口笛大好き!
ようこそ!ブーです。今日は「口笛」を紹介します。
数年前に、たまたまテレビでNHK教育の「地球ドラマチック」という番組(再放送)を観ていました。
そのとき取り上げられていたのが口笛で、タイトルは「魔法のくちびる~世界口笛選手権~」というものだったんです。
それまでは口笛に音楽的要素を感じたことも無く、何かの合図としてしか認識していなかったので、この番組を見て『せ、世界大会!?』と衝撃を受けたとともに、その魅力にも気付かされました。
口笛は歌声と一緒で、哀愁を感じるような味があったり、パフォーマンス性が高かったり、正統派の澄んだ音の響きだけで観客を魅了したり、と多種多様でとても奥が深いです。
口笛(whistling)
口笛とは口を笛として演奏することです。
楽器としては、口から出した息の流れが乱気流を生み出し、そのノイズによって音が発生するので、エアリード(ノンリード・無簧)に分類され、フルートや尺八などと同じ音響効果を持っています。
圧縮された線状の空気を物体(口笛の場合は口内)にぶつけることによって起きる「空気の振動」で音が鳴るため、空気の圧力や角度で演奏者が「音量・音程(音高)・音色・音域」をコントロールできるということが最大の特徴です。
でも演奏するときは、『アルプスの少女ハイジ』の主題歌でも言っているように「遠くまで聞こえる」ので、ご近所の迷惑にならないように注意しましょう。
(周波数の関係上、人間の耳に聴こえやすいらしいよ)
口笛の世界大会
The World Whistlers Convention(WWC)は、2016年から日本で隔年開催されている「口笛世界大会」で、
1970年~2014年まで海外で行なわれていたInternational Whistlers Convention(IWC,国際口笛大会)のスタイルを継承することが目標の大会です。
ジュニア・成人・シニアと部門が分かれていて、CDなどの音源・ピアノ演奏を使った伴奏カテゴリーや、自らが楽器を演奏しながら口笛も吹く「弾き吹き」カテゴリー、グループで行なうパフォーマンスなど、様々な選考基準が設けられています。
コンサートホールで行なわれるので、マイクを使うのが一般的です。
日本人の口笛奏者
分山貴美子さん
パフォーマンス精神が旺盛な人で、肩か楽器に鳥がとまっているのが特徴です。(笑)
鳥の鳴きまねが物凄く上手で、見た目のインパクトに反してとても癒されますよ。
2007年に彼女が優勝したのをかわきりに、昨今では日本人が「世界大会」で優勝することが多いので、口笛界の先駆者と言っても過言ではないでしょう。
田所敦さん
2016年に「世界大会」で優勝した方で、線の細い演奏で高音がとても素晴らしいです。
その音域は、なんと世界初の3.5オクターブ!
楽器や歌声と違って「高音寄り」しかでないハズの口笛で、この音域の広さは驚きですよね。
海老原雅史さん
速吹きの名人で、「喉で空気を止めて音を切る」スロートロックという音の立ち上がりが明瞭になる奏法を使うことが特徴です。
スロートロックは、普通の演奏方法の「空気を止めて音を切る」ブレスアタックと交互に使う事が出来るので、より細かくて速い演奏が可能になります。
その卓越した技と音色は、常人にはマネが出来るものではありません。
ぜひ聴いてもらいたかったのですが、音源や映像が見つからなかったのでとても残念です。
口笛の技術
ウォーブリング奏法
舌を出したり引っ込めたりして空気の流れや量を調節し、音の高さを変える吹き方です。
息の流れを止める事がないので、瞬間的で滑らかに音を変えることができます。
warble(さえずる)が由来です。
インアウト
空気の出し入れで音が鳴るので無限に吹き続けることができる(らしい…)。
長く演奏すると、途中で酸欠になりそうですね。
リッピング
唇の穴を開閉することで、鋭く音を切ることができます。
唇の動作が重要なので、速く演奏することは難しいです。
タンギング
舌の動きで空気を止めて音を区切ったり、音を強調して明瞭にする技術で、tongue(舌)が由来です。
普通の楽器では口の前に支えがあるので「トゥ」の方が音を区切りやすいですが、口笛だと口の前に何も支えが無いので「ル」の方が音にブレが出ません。
フラッタータンギング
巻き舌や、うがいの要領で行なうタンギング(音を区切る技法)です。
口や舌などを無理に動かしたり酷使する事もなく、細かい振動のように音を区切る事ができるので、より細かい演奏が可能になります。
ですが、巻き舌などが出来なければ成り立たないので、熟練した技術や練習が必要です。
口笛を吹くコツ
唇をすぼめて、空気が出る穴を小さく・丸くしてみましょう。
このことで音色が安定します。
そのとき舌はなるべく平らにして、「い」の発音を意識するようにしましょう。
舌が固定される事で音量が安定し、音のブレも減ります。
歯と歯の間は1cm程度に開けましょう。
空気の通り道を塞がないようにしないと、澄んだ響きが出ません。
口笛の仲間
歯笛
上下の歯にわずかな隙間を作って演奏したり、歯並びそのもの(隙っ歯)を利用して演奏することが特徴です。
普通の口笛よりもクリアで澄んだ音が鳴ります。
指笛
指をくわえて、その隙間から空気を出す事により振動で音が鳴ります。
口笛よりも大きな音が出せますが、その分だけ多くの空気を使うので、かなりの肺活量が必要です。
手笛(ハンドフルート)
手を楽器として使い、組み方を変えることによって様々な音色・音程を出す事ができます。
指笛と手笛は難易度が非常に高く、熟練した技術が必要です。
気分がノッたら…
聴くことは勿論のこと演奏も好きなので、気分がノッたら『スー♪プヒュ~…』というカサカサ・スカスカの音ですが口笛を吹いています。
練習しても一向に上手くならないのは、きっと、顔全体にお肉が沢山ついているからでしょう!(そう思いたい…笑)
でも口笛は、「楽器を使わなくて良い、初心者でも手軽に始められる」ということが魅力なので、これからも楽しんで吹きます!