「私」が秋に聴きたい音楽。〈その②〉
ようこそ!ブーです。
前回に引き続き、今回も「私」が秋に聴きたい音楽を紹介します!
〈その①〉も見てね。↓
セルゲイ・ラフマニノフ
ラフマニノフはロシア出身の作曲家として有名ですが、その他にもピアニスト・指揮者としても功績が残る音楽活動をしていました。
彼の曲は、聖歌や民謡などの響きに似せた重厚でロマンティックな和音を使っていたり、他の演奏者が嫌がるくらい音から音への幅が広くダイナミックな和音を使っています。
それは、ラフマニノフ自身の手が大きかった為、「同じ音を使った和音」でも順番を変えて幅広く演奏できたからです。
ダイナミックな和音を使っているからと言って大味な曲を作っていたわけではなく、「ピアノ協奏曲 第2番」や「ヴォカリーズ」などは繊細さが際立っています。
この2つの作品は、メロディをより際立たせるために普段は豊かな響き(ハーモニー)を生み出す音の密度や演奏楽器などが減らしてあり、その洗練された繊細で切ないメロディは聴いていて神聖さや神々しささえ感じます。
ラフマニノフ自身も『私はただ、自分の中で聴こえている音楽をできるだけ自然に紙の上に書きつけるだけ』と語っているので、曲を聴くことでラフマニノフという人物の繊細な一面を垣間見ることができます。
「ピアノ協奏曲 第2番」は全3楽章で構成されています。
演奏は3曲合わせて35分ほどです。
第1楽章ではロシアらしい荘厳で重々しい響き、第2楽章では静かな湖畔をゆっくりと歩くような瑞々しさを感じ、第3楽章はフィナーレに相応しい華やかな印象の他に1楽章と2楽章の主要なモチーフ(模範にしたメロディ)が散りばめられています。
3曲とも違った良さがありとても素晴らしい作品ですが、秋の感傷に浸りたいときには無性に第2楽章が聴きたくなるんですよね。
上ではピアノ独奏を紹介しましたが、元々「ヴォカリーズ」という曲は声楽のために書かれた歌曲です。
歌曲と言っても、本来「ヴォカリーズ」という言葉の意味が、『A、あ U、う…』などの母音を使って歌うことや明確な発音の歌詞がない曲を指すので、この曲にも歌詞がありません。
このことから他の楽器のために編曲するには都合がよく、また人気のある曲のため多く編曲がされている作品です。
こちらでも紹介しました。↓
歌ありも良いのですが、より響きが統一されているように感じるので、秋に聴きたいのはピアノ独奏ヴァージョンなんですよね。
エリック・サティ
フランスの作曲家であるサティの作品は〈家具の音楽〉と呼ばれていました。
『家具のように部屋の中に自然と溶け込んでいる』ということで、BGMの先駆けとも言われています。
ゆったりとした曲調でフランスの作曲家らしいアンニュイな雰囲気を醸し出す「3つのジムノペディ」や、愛をテーマにした情熱的でありつつも少し切ないメロディの「ジュ・トゥ・ヴー」などは読書用のBGMとして最適です。
何といっても『家具のような音楽』なのですから、耳に心地好い音量で聴く分には読書の邪魔をするようなことがないのは当たり前か!と1人で納得してしまったブーなのでした。(笑)
ジムノペディはこちらでも紹介しました。↓
私の勝手な意見ですが、サティの作品はフランスという国のアンニュイな雰囲気そのものを表したような独特のテンポと響き、そして揺らぎをもっているので「秋」という季節を強く感じるんですよね。
「Autumn Leaves/枯葉」
元々シャンソンの代表曲と言われている「枯葉」は、今ではジャズのスタンダードナンバー(定番曲)としても有名です。
大変人気があるためシャンソンやジャズに限らず、色々なジャンルのアーティストさんがカヴァーしており、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
私が好きなアレンジは、ジャズピアニストのビル・エヴァンスが組んでいたトリオの演奏です。
基になったシャンソンには歌詞があり、『夏に過ごした恋人達の甘い思い出を、冬に向かっていく秋の冷たい北風が運び去っていってしまう』という内容で、恋人達の別れを切なく歌っています。
(細かい紹介はしませんが、聴き馴染みがありシャンソンらしさが1番出ているのは、フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフの歌です。)
オリジナルである歌のヴァージョンとは違い、ジャズで演奏されるときには切なさよりも軽快さが生まれます。
そのため、同じ曲でも聴いていて別れを想像させるような重苦しい気持ちにはならず、温かいコーヒーでも飲みながら紅葉を眺めたり、ドライブに行くときにかけたりと、とにかく「秋」という季節を満喫したいときに聴きたくなる1曲です。
