日本を代表する作曲家、武満徹と「小さな空」
ようこそ!ブーです。
今日は、日本を代表する作曲家の武満徹さんと、武満作品の中でブーが1番好きな曲「小さな空」を紹介します。
武満徹
Takemitsu Toru(たけみつ とおる1930年10月8日-1996年2月20日没)は東京都出身の日本を代表する現代作曲家です。
そろそろ近代と呼んでも良い気はしますが…。
叔母が生田流箏曲の師匠だったので小さい頃から音楽に触れ、「新作曲派協会」の作品発表会に足を運んだり、シャンソンや近代音楽などに興味があったので音楽家になることを決めました。
しかし音楽学校には通わず、清瀬 保二(大分県出身の作曲家で日本現代作曲家連盟初代委員長を勤めた)に師事する以外は、独学で作曲を学んだ努力型のスゴク変わった人です。
戦後にプロの音楽家となり、作曲家やピアニスト、美術家や写真家、詩人などが集まった「実験工房」という前衛的(最先端のものを取り入れた先駆者)な芸術集団に参加しました。
武満さんは戦争があった時代に生きた人なので、「死んだ男の残したものは」などの戦争を題材にした作品も手がけています。
前衛的なため西洋音楽の音の響きとは違ったり、楽譜の表記が独特で拍子をコロコロ変えるなど、音楽評論家などは困惑し理解できず『こんなものは音楽じゃない、音楽以前だ』と、酷評することも多かったです。
ですが、多くの映画やテレビ番組などの映像のために音楽を作ったり、その経験も踏まえて和楽器を使った今までに無い曲作りをして、常に「理想の音楽」を追い求めました。
代表作「ノヴェンバー・ステップス」は、日本らしい独特な響きや和楽器の琵琶と尺八を使っているので、モロに前衛的な作品ですが、
ニューヨーク・フィルハーモニック125周年記念委託作品として国際的な名声を得るほどの評価を受け、このことによって彼が世に認められ「世界のタケミツ」と呼ばれるようになったので、今でも演奏される事が多い曲です。
武満さんは、西洋音楽に大事な時間(音価)の概念を無視するなど、東洋の音楽ではごく当たり前の「始まりと終わりの境目がない、永遠や宇宙を感じるような音楽」を目指していたと思われます。
教会で聴くような音の反響や重なりなどを、そうではない環境でもできるように音の要素を独自に研究し、音の広がりを再現しました。(時間軸の多層化)
その経験で確立した、独特で掴みどころのないユラユラ揺れるハーモニーは「タケミツ・トーン」と呼ばれ、彼が亡くなった今でも人々から忘れ去られることはありません。
「小さな空」
「Small Sky小さな空」は1962年に、連続ラジオ・ドラマ『ガン・キング』の主題歌として作曲された歌曲で、作詞・作曲は武満さんが自ら行なっています。
ポップスや器楽曲など、さまざまにアレンジされて演奏されている人気の曲です。
武満さんには失礼ですが、こんなにわかりやすい曲も書けたんだな…と思いました。
色んなアレンジがある中で、「混合合唱のための『うた』」という12曲からなる合唱曲集に入っている「小さな空」が1番好きです。
後半の口笛が懐かしさとともに哀愁を誘って、なおさらノスタルジーを感じるんですよねぇ。
子どもの頃を思い出して…
「小さな空」を聴くと、歌詞にあるように≪子どもの頃≫を思い出します。
純粋だったあの頃に見た、空や夕日、星空はキレイだった…、ちょっとした事で泣いたりしたけど、何もかも新鮮で毎日ワクワクした気持ちで過ごしていたな…と。
あの頃は戻ってこないけど、この曲を聴いたらそんな子どもの心にかえれる気がするので大好きです。