「演奏者は楽器に頼らない方が良い」って言うけど…
ようこそ!ブーです。
今日は、プロ・アマ問わず「演奏者は楽器に頼らない方が良い」と言う事について書きます。
楽器に頼ること、良い楽器・悪い楽器の存在。
「楽器に頼る」ということは、自分の演奏技術以上の能力が楽器によって引き出される現象のことです。
その現象が起こるのは、世の中に「良い楽器」と「悪い楽器」が存在しているからで、演奏するならヤッパリ「悪い楽器」より「良い楽器」を使いたいですよね?
じゃあ「良い楽器」っていったいどういう楽器なんでしょうか。
値段が高い楽器・有名な楽器メーカのもの・新しいもの・古い時代のもの・良い音が出る・思った通りの音が出せる・見栄えが良いもの……
など、人によって色々な意見が出るでしょう。
プロの演奏家でも、こういう意見の人がいます。
「私は決してピアノを選ばない、ピアノを選ぶことはピアニストにとって心理的な重圧で有害なんだ。
だから私は調律師とスタッフを信頼している。」
「現代の楽器と1700年頃に作られた名器『ストラディヴァリウス』などの間には大きな違いがない」
こう言われているように、現在では「高価で歴史のある楽器が良い」というわけでは無くなってきています。
それは、人によって合う楽器と合わない楽器があるからです。
だから「良い楽器」が、値段が高い楽器・有名な楽器メーカのもの・新しいもの・古い時代のもの・良い音が出る・思った通りの音が出せる・見栄えが良いもの……という意見は合っているし、合っていないとも言えます。
高価な楽器は、音の響きがまろやかで良いとか、デザインが良いから持っているだけでモチベーションが上がって良い演奏が出来るという人や、
安価な楽器は、音を合わせようもないような粗悪品の楽器もあったり、楽器自体の素材が安いから音の響きが悪いなど、本当に差が出る事があります。
ですが逆に、
高価な楽器でも、調律が出来ていなくて音も良く飛ばないとき「この楽器、音は狂ってるし音の伸びも少ない、悪い楽器だ!」と思うし、
安価な楽器でも、ちゃんと調律がしてあって手の馴染みも良ければ「自分が思った通りの音が出ている、指になじんで弾きやすい、音も良く伸びてる、良い楽器だ!」となることもあるんです。
結局は弾いた時に、純粋に自分の演奏に合っている楽器が「良い楽器」であり、それ以外は「悪い楽器」になってしまいます。
演奏者は楽器を選んでいるようじゃダメ
良くこういう話を耳にしますし、なんでこう言われるかは分かっています。
演奏者の人は毎回、自分に合った「良い楽器」を使って演奏ができるわけでは無いから、楽器を選んでるようじゃダメって事です。
ブーも発表会や演奏会・試験などでピアノを演奏するとき、そのことを痛感して生きてきました。
「鍵盤の重さが合わない、音の伸びが悪い・音が響きすぎる、調律が不十分で音がズレている、ペダルと相性が悪い…」など、挙げればキリが無いくらいです。
こんな事を演奏中に考えていては、気が散ってしまいとてもじゃないけど良い演奏なんか出来るわけないですよね。(泣)
でも、演奏家はどんな場所やコンディションでも演奏しなければいけません。
こういったことを乗り越えて、考えないようにして、どんな状況や楽器でも演奏できないといけないわけです。
そうは言っても…
プロのピアニストが演奏するときって有名なホールとかで「スタインウェイ」を弾いたり、プロのヴァイオリニストは「ストラディヴァリウス」とか使ってるし、
楽器のコンディションが悪くて気が散ったりしないように、優秀な調律師を雇ったり自分で調節するのが普通だから、
結局「楽器に頼ってる」じゃん!
と、思ってしまうのでした。(笑)