交響曲 第5番 第4楽章 アダージェット(マーラー)
グスタフ・マーラーはオーストリア出身の作曲家ですが、『私は3重の意味で故郷がない人間だ。オーストリア人の間ではボヘミア人、ドイツ人の間ではオーストリア人、そして全世界の国民の間ではユダヤ人として…』と語っています。
要は「どこに行っても余所者扱いされる」ということです。
この言葉だけでも十分にツライ人生が想像できますが、このこと以外にもマーラーを精神的に蝕んでいたものがありました。
幼い頃に受けた父親からの暴力や幼少期に亡くなった兄弟達のこと、自分自身の病気、年の離れた妻からの愛が信じられず疑心暗鬼に陥ったり、そして執着と言っても良いほど愛した母の死によって、「愛」という感情に対してナーバスになっていたのです。
そんな愛に飢えて人生の悲しみをたっぷりと抱えていたマーラーだからこそ作曲できたのが、この「交響曲 第5番 第4楽章 アダージェット」別名「愛の楽章」と言われています。
第4楽章だけでも11分~13分程度と長い曲ですが、よかったら聴いてみてください。
自然とため息が出るほどに美しい曲なので、秋の夕暮れ時や月明かりを眺めながら感傷に浸りたいときに聴きたくなります。
タイスの瞑想曲(マスネ)
フランスの作曲家ジュール・マスネの書いた「タイスの瞑想曲」は、憂鬱なときに聴きたい曲としても紹介しました。↓
ゆっくりと紡がれる甘美で官能的な響きと、ヴァイオリンが高音で奏でる切なさで胸が張り裂けそうなメロディは秋の物悲しい雰囲気にもよく合います。
元々はオペラの曲目の1つなのでオーケストラのために作曲されていますが、人気の曲なのでヴァイオリンのソロコンサートなどではピアノ伴奏に編曲され演奏することが多いです。
秋じゃなかったら編曲されたものでも普通に聴くのですが、オーケストラの方が音に重厚感や深みが出るため、私が秋に聴きたいのはオーケストラ演奏のオリジナルヴァージョンです。
「カヴァティーナ」
「カヴァティーナ」は1978年公開の“ディア・ハンター The Deer Hunter”という映画のテーマ音楽です。
この映画は、ベトナム戦争での過酷な体験が原因で心身共に深く傷を負った《アメリカの若き3人のベトナム帰還兵達》の生と死や、彼らと仲間たちの友情を描いています。
ギターが奏でる哀愁のメロディと、それに寄り添うオーケストラやフルートの響きがさらに切なさを演出します。
月の綺麗なこの季節の夜にこの曲を聴くと、センチメンタルな気持ちになって涙が止まりません。
「大人」だからこそ、秋をテーマにした童謡を聴いてほしい。
日本では「ちいさい秋みつけた」「紅葉」「夕焼け小焼け」「まっかな秋」「里の秋」「虫のこえ」…など、秋をテーマにした童謡が数多く存在していますよね。
子ども達にもわかり易いように作られている童謡は、お店のBGMなどでかかっているのを聴くと、大人でも『あぁ…秋だな。』という風に、季節の移り変わりを感じるのではないでしょうか?
そんな秋の童謡の中で特に私が好きなのは「小さい秋みつけた」です。
子どもに聴かせたり歌わせたりするには些かメロディが切な過ぎるように感じますが、秋の物悲しい雰囲気そのものを表している名曲だと思います。
この曲を聴くと、なぜか子どもの頃に感じていた秋の雰囲気や匂い、感情まで甦ってくる気がします。
丸くて大きなどんぐりやイガから顔を出した栗が地面に落ちているだけでワクワクしたり、柿の実がカラスに食べられているのを見て『カラスも柿の色を見て、美味しい時期がわかるんだな…』と無駄に感心したり、落ち葉が水に濡れて土になる前の何ともいえない匂いを感じたり、秋の夕暮れの美しさに胸が熱くなったりと、子どもの頃は純粋に季節を楽しんでいたなとしみじみ感じるんですよね。
なので大人になった今、ひとときだけでも秋という季節の楽しさを思い出させてくれる童謡を聴いて欲しいと思うのでした。
「私」が秋に聴きたい音楽。〈その①〉
ようこそ!ブーです。
今回は、秋にオススメの音楽…ではなくて、「私」が秋に聴きたい音楽を2回にわたって紹介しようと思います。
私にとって秋は、夏が終わった切なさと冬の始まりの物悲しさ、木々の葉が色づき散っていく哀愁などを感じたり、物思いに耽ったりするには本当に良い季節なので、四季の中では2番目に好きです。
(ちなみに1番好きなのは冬です。イラストの通りブタさん体型なので…。汗)
そして秋といえば、ゆっくりと読書をしたり、適度に運動したり、時には芸術に触れたり、ドライブで遠くに行ってみたり、食べ物が美味しく感じるのでついつい食べ過ぎたり…と、いろいろな楽しみがありますよね?
