ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

ピアノの演奏と暗譜の必要性。

ようこそ!ブーです。

 

今日は、ピアノの演奏と暗譜の必要性について書きます。

 

暗譜は、ブーが音楽の中で1番苦手としていることです。(汗)

 

若い頃は、暗譜が出来なさ過ぎて「音楽は諦めようかな」と考えるほどの絶望を感じ、時には涙が込み上げることもありました。

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この記事を読んでもらって、少しでも若い頃のブーみたいに悲しく絶望的な気持ちを持っている人の心が軽くなればいいなと思います。

 

でも、良い演奏をするための練習ですから、暗譜をしようとする努力は止めないでくださいね。

 

 

暗譜の意味と必要性

暗譜は楽譜に書いてある音楽的な流れや内容を覚える・暗記することです。

そして、楽譜の内容を覚えて楽器を演奏することを「暗譜で演奏する」と言います。

 

ピアニストはプロでなくても、受験やテスト、コンクールや演奏会(発表会)などで必ず暗譜演奏が求められるんです。

 

そのためブーは、良い演奏をするためには暗譜が1番重要なことなんだと勘違いして『暗譜が出来ない自分は音楽をする才能が無かったんだ』とガッカリしていました。

 

ところが、暗譜をして演奏するのは、ピアニストと一部のソリスト(独奏者・独唱者)だけなんですよ!

 

オーケストラや室内楽、合奏形態の楽器奏者はプロであっても必ず譜面台が前にありますよね?

ということは、シッカリ暗譜しなくても楽譜があるから音の確認が出来るんです。

 

『楽器の人は楽譜が見れてズルい』と思っていましたが、自分1人であれば自由に弾けるところを、複数の人で演奏する場合には合わせなければいけません。

合わせるためには、楽譜に細かく指示を書き込んでタイミングを間違えないようにしなくてはいけないので楽器の人には楽譜が必要だということがわかりました。

 

それでなくても、作曲者の意図に合わない・ヒドイ演奏にしないためには楽譜が必要だという人もいて、暗譜に対して賛否両論があるんです。

 

暗譜賛成派の意見

  • 楽譜を覚えると、音楽の流れが掴めて作品と一体化できる。
  • 暗譜することで音楽だけに集中できる。
  • 楽譜が無ければ演奏者の好きな目線の位置で演奏できる。(目を瞑ったり宙を見ているとカッコいい)
  • 楽譜をめくることが音楽の妨げになる。
  • 楽譜から目を離したら見るべき場所がわからなくなって動揺する。
  • 楽譜を見ていたら客観的で心がこもらない演奏になる。
  • 楽譜ばかり見ているとカッコ悪い。

 

暗譜反対派の意見

  • 忘れてしまうと演奏が止まってしまう。
  • 全ての記号を正確に覚えることは出来ない。
  • 適当に覚えて曲を勝手な解釈で演奏したくない。
  • 人と合わせるとき、好き勝手に弾かないようにするためには楽譜が必要。
  • 作者のメッセージを余す事無く表現したい。
  • 曲を楽譜に書いてある通りに演奏したい。

 

様々な意見がありますが、どちらの意見も理にかなっているのが難しいところです。

 

暗譜という技術は、19世紀に作曲家であり名ピアニストでもあったフランツ・リストが広めました。

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「ピアノの魔術師」と呼ばれた彼の、鍵盤さえ見ずに宙に響く音を見るような演奏は、失神する人がでるほど世の女性を熱狂させたんです。

 

このことから「演奏者は覚えていて当たり前」や「楽譜を見ないほうがカッコいい」という意識が広まって暗譜することが常識になってしまったんですよね。

 

こういった演奏や音楽に関係ない理由もあるので、個人的には暗譜が必ず必要ということはないと思います。 

 

 

どうしても暗譜が出来ない

暗譜できない人は、本当に1万回弾いても覚えられないんですよね。

 

なぜ覚えられないのかも解らないから、辛くてやるせない気持ちになります。

 

努力しても覚えられないのは、決してあなたや私が悪いわけではありません。

 

それは暗譜がソルフェージュと関係があって、小さい頃から訓練しないと身に付かないものだから仕方が無いときもあるんです。

 

ソルフェージュとは、楽譜を読むことを中心とした音楽の基礎訓練のこと。

ソルフェージュ能力とは、楽譜を読み解く力や音を聴いて楽譜に書き取ることができる能力、音の仕組みや曲自体の構造を理解できる能力などのことです。

 

記憶力が良くてソルフェージュ能力がもともと高い人であれば、簡単に暗譜が出来るかもしれません。

 

でも、記憶力が悪くてソルフェージュ能力も低い人にとっては難しいことです。

覚えられなくても練習することで確実に良い演奏には近づいてるはずだから諦めないで!

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暗譜の方法

当たり前ですが、人によって覚え方は違うので参考程度にご覧下さい!

 

楽譜を擦りきれるほど読み込んで何回も弾いて覚える

楽譜に書いてある音や指示を読みながら、音の響きや手の位置なども合わせて覚えていく方法。

 

勉強と一緒で、動きながら覚えたほうが印象に残って忘れにくいそうです。

 

音と鍵盤の位置を照らし合わせて感覚として覚えていく

耳で聴いて音がわかるので1番簡単な方法かもしれませんが、楽譜を読む力が付かないので注意が必要です。

 

ブーの姉がこの方法を使っていたので話を聞くと

「練習しないでレッスンに行ったら先生がお手本で弾いてくれるでしょ?それを完全コピーして弾いていたんだけど、先生が間違ったところも完全再現しちゃうんだよね…。」

だそうです。

 

今でも耳はとても良いですが、楽譜は全然読めません。

 

楽譜を丸暗記する

実は丸暗記が1番難しい方法と言われています。

 

目で見て音をただの記号として覚えるのには限界があり、どうしても耳で聴いた感じや演奏する指の位置を連想してしまうからです。 

 

 

暗譜のせいで音楽を嫌いにならないで!

暗譜する練習は確かに大事だけど、覚えられないからって悲観しなくても良い!

 

音楽は自分の思うままに演奏した方が感動は大きいんだよ。

 

フジコ・ヘミングを見習おう!

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