「そうだ 京都、行こう。」JR東海の観光キャンペーン曲
ようこそ!ブーです。
今日は、JR東海さんの観光キャンペーン「そうだ 京都、行こう。」のCMと、それに使用されている名曲「My Favorite Things、私のお気に入り」について紹介します。
My Favorite Things
CMでこの曲を聴くと『そうだ!京都へ行こう!京都に行きたい!』と思わず口に出してしまいます。(笑)
「なんで、この曲を聴くだけでこんなにワクワクするんだろう?」と思ったら、実はこの曲、ミュージカル・映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中の1曲なんですよ。
ミュージカルの曲だったらワクワクしてもしょうがないよね?
しかも「サウンド・オブ・ミュージック」は1959年、ブロードウェイがミュージカル黄金時代の頃にロジャース&ハマースタインと呼ばれる、20世紀最高の共同ミュージカル作家2人が生み出した、まさに名作!
瑞々しく、大自然や草原を思わせるようなメロディが多いんです。
物語は、ヨーロッパのオーストリア・ザルツブルクが舞台で、オーストリア併合・第二次世界大戦間近という時代背景があります。
自由奔放な修道女見習いのマリアと、彼女が家庭教師する事になったトラップ大佐一家(父&子ども7人)のお話です。
「My Favorite Things」が出てくるのは、夜に雨が降り出し雷が鳴り始めて、怖がる子ども達がマリアの部屋に集まったシーン、
子ども達に向かってマリアが「自分のお気に入りの物・事を思い浮かべると怖いことなんか忘れちゃう」ということを高らかに歌います。
マリアが好きなものは独特過ぎて、他の人が共感できるかどうか…。(笑)
My Favorite Things
作曲リチャード・ロジャース 作詞オスカー・ハマースタイン2世(ブー訳)
「バラに滴る雨の雫と子猫ちゃんのヒゲ
ピカピカに輝く銅製のやかんと暖かいウールの手袋
ひもで結わえた茶色い紙の小包
これが私のお気に入り
クリーム色のポニー達とサクサクのアップル・シュトゥルーデル(焼き菓子)
ドアの呼び鈴とソリのベルとシュニッツェル(牛肉のカツレツ)の付け合せの麺
月に重なる野生のガチョウが羽ばたく翼
これが私のお気に入り
白いドレスに青いサテンのサッシュ(腰に巻くリボン)をしている女の子
鼻やまつげにのった雪の結晶
白銀の冬が春に移り変わる
これが私のお気に入り
犬に噛まれたり、ハチに刺されたり、悲しい気分になったとき
ただ好きなことだけ思い出すの
そうすれば嫌な気分は消えちゃうわ!」
嫌なことや怖いこと、悲しいことがあったら、自分の好きなものやキレイで楽しい事を考えたら良いんだよ!って事ですね。
三拍子(ワルツ)のノリやすいリズムと、作中でも色んな楽器がメロディを演奏しているので、華やかで楽しい曲調になっています。
人気がある曲なので沢山のアーティストにカバーされていて、ジャズでは6/8拍子や4拍子にアレンジされることも…。
CMの空気感を表す素晴らしい編曲
「My Favorite Things」1曲だけを1993年から20年間以上に亘り、さまざまに編曲して使われているんです。
長いですよね~。
でもCMに使われているのは部分は極めて短いフレーズだけ…、なのに何であんなにも印象に残るのでしょうか?
それは、この曲が「京都の風景」に合わせて秀逸に編曲をされているからでしょうね。
この曲を編曲した赤坂達三さんは、クラリネットの演奏も担当しているんですよ。
元気で華やかな原曲を、京都という日本を代表する古い都に合うように色んな手法と、楽器や人の声を使って表現しているんだからスゴイよね!
CM自体も、クライアントから言われた「京都だから絵葉書でいい」ということを受けて、タレントさんが出ていないという徹底ぶり。
本当に、京都の景色だけで勝負して「世界一の絵葉書」を作る気持ちで製作されました。
その京都の美しい風景と、長塚京三さんの落ち着いたトーンのナレーション、そこに編曲された「My Favorite Things」がピッタリと合うんだなぁ…。
曲で四季が感じれるなんてスゴイ
CMの風景を見ていれば四季を感じることは簡単だけど、曲で感じ取れるように曲調を変えているんです。
「春はやわらかく花が咲き誇る様子・夏は青々とした草木のピンとした雰囲気・秋は美しい紅葉の華やかさとおもむき・冬はシンシンと降る雪と澄んだ空気感」
どの季節も、良く表現されています。
この曲を聴きながら、新幹線に乗ってビューンと京都に旅行できたら幸せだろうなぁ…。
JRさんの手のひらで上手く踊らされているブーなのでした。