ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

癒しの音が鳴る、オルゴールという楽器。

ようこそ!ブーです。

 

今日は、『癒しの音が鳴る、オルゴールという楽器』について紹介していきます。

 

ちなみにブーの好きなオルゴールの曲は、サザンオールスターズさんの「いとしのエリー」と「真夏の果実」です。

 

聴きながら読んでね!

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オルゴールの成り立ち

オルゴールは、機械仕掛けによって自動的に楽曲を演奏する楽器で、17世紀にスイスの時計職人が生み出しました。

 

元々はカリヨン(carillonケリロン)と呼ばれる、オルガンのような演奏方法で奏でる大掛かりな楽器を軽量化するために作られたものです。

オルゴールという名前も、オランダやドイツでオルガンを意味するorgel(オルヘル・オルゲル)からつけられています。

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日本では「オルゴール」と普通に呼んでいますし、固有の名称として確立されていますが、英語ではとてもあいまいな表現で「music box」と言ったりします。

 

ですが「music box」では箱型の自動演奏器具全般を指すことになるので、オルゴールの構造部分を「musical movementやオルゴール・ムーブメント」と呼んで区別しているそうです。(ややこしい…)

 

オルゴールの原型として作られたものは、カリヨンの鐘の部分を「調律して音を整えた金属片」を使うことで軽量化し、さらには音楽性まで高めたものでした。

 

スイスと言ったらロレックス・オメガ・ブライトリング・スウォッチなど有名なブランドを多く生み出した「時計大国」です。

その洗練されたイメージそのままの発想で生み出されたオルゴールは、時計職人の手で1つひとつ作られる高級品で、音楽を聴くために大変重宝されました。

 

19世紀になり機械の技術や加工技術が発展するとドンドン生産され、やがて日本にも伝わります。

今では聞くことが少ないですが「自鳴琴じめいきん」というあて字で呼ばれていました。(自動に鳴る琴という意味)

 

時代の移り変わりとともに、音楽を聴く媒体がドンドン出てきたため重宝はされなくなったオルゴールですが、現在でも特別なときのプレゼントとして人気があります。

 

 

オルゴールの構造

一般的によく見られるタイプは、金属でできたに突起(ピン・針)を取り付けた「シリンダー・オルゴール」、突起や穴の開いた円盤を使う「ディスク・オルゴール」の2種類です。

 

突起の部分は溶接などでくっつけている訳では無くて、金属の細い棒を埋め込んであるので、とても頑丈に作られています。

 

今回は紹介しませんが、この2種類の他にも紙の楽譜を使う「紙巻オルゴール」や、キーボードと連動させた「弾くオルゴール」というものがあります。

 

 

シリンダー・オルゴール

シリンダー式のオルゴールは、複数の曲を演奏できるように曲を刻み込んでいる筒の部分を長くして、スライドさせて曲を替えるものや、

より多くの曲を演奏するために筒自体の付け替えが可能なもの(インターチェンジャブル・シリンダー・オルゴール)があります。

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ディスク・オルゴール

ディスクの部分は薄い金属なので安価で大量に生産する事が可能ですし、ディスクを交換することで曲を換えることも簡単にできます。

 

ディスクは、スターホイールと呼ばれる歯車と連動していて、その歯車が金属の振動板をはじいて音が鳴る仕組みです。

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動力

オルゴールを演奏する動力は、ゼンマイ・ハンドル・電動モーターを使ったものがあります。

 

ハンドルを自分の手で回し続けなければいけないものは、手を止めると演奏自体も止まってしまいますが、細かい部品が少ないので安価ですが壊れにくいです。

 

ゼンマイを巻いた動力で自動で演奏するものは、一定の速度に調節するために風の抵抗を生み出す羽根(エアガバナー)や、巻き上げた力を機構に伝え回転運動に変換するクランク、また急激な巻き戻りを防ぐために歯止め装置などがついています。

 

ですが、音の速さが「最初は速く、最後は遅く」という差はどうしても出てしまいますし、自動演奏と言っても時間はあまり長くは持ちません。

 

電動モーターを使ったものは音の速さが安定し、長いものでは1時間以上演奏できるものがあります。

音の鳴る構造自体は他のオルゴールと変わりません。

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音の鳴る部分

どの仕組みで作られたオルゴールでも、音が鳴る部分「音源」はクシの歯のような形をした金属の薄い板「振動板」を使っています。

 

振動板の歯は「ティース・弁」と呼ばれ、音程や音色を決めるオルゴールの心臓といえる部分です。

 

弁は、長さを変えることで何百もの音の高さを表現する事ができ、細かい調節は歯を1本づつ削って整えていきます。


その1つひとつの細かい調節は機械を使っていません。


この「音感」も必要とする繊細で大事な作業を、なんと全て「職人さんの手」で行なっているんですよ

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何でオルゴールの音は、こんなに癒されるんだろう…。

オルゴールの音を聴くと「優しい気持ち」や、「フワフワとした良い気持ち」になるのは私だけではないでしょう。

 

それはオルゴールの音に、リラックス状態のときに発する脳の波動「α(アルファ)波」を促進する効果や、幸福感を得られる「β-エンドルフィン」という脳内ホルモンの分泌促進効果があるからではないでしょうか。

 

金属が揺れて音が鳴るので、精神を落ち着ける効果のある「1/fゆらぎ」も出ているかもしれませんね。

 

残念ながら、録音したものでは効果がないようなので、家にあるはずの本物を探します!

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