せっかく四季が楽しめる日本という国に生まれ育ったのだから、季節に合わせてその時期に聴きたい音楽に包まれながら過ごしたいと思います。(聴くのは海外の音楽ばかりだけどね。笑)
カーペンターズ
Carpenters(カーペンターズ) は1969~1983年まで活動していたアメリカ出身の、兄のリチャード・カーペンターと妹のカレン・カーペンターの兄妹によるポップス・デュオです。
(カーペンターは大工という意味があり、アメリカでは普通にある苗字らしい…)
1983年に妹のカレンさんが拒食症による合併症で亡くなり、デュオとしての活動は出来なくなりましたが、それまでに数々の名曲を残しているので、今でも聴く機会が多いと思います。
どの曲も素敵ですが特に好きな曲は、1997~2005年まで放送されていたTBSの教育バラエティ番組「学校へ行こう」の『未成年の主張』というコーナーで流れていて有名になった「
低音と高音を巧みに使った作曲とカレンさんの優しい歌声は、秋の黄昏時に聴くと心にジーンと響きます。
アンドレ・ギャニオン
André Gagnon(アンドレ・ギャニオン、1942年8月1日~)はカナダ出身の作曲家で、ピアノ奏者でもある人物です。
ギャニオンさんをご存じない方は多いと思いますが、彼の音楽はヒーリングミュージックという特殊なジャンルに属しているので、BGMとして私たちの身の周りでもよく流れています。
親日家という経緯から、彼の曲が日本のドラマでも使われたりしているので、1度は聴いたことがあるかもしれませんね。
1番有名なのは、日本の大手車メーカであるトヨタのCM〈TOYOTOWN〉シリーズや、BGMによく使われている「めぐり逢い」という曲です。
懐かしさと切なさを感じたり、真綿に包み込まれるような温かく優しい気持ちになるのは私だけではないハズ…。
寒くなり始め人肌が恋しくなってくる秋にピッタリの曲です。
フランツ・リスト
『ピアノの魔術師』と呼ばれるリストの作品では「コンソレーション
(好きな曲がなぜか全部3番目!笑)
どの曲も、切ない響きで涙を誘いますが、特に「ため息」という曲は、人生経験豊富なフジ子・ヘミングさんの演奏が胸に響きます。
秋という季節はどこか物悲しくて思わず『ため息』をついてしまう…、そんなときにこの曲が聴きたくなります。
フレデリック・ショパン
『ピアノの詩人』と呼ばれたショパンの作品では「ノクターン」と「エチュード」が秋の印象によく合うと思います。
「ノクターン」は日本語で「夜想曲」を指し、秋の夜長に聴くにはロマンティックで素敵ですよ。
ショパンの作品では、第2番と第20番が有名です。
同じ「ノクターン」というタイトルでも、優雅で優しい響きのものから、切ない響きのものまで様々にあるので気持ちに合わせて聴くことができます。
「エチュード」は日本語で「練習曲」を指しますが、ショパンのエチュードは練習というには難易度が高いため、演奏会やコンクールなどの大舞台でもよく演奏される作品です。
全24曲のエチュードを集めた「エチュード曲集」では、ボンヤリ聴くというよりは元気を出したいときに聴きたいような激しい曲も収録されていますが、その中でも〈12の練習曲 作品10〉第3番「別れの曲」や第6番(タイトルはありません)、〈12の練習曲 作品25〉第1番「エオリアンハープ」のようにメロディが美しく胸に迫る切ない曲もあります。
ショパンは1849年10月17日に39歳という若さで亡くなっているので、『秋の木の葉のように儚い人生だったんだな』と、ついつい考えてしまい尚更切ない気持ちになります。
クロード・ドビュッシー
私は、ドビュッシーが大好きなので過去の記事でも紹介しましたが、特に好きな「夢」、「月の光」、「亜麻色の髪の乙女」などはこの季節にも聴きたい、しっとりと落ち着いた曲調が素敵なので紹介させてください。
「夢」という曲はタイトルの通り、夢の世界を漂うようなフワフワした緩急とメロディが魅力のピアノ曲です。
秋の夜にうとうとしながら聴くと、ロマンティックで素敵な夢が見れそうです。
こちらでも紹介しています。↓
「月の光」は、ピアノ独奏作品『ベルガマスク組曲』の中の1曲です。
月が美しく見えるこの時期だからこそ、この甘美なメロディを聴きながら空を眺めたいと思います。
