、より振動し易いように工夫されています。

 

この不思議な音が鳴ることによって演奏者がトランス状態になり、スピリットが降りて来やすくなると信じられているそうです。

 

 

 

オルゴールのような癒しの音色

カリンバの仲間で、より繊細な響きが生み出せるArray mbira(アレイ・ムビラ)という楽器です。↓

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普通のカリンバは、音の高さが互い違いに順番に並んでいるので、高さの違う音を一気に演奏しようと思うと他のキーに指が当たって雑音になってしまい、技術的にとても難しいです。

 

ですが、このアレイ・ムビラは「1音が4オクターブ分で1セット」になっているため4本同じ音が並んでいます。

そのため、片手で一気に広い音域を演奏することができるんです。

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楽器が大きくて演奏自体も難しいとは思いますが、他のラメラフォーンの仲間より音域がとても広いので様々な曲の演奏が可能で、本当に夢のような楽器だと思います。

 

これだけ音域が広くて、不思議な魅力と雰囲気のある楽器だったら、精霊的なものも降りて来そうだ!(笑)

 

それに、オルゴールと同じように金属独特の揺れによって音が鳴りますし、それを人間が感情のまま演奏しているんだから、癒し効果があることは間違いなしですね!

 

あぁ…、生演奏を聴いてみたい!

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