猫好きには堪らない!?「猫の二重唱」
ようこそ!ブーです。
今日は、声楽コンサートのアンコールなどで人気のある「猫の二重唱」を紹介しようと思います。
今、流行しているような本当の猫達が歌っているものでは無くて、生身の人間が歌う結構古い楽曲です。
初めて聴いた時は『何じゃこりゃ!?』と思いましたが、ふとした時に思い出すような中毒性があります。
まずは聴いてみて下さい。↓
彼らはパリの「Les petits Chanteurs á la Croix de Bois木の十字架少年合唱団」です。
「Wiener Sängerknadenウィーン少年合唱団」ではありませんよ。(汗)
どこの合唱団でもトップの歌唱力を持つ2人が選ばれるようです。
さっきまで天使のように粛々と、それはそれは厳かな雰囲気で歌っていた2人が急にこの曲を歌いだすわけですから『この子達はオカシクなってしまったのでは?』と観客は焦りと驚きを隠せませんね。(笑)
ですが、徐々に『あっ…!こういう曲なのか…』という笑いに変わっていく事も、この曲の魅力だと思います。
作者は誰?
長年、有名な作曲家ロッシーニの作品と言われていましたが、最近になって偽作(ニセモノ)であった事が発覚しました。
(ブーも騙されていたぜ…)
本当はロバート・ルーカス・パーサールという作曲家が、フリードリヒ・ヴァイゼの「Katte-Cavatine猫のカヴァティーナ」という作品をアレンジしたものなんです。
そのアレンジの中で、曲の中間部分の8分の6拍子部分はパーサール本人の作曲、最後の早い部分のメロディはロッシーニの歌劇「オテロ」の第2幕の“Rodrigoロドリーゴのアリア”から引用、といった風に曲同士を合体させて「猫の二重唱」が作られました。
初めの楽譜はパーサールが1825年にG.Bertholdというペンネームで出版したのですが、最後の部分のメロディが有名だったせいで、1971年にSchott Musicから出版された楽譜で『ロッシーニの作曲』と誤解されて広まっていったワケです。
この曲に関わっている作曲家はすでに、誰もこの世に居なかったのですから、発覚が遅れたのも仕方がありません。
実際にクラシック音楽では、引用・編曲・オマージュという風に言い換えた盗作的なことや、オカシイと思ったら後から出版社が手を加えたりなどの補整は良くあることでした。
あの有名なモーツァルトの「レクイエム」は、彼が亡くなった後に後付けで弟子によって書かれた補筆完成の作品ですし、
ホルストの組曲「惑星」の“冥王星”も、作者の死によって書かれていないままだったのをホルストの研究家によって書き足されたものですが、
その事が知られていても、両曲ともかなりの人気があります。
なので、たとえこの「猫の二重唱」がロッシーニの作品でなくても、この作品がコミカルでアンコールなどに向いた名曲、そして今でも多くの人に愛されているという事実は変わりません。
誰の作曲でも、好きな曲は自分にとっての名曲なんだ!
「猫の二重唱」に関係のある人たち
Gioachino Antonio Rossini(ジョアキーノ・アントーニオ・ロッシーニ1792年2月29日-1868年11月13日没)はイタリア出身の作曲家で美食家としても有名です。
オペラ「ウィリアム・テル」や「セビリアの理髪師」などの有名な作品を生み出しました。
Robert Lucas de Pearsall(ロバート・ルーカス・デ・パーサールまたはピアサル1795年3月14日 - 1856年8月5日没)はイギリス出身の作曲家で、ジャンルは宗教的な声楽曲です。
実質的な「猫の二重唱」の生みの親。
Ernst(er)Ernst Friedrich Weyse(クリストフ・エルンスト・フリードリヒ・ヴァイゼ1774年3月5日 - 1842年10月8日没)はデンマーク出身の作曲家です。
教会音楽やSingspielジングシュピールと呼ばれるドイツ式のミュージカル作品を手がけました。
Schott Music(ショット・ミュージック1770年~ドイツ)現在ある音楽出版社としては2番目に長い歴史を持つヨーロッパ有数の出版社です。
世界各国の作曲家、著作家を取り扱うに当たって10ヶ国に事務所を構えていて、その1つとして東京にも事務所を置いています。
「Duetto buffo di due gatti 猫の二重唱」
歌詞は『miauミャウ、ミャー、ミャオ』と本当の猫のように歌うように統一されていて、 書いてあるのも『mi - - au,mi - au a - u a - u au,mi-au』と言った感じで本当にmiauとしか言いません。
でも、歌詞以外は本当に良く作りこまれている作品で、強弱やスピード、声の出し方などは楽譜に事細かく書いてあります。
大人が歌ったヴァージョン↓
歌も上手くて表現もスゴク面白いんだけど、大人が歌うと「妖艶さ」とか「化け猫感」が否めない…(笑)
個人的には、大人が歌うよりも可愛らしい子どもたちに歌ってもらいたいなぁ。
あなたはどちらがお好みですか?