こちらでも紹介しています。↓
「亜麻色の髪の乙女」は、ピアノ独奏作品の「前奏曲集」に収録されている8番目の曲です。
切ない響きとゆっくりなテンポは、物思いに耽るときにもピッタリです。
こちらでも紹介しています。↓
ドビュッシーの音楽的なジャンルである印象主義音楽は「詩・ポエム」や「絵画」から着想を得ているものが多いので、芸術の秋にピッタリなのではないでしょうか。
ドヴォルザーク
私が思うに、ドヴォルザークはヒゲや顔の造形が独特なので、少々「強面・コワモテ」に見えると思います。(笑)
こんな顔↓
ですが彼の作った曲は、母親の胸にいだかれているような懐かしさや優しさを感じることができるので大好きです。
その中でも「我が母の教えたまいし歌」や、日本では〈遠き山に日は落ちて〉で有名な交響曲 第9番 “新世界より” 第2楽章「家路」は哀愁を感じない人はいないのではないか?と思うくらいに美しいメロディが魅力的で、この時期になると無性に聴きたくなります。
なぜか、夕焼けを背にして『さぁ、お家へ帰ろう』という情景を思い浮かべてしまいます。
みなさんは、秋に聴きたい曲がありますか?
今回は、「私」が秋に聴きたい音楽を気の赴くままに紹介しました。(次回もそうなると思います。笑)
みなさんもこの時期になると『無性にこの曲が聴きたくなる』もしくは『この曲が頭の中を流れる』というようなことが有るのではないでしょうか?
それがたとえ秋っぽくない曲でも、『自分にとってこの曲は秋だ!』と思うだけで特別感が味わえて楽しいですよね!
その音楽に対する純粋な感覚をずっと大事にして欲しいと思います。
ピアノ初心者におすすめ!ギロックの魅力。
ようこそ!ブーです。
今日は「ギロック」という人物と、ピアノ初心者におすすめしたいギロックの魅力を紹介します。
ギロックという人物
William L. Gillock(ウィリアム・ギロック、1917年7月1日~1993年9月7日没)はアメリカ出身の作曲家で、音楽教育分野の第一人者(音楽教育家)です。
世界中で使われるような「ピアノ初心者向けの練習曲集」を作曲した、ツェルニー、バイエル、ブルグミュラーなどの有名な作曲者は1800年代に生きていたので、1900年代に生きたギロックは練習曲業界では新参者といえます。
彼は、21年もの間「ピアノ講師」として音楽教育に携わり、その経験から作曲活動だけではなく全米音楽倶楽部連合会の会長を務め、ピアノ教師のための講習会でアメリカ全土を訪れました。
ギロックの作品は教育用の音楽ということなので、作曲の内容は古典的・初歩的な技法を使うという縛りがありますが、そのなかでも『美しくロマンティックな音楽を工夫して書いていた』という点がシューベルトと似ています。
ロマン派時代初期の作曲家であるシューベルトは、それまでの「古典的な古い考えの音楽」を「ロマンティックで詩的・叙情的な音楽」へと変えた先駆者だったので、理由は違いますが同じような境遇にあったと考えられたため、ギロックは「教育音楽作曲界のシューベルト」という通り名が付けられました。
そんなギロックの作品でおすすめなのは「叙情小曲集」と「子どものためのアルバム」です。
この2つの曲集は初心者でも弾ける難度のため、今では演奏会やコンクールなどでも演奏されるようになりました。
ピアノ初心者におすすめしたいギロックの魅力
ギロックをピアノ初心者におすすめしたい理由は4つあります。
- 1つ目は、曲が難しそう(あたかも名曲のよう)に聴こえること
- 2つ目は、難しそうに聴こえるのに初心者でも演奏できる難度(簡単)であること
- 3つ目は、演奏者の欲求に応えていること
- 4つ目は、ピアノを始めたばかりでも色んなジャンルの音楽に挑戦できること
が挙げられます。
魅力その①「曲が難しそうに聴こえる」
ギロックの曲を演奏すると、難しく聴こえる曲ばかりなので「名曲を弾いているんだ!」という精神的にプラスの感情(錯覚?)が持てるので、ピアノを始めたばかりの人のモチベーションを上げてくれる効果があると思います。
名曲を演奏すると「こんなに難しそうな曲を弾いている自分ってスゴイ!」という演奏者の自信に繋がり、その自信によってピアノを演奏することの楽しさがめばえたり、練習を頑張ろうという気持ちまでも引き出してくれるので、スキルアップへの近道ではないかな?と私は考えるのです。
