「現代クラシック・ギター奏法の父」アンドレス・セゴビア
ようこそ!ブーです。
今日は、ギターの名手で「現代クラシック・ギター奏法の父」と呼ばれたアンドレス・セゴビアという人物を紹介します。
セゴビアってどんな人?
Andrés Segovia(アンドレス・セゴビア1893年2月21日-1987年6月2日没)は、スペイン南部出身のクラシックギタリストであり作曲・編曲家です。
94歳まで生きたのは指を良く動かしたからでしょうか…。
セゴビアの人柄は優しく、おおらかでお茶目、そして女性にはとびきり甘~い人でした。(笑)
そして服装は紳士的でオシャレで、パナマ帽とパイプが良く似合うんだな!
彼の成し遂げた大きな功績
昔は、ギターってコンサートホールには向かない、田舎くさい酒場の音楽とバカにされていたんです。
そのイメージを変えてピアノとかヴァイオリンのように、クラシック音楽のコンサート楽器として迎えられるように尽力し、見事成し遂げました。
ギタリストとしてだけではなくて、自ら作曲や編曲をしてギター用の名曲を増やしその素晴らしさを猛アピールしたり、また自分の演奏技術の向上のためには努力を怠らない努力家で、
自分の努力だけでなく、後世のギタリスト育成のために指導者として公開レッスンなども精力的に行っています。
それはギターを愛し、「ギターが世界中で演奏され、音楽学校で学ばれるような楽器になること」を夢見ていたからです。
また、ギターという楽器自体の改良にも取り組み、現在のクラシック・ギターとして知られているデザインを編み出したことで、従来のものより少し大きくして奥行きのある大きな音が出せるような楽器を造りました。
従来の弦の長さが650mmだったことに対して、改良したものは665mmと15mm伸ばし、それに伴ってボディの厚みもわずかに増やすことでバランスを取ったんです。
そして、響きもクリアになるように、より良い木材とナイロン弦を利用しました。
これが今「普通サイズのギター」の基準になっています。
セゴビアは、日本贔屓で生涯で4回来日しています。
贔屓というわりにはちょっと少なく感じるかもしれませんが、1回の来日のスケジュールは演奏会だけではなく、スタジオ収録や取材を受けたり公開レッスンを行うなど、とても充実したもので、
これを他の国でもやっていたため日常は過密スケジュールでしたが、そのおかげで古い時代のものでも映像や音源が残っているんですよ。
これだけギターのために人生を捧げ、実績を残したセゴビアを、音楽評論家や音楽史研究者そしてギター奏者は「現代クラシック・ギター奏法の父」、「レジェンド・オブ・ギター」と呼んでいます。
セゴビアの演奏
セゴビアの演奏は、亡くなった今でも映像や音源が残っているので、世界中の人を魅了し影響を与え続けています 。
それは彼が、独特の間合いや細かな強弱、繊細なビブラートなど卓越した技術を持っていたからです。
彼は手がものすごく大きいですが、それに反して繊細な動きができたので逆に他の演奏者よりも有利でした。
右手のタッチは、弦を指の腹ではなく爪ではじくので無駄な力をかけることが無く、柔らかくてしなやかだけど透明感もある豊かな響きが出せます。
それは、まさにモノクロをカラーにしたような、クリアで耳に心地いい演奏です。
左手はセーハという、人差し指で複数の弦を押さえながら弾く難しい奏法をさりげなく使い、ビブラートも細かく弾き分けることによって、他の人では出せない独特の音の揺らぎが出せました。
このセゴビアにしか出せない豊かな音は「セゴビア・トーン」と呼ばれています。
演奏できるだけで幸せ
セゴビアは、本当にギターを愛した人で
「客観的に言って、ギターは人類が創造した中で最も美しい楽器だと思う。」
と語っているくらいゾッコンです。
ですが、いくら自分が好きでも世間からは良く思われない時代に生きた人なので、その苦労は計り知れないものです。
セゴビアは、4歳の頃に街で出逢ったフラメンコのギターに魅せられて独学で学んでいました。
ところが家族からは妨害され、聴衆には「酒場の音楽」とバカにされます。
そんな風に人に見下されながらも必死に頑張ってきたんです。
さらに、車のガラスに頭から突っ込む大事故に遭い、失明の危機にあったときも
「失明してもギターを弾き続けたい」
という気持ちを忘れずにリハビリに励みました。
彼の演奏が人の心に残るのは、こういった気持ちの強さや
「ギターを弾くときは夢を見るように弾く」
といったように、ギターを弾けること自体が幸せなことだと考えていたからでしょうね。
ブーもそう思う!
好きなことは、できるだけで幸せという気持ちを忘れないようにしよう!