数学者ピタゴラスと音楽の関係について
ようこそ!ブーです。
今日は、一見関係なさそうな数学者のピタゴラスと音楽の関係について紹介します。
ピタゴラスって誰?
ピタゴラス(Pythagoras、ピュタゴラス)は古代ギリシャ文化圏の東に位置するサモス島(今のトルコ沿岸)出身の、紀元前に生きた数学者・哲学者です。
NHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」と、それに出てくる「アルゴリズム体操」などは、ピタゴラスの定理とその原理を利用した仕組みで成り立っています。
ピタゴラスは、若い頃から勉強のために旅をしていました。
なんと20年もかけてイギリスやインドまで回り、当時の数学知識をすべて理解したという努力型の天才学者で「サモスの賢人」と呼ばれていたんですよ。
ですが、現在見られる彫刻や絵画(肖像)は、後世の芸術家がイメージして作った「想像のピタゴラス」で、実際はどんな容姿だったのかわかっていません。
しかも、ピタゴラス教団・ピタゴラス学派という宗教的な秘密結社を作って数学・天文学・哲学・音楽の研究を秘密裏に行うなど、本当にナゾが多い人物です。(ヤバイ感じがするねぇ…)
教団は「数が世界の全てを支配していて、数で全てが説明できる」という考えを持って研究・実験をしていましたが、その細かい教えなどは門外不出で、掟も厳しいものでした。
そんな教祖ピタゴラスも「豆類が大嫌い」という人間らしい一面があり、 教団では規則まで作られて、全員に豆を食べないように強要したんだってさ。
何でも数で証明したい、もちろん音楽もだ!
今では当たり前の事ですが、楽器の大きさや長さが音の高さに深く関係している事を発見して、それによって生じる音の高さの違い(音程)を「数と比率」によって証明したのがピタゴラスです。
ある日、道を歩いていたピタゴラスは鍛冶屋さんの前を通りました。
その鍛冶屋さんでは、職人たちがハンマーを使って精錬した金属を「カンッ、カンッ」と叩いて整えています。
ピタゴラスはそのとき、複数のハンマーの音がお互いに共鳴して、重なっても不快にならない「協和音」であることに気が付いたんです。(耳、良すぎじゃない?)
鍛冶屋さんの中に入って確認すると、作業用のハンマーは5本あり、そのうち4本の重さが「12:9:8:4」という単純な数の比率という事がわかりました。
残った1本は、この単純な数の比率に当てはまらず、一緒に鳴らしてみるとやっぱり「不協和音」だったのです。
ピタゴラスは、このことを踏まえて弦楽器や笛などで実験しました。
弦楽器では弦の張り具合が一緒でも、長さを変えると振動の数(周波数)に違いがでて、音と音の間には差・幅(音程)ができます。
このことで周波数が音程を支配していることがわかり、数の比率「周波数:周波数=音程」を証明することができたのです。
同じように、笛は本体の長さや太さを変えることで、音程に違いが出ました。
「周波数:周波数=音程」が音の法則で「2:1=オクターブ、3:2=完全5度、4:3=完全4度」の3つの音の幅を定めれば、他の音も数によって分ける事ができると考えられたわけです。
この法則にしたがって整えられた音の並びは、ピタゴラス音律と呼ばれています。
数学者なのに音楽まで興味があるなんて、ピタゴラスって探究心のかたまりで、とにかく知りたい欲求が強い人だなぁ、と思いました。
ピタゴラス、ありがとう!
ブーは数学どころか算数も苦手です。
だから数学できる人って単純にスゴイと思います。
現在、「数学」は数学者が、「音楽」は音楽科だけが専門に研究していますよね?
でも、ピタゴラスは「世界の物事は繋がっていて、その全てが数と計算からなる法則によって裏付け・説明が出来る」と広い視野で考えていたので、数学・天文学・哲学・音楽などは同じ学問として、まとめて研究していました。
こういう人がいてくれたおかげで、色々な事が明らかになり世界が豊かになったんですよね。
ピタゴラス音律は、現代使われている西洋音楽の音の並びと違い「多少のズレ」があるので、今では使われていません。
ですが、音楽の構造は「数の比率」で証明できるという大事な基礎を作ってくれました。
彼の「探究心と数学的な分析」が無ければ、今のキレイな音の並びも無かったんだからピタゴラスに感謝しよう!