魅力その②「初心者でも演奏できる難度」
『難しい曲に聴こえるのに、簡単に演奏することが出来るわけない!』と思われるかもしれませんが、ギロックはその作曲技術によって初心者でも演奏できる難度の曲を書くことができました。
ショパンの「別れの曲」の雰囲気に似た「色あせた手紙」や、ドビュッシーの「月の光」に寄せた同じ題名の「月の光」などが良い例だと思います。
動画の9番目が「色あせた手紙」、11番目が「月の光」です。
このような名曲に似せた作曲ができるカラクリは、和音という「音のかたまり」に秘密があります。
和音の構成を名曲と同じものにしているので曲全体の響きがとても似ており、聴衆は演奏者が名曲を演奏しているような錯覚を起こしますが、実際には名曲に使われている和音をなるべく簡単に弾けるように簡略化したものなので、演奏のコツさえ掴めば名曲ほど難しくはありません。
あたかも難しい名曲を演奏しているように聴こえますが、1曲の演奏時間が1分程度と短い曲が多いということと、子ども達や初心者の方にも弾けるような程よい難易度のものばかりなのでおすすめです。
難度の他に、タイトルから曲の内容を想像することができるという事もピアノ初心者にとっては心強いことだと思います。
演奏に必要な情報の1つとして、ギロックはその曲の雰囲気をタイトルにしていることが多いのです。
このことは、初心者の方に有りがちな『曲のイメージがわからないから、どのような雰囲気で、どんな風に感情をこめて弾いていいのかがわからない。』といった悩み事の解決にも繋がります。
魅力その③「演奏者の欲求に応えている」
ピアノ初心者の憧れといえば、ペダリング(音を伸ばすペダルを踏むこと)や手を交差させるテクニックなどが挙げられますが、これらは普通の練習曲だと中級~上級にならないと出てこないものです。
ですが、ギロックの練習曲だとこういったテクニックが多く見られます。
『難しい曲に挑戦してみたい、』という演奏者の欲求を満たしてくれるということで、モチベーションが上がり演奏意欲の向上に繋がりますよ。
魅力その④「色んなジャンルの音楽に挑戦できる」
ピアノを始めた頃は「音楽を1つのジャンルに絞り、それを重点的に練習することが演奏技術を上げるために効率が良い」と考えられている節があります。
ですが、それでは演奏者にモヤモヤしたような気持ちが生まれてしまうときがあるんです。
『このジャンルは嫌いじゃないけど、ちょっと飽きてきたなぁ』なんてことありませんか?
ですが、ギロックはクラシックだけでなく、ジャズやブルース、民族音楽などを織り込んだ曲作りをしているため、色んなジャンルの音楽に挑戦することができるので飽きが来ず、このことは演奏者にとって大きな魅力となることでしょう。
『オシャレなジャズバーとかで流れていても不思議じゃないなぁ~』と思う曲もありますよ!
他にも、1台のピアノを2人で演奏する連弾曲などバリエーションも豊富なので、ギロックの作った作品は発表会などで華やかさを添えてくれること間違いなしです!
ギロックさん、もっと早く出会いたかったよ…。
今回ギロックを紹介した理由は、自分が初心者のときにギロックの存在を知らなかったからです。
私が初心者だった頃は、ハノン、ツェルニー、バーナム、バスティン、バイエル、ブルグミュラー、ソナチネなどの楽譜を使っていました。
もちろん、上に書いたものは「初心者が使う順当な楽譜」なので、演奏技術が上がることは間違いなく、それを実感しながら練習することは楽しかったです。
ですが、私が求めるような「好きな世界観の音楽」という点では満足感を感じることはありませんでした。
上に書いたギロックの魅力をもっと早く知っていたら、私の演奏技術も上がったのかな?と思うと少し悔しいです。(笑)
日本語に訳された楽器の名前。〈その②〉
ようこそ!ブーです。
前回に引き続き『日本語に訳された楽器の名前』をご紹介します。
〈その①〉はこちらからどうぞ↓
前回はわかり易いスタンダードな楽器を紹介しましたが、〈その②〉では吹奏楽経験者や、音楽を趣味にしていたり音楽を専門に学んでいる人以外が、普段あまり目にしない楽器も取り上げてみました。
それでは、どうぞ!
六弦琴・六絃琴(ろくげんきん)
六弦琴は弦楽器であるギターのことです。(アコースティックとエレクトリックに関係なく)
名前の由来は、ギターという楽器の音がなる部分である弦の本数が6本(6弦)なので、「六弦琴」と付けられました。
ですが、現代では「4~18弦のギター」といったように、弦の本数が少ないものや多いものが存在しています。
それに加えて、音色を変えるために弦を張る場所を分けた「ダブルネック」や「トリプルネック」、「マルチネック」と幅広い楽器の種類があるので、名前をつけた時の定義が根本から覆されています。
四弦琴・四絃琴(しげんきん)
四弦琴はベースという「低音を担当するギター」のことです。
名前の由来は、楽器の音が鳴る部分である弦の本数が4本(4弦)なので、「四弦琴」と付けられました。
ですがギターと同じように、ベースも現代では「1~12弦のベース」といったように、弦の本数が少ないものや多いものが存在しています。
そしてギターと同様、音色を変えるために弦を張る場所を分けた「ダブルネック」や「トリプルネック」、「マルチネック」と幅広い楽器の種類があるので、名前をつけた時の定義が根本から覆されています。
(ちなみに、コントラバスはダブルベースやウッドベースという別名をもちますが、四弦琴ではありません。)
そのうえ、日本には〈四弦琴〉という名前は同じでも別の楽器があるんです。
ベースと同じように弦が4本ですが、棹 (ネック) の長さが約1メートルの「三味線に似た琴」であり、音色の全く異なる楽器のため、混同しないように注意が必要となります。
その他の弦楽器
現在では漢字で書かれたり呼んだりすることはあまりないので情報が少ないのですが、知っている限りの弦楽器の名前をまとめてザックリと紹介します。
楽器の名前を日本語にした場合、中国語を基にしているものが多く、日本語の読みが不明なものが多々あったため、代わりに『こう読むんじゃないかな?』と個人的に考えた読みや、中国語の読みを書いてみました。
中国語の読みは、私が聞いた発音で表記しているので、本来の読みとは異なるかもしれません。
その点は、あしからずご容赦願います!
琉特
琉特はリュートという弦楽器のことです。
日本語での読みは不明ですが、個人的には「りうと」や「りゅうと」か「りゅーと」もしくは「るうと」あたりではないかと思っています。
由来となった中国語では「琉特琴・魯特琴=ルゥトェキンもしくはルゥトェチン」となります。
現代の中国では、『演奏方法や音色が異なるケド、見た目が似ている弦楽器の琵琶』と混同されているようです。
(うん、確かに似てる…)
リュートはヨーロッパに古くからある古楽器で、6~18世紀頃までは独奏楽器としてだけではなく、合奏や歌の伴奏としても幅広く楽しまれていました。
ギターのように弦をはじいて演奏しますが、ギターや他の楽器と比べて音量が小さいことと、和音などの細かい演奏を瞬時に行なうことが困難という理由から、徐々に衰退していったのでした。
曼徳林(まんどりん)
曼徳林はマンドリンのことです。
マンドリンもギターのように演奏することができ、大きさ(全長)は一般的なギターが90~100㎝台に対して、60㎝台の全体的に小さめな楽器なので、『手が小さいからギターは無理』という方でも扱いやすい楽器です。
班鳩・班卓(ばんじょう)
班鳩・班卓はバンジョーという弦楽器のことです。
由来となった中国語では「班鳩琴・班卓琴・班祖琴=バンジョーキンもしくはバンジョーチン」といいます。
バンジョーは、アフリカ系アメリカ人が作った楽器で、ギターのように弦をはじいて演奏します。
変わった見た目をしていて、薄いスネアドラムにネックをつけたような形をしているので動画のように打楽器としてリズムを刻むこともできるハイブリッドな楽器です。
関係があるかは分かりませんが、斑鳩は日本では「いかるが」とも読み鳥の名前や町の名前にもなっています。
三角琴(さんかくきん)
三角琴はロシア発祥のバラライカという弦楽器のことです。
この楽器は、名前の通り三角形の見た目をしていて、ギターのように演奏します。
この動画では弦楽器が2つあり、大きさが全然違うので一見すると別の楽器のようですが、実は両方ともバラライカなんですよ~!
管楽器
喇叭(らっぱ)
喇叭は金管楽器(トランペットのような形と演奏方法の楽器)の総称として使われています。
他の楽器が、見た目や演奏方法で名前が付けられていることに対して、喇叭という漢字の名前が使われている理由は調べても書いてありませんでした。
ですが個人的には、漢字の意味が関係しているのではないかと思います。
- 喇の意味は「おしゃべり、早口、甲高くしゃべる」
- 叭の意味は「口を開けたさま、口から発せられる音や声の形容」
ということなので、『おしゃべりな人の声ように甲高い音が鳴る楽器』という解釈で良いでしょうね。
低音管・低音笛(ていおんかん・ていおんぶえ)
由来となった中国語では「巴松管=バンソングァン、低音管=ディイングァン」となります。
木管楽器の中では、もっとも低い音を担当する楽器なので「低音」という漢字があてられました。
角笛(つのぶえ)
角笛はホルンの総称です。
ホルンの由来は、狩をするときの合図として使われていた楽器の「動物の角で作られている角笛」で、今でも「角」という意味を持つイタリア語ではCorno、フランス語ではCorという名前で呼ばれています。
ちなみに、ホルンではなくオーボエに似た楽器のイングリッシュホルンは、日本語で「英国管」といいますが、このようにホルンという名前がついていても違う楽器が多くあるので注意が必要です。
欧巴
欧巴はオーボエのことです。
日本語での読みは調べても出てきませんが、 完全にオーボエを基にした当て字なので「欧巴=おーぼえ」で良いと思われます。
黒管
黒管はクラリネットのことです。
日本語の読みは不明ですが、個人的には「くろかん」、「こくかん」、「こっかん」だと思います。
由来は、ボディーが黒色で細長い筒状・管状の楽器だからです。
打楽器
鐘琴(しょうきん)・鐘(かね)
鐘琴・鐘はチューブラーベル(チャイム)のことを指します。
チューブラーベルという名前は馴染みが無いと思いますが、NHKの番組「NHKのど自慢」では審査用の鐘にも使われているので、音色自体は聴き馴染みのある楽器だと思います。
太鼓(たいこ)
太鼓はドラム系の打楽器を総称するときに呼ばれます。
日本でも同じような構造の楽器「和太鼓」や「鼓=ツヅミ」があるのでわかりやすいですね。
定音鼓
定音鼓はティンパニのことです。
ティンパニは、足元についているペダルやハンドル、または本体を回転させることで音の高さを調節することができ、通常の太鼓と違い楽譜に書いてある定められた音程を正確に演奏することができるため「定音鼓」と呼ばれているようです。
日本語の読みは不明ですが、中国語では「定音鼓=ディンイングゥ」と読みます。
木琴(もっきん)
木琴はシロフォン(ザイロフォン)やマリンバなどの「木製の板をピアノの鍵盤のように音の高さ順に並べた打楽器」の総称です。
ちなみに、マリンバは「馬林巴」という当て字が使われています。
鉄琴(てっきん)
鉄琴は「金属製の板をピアノの鍵盤のように音の高さ順に並べた打楽器」に当てられた日本語の名前です。
ヴィブラフォンなどの大きな楽器から、マーチングで使われているベルリラやグロッケン(グロッケンシュピール)のように小さな楽器、そして調律されていないようなオモチャまで、全てまとめて「鉄琴」と呼ばれています。
三角鉄(さんかくてつ)
三角鉄はトライアングルのことです。
トライアングルは本来「三角形」という意味があるので、見た目や素材の特徴をそのまま名前にした感じですね。
鉄という漢字が入っていますが、実際の素材は鉄ではなく鋼鉄という「鉄と他の金属をまぜて強度を増した合金」が使われています。
鈴鼓
鈴鼓は打楽器のタンバリンを指します。
由来となった中国語では、「铃鼓・鈴鼓=リングゥ、手鼓=ショウグゥ」となりますが、日本語での読みは不明です。
ジングルと呼ばれる鈴がついた太鼓のような楽器なので「鈴鼓」と呼ばれています。
その他
鳩琴(きゅうきん)
鳩琴はオカリナという笛のことです。
鳩の鳴き声に音色が似ているので鳩という漢字が使われるのは分かりますが、どう考えても琴っぽくはないので「鳩笛」と呼ぶ方がしっくりくる感じがします。
ですが、日本には別の楽器で鳩の形をした鳩笛があるので、オカリナを鳩琴と呼んでいました。
ところがイタリア語でオカリナは『小さなガチョウ』という意味なので、「鳩琴・鳩笛」のどちらにしても日本語の名前をつけたときのミスだということが発覚しました。(笑)
馬頭琴 (ばとうきん)
日本では馬頭琴として知れわたっているのが、モンゴルを代表する伝統的な弦楽器モリンホールです。
モンゴルの言葉で「馬の楽器」という意味があり、名前の通り楽器の棹の先端部分が馬の頭の形をしているため中国と日本では「馬頭琴」と呼びます。
弱音器(じゃくおんき)・消音器(しょうおんき)
楽器の名前ではありませんが、この2つは楽器を演奏するときの機能で考えると、とても重要な役目をもつ道具や機能のことです。
弱音器はミュートを指します。
ミュートは、楽器の音が出る部分に蓋をして聴こえてくる音を弱める(小さくする)効果と、音楽的な表現のために音の強弱や音色を変える目的で使われることがある道具や機能のことです。
例として、金管楽器のミュートする道具と、ピアノのミュート機能をもったペダル↓
消音器はサイレンサーやサイレント機能のことを指します。
サイレンサーは、楽器から出る音を消す(出なくする)効果や、ミュートと同じように楽器の音が出る部分に蓋をして音を弱める(小さくする)効果のある道具や機能のことです。
例として、ピアノの消音機能をもったペダル↓
ミュートとサイレンサーのどちら共、楽器の音が騒音になることを防ぐために使うことができます。
知ってたら教えてね!
私が今現在知っている「日本語に訳された楽器の名前」は以上になります。
今回、日本語に訳された楽器の名前を調べてみて『なるほど~!』と感心したものもありましたが、『見た目のままの名前だな!』とか『オカリナ…鳩でも琴でもないし!』とか、ツッコミどころもあって面白かったです。(笑)
新たに日本語に訳された楽器を見つけたら、そのたびに追記していきますので『他にも日本語に訳してある楽器を知ってるよ!』という方がいましたら是非、教えてくださいね!
そして音楽では楽器以外にも、日本語に訳されている用語などが多くあるので、また記事にしたいと思います。
日本語に訳された楽器の名前。〈その①〉
ようこそ!ブーです。
今回は、『日本語に訳された楽器の名前』を2回にわたって紹介します。
みなさんは、〈楽器の名前〉と聞いてどんなものを思い浮かべますか?
日本固有の楽器(琴・尺八・三味線・篳篥・笙など)以外で、日本語の名前が思い浮かんだ人は少ないのではないでしょうか。
思い浮かんだ人は逆に凄いですよ!
楽器の名前が日本語でパッと思い浮かばない理由は、現在聴くことのできる音楽の基礎となった「クラシック音楽」が西洋発祥ということと、
現代の日本では外国(海外)から伝わるものに偏見が少ないため、音楽を習うときも当たり前のように専門用語は外国語で習っているからです。
ですが楽器が伝わってきた初めの頃は、他国に対する偏見や、外国語で伝えても日本人にはまったく馴染みがないので上手く伝わらないという事もあったので、日本語に訳したものが伝わっていくことも少なくありませんでした。
グローバル化が進んだため、現代では日本語の名前はほとんど使われていませんが、「日本語に訳された楽器の名前」ということで言葉(固有名詞)としてはちゃんと残っていますし、由来や解釈が面白かったり、『なるほど!そういう理由かぁ…』と納得できるものも多かったので紹介していきます!
知っておきたい「楽器を日本語に訳したときの法則」
楽器を日本語に訳したときに、大きく分けて2つの法則があります。
法則の1つ目は、楽器の名前を日本語に訳した場合、その多くに「琴」という字が使われているという事です。
中には、「琴」という字が使われていると違和感を感じる楽器もありますが、中国から漢字が伝わるときに、弾いたり擦ったりして演奏する弦楽器や、吹いて演奏するリード式の管楽器、鍵盤楽器のほとんどに「琴」という字が使われていたことに由来して、日本でも楽器を指す漢字として「琴」という字が使われるようになりました。(付いていないものもあります。)
法則の2つ目は、「見た目や演奏方法など」の楽器の特徴から名前が付けられる場合も多いということです。
この2点が分かっていると、楽器の名前が漢字で書かれていても、どの楽器なのかが理解しやすいと思いますよ!
日本語に訳された楽器の名前
洋琴(ようきん)
洋琴とはピアノのことです。
ピアノの場合は、言葉の発音が上手く伝わりすぎて「ピヤノ」と誤表記されている時期もありましたが、明治時代に『西洋から来た鍵盤楽器』ということに因んで、日本語では「洋琴」と名前が付けられました。
この「洋琴」はピアノという楽器を総称で呼ぶときの名前ですが、電気が使われていないアコースティック式のピアノの種類は2種類あり、それぞれに名前があります。
1種類目のグランドピアノは「平台洋琴・三角洋琴・大洋琴」
2種類目のアップライトピアノは「竪式洋琴」です。
そして、ピアノの原型である楽器のチェンバロは「大鍵琴」と言います。(同じ仲間なのに、こっちには“洋”という字が付かないんだなぁ…。笑)
電子琴(でんしごと)
電子琴はエレクトーンのことです。
エレクトーンは、ヤマハ株式会社が製造・発売する「電子オルガン」という特定の商品名を指しオルガンをベースとした楽器なので、同じように電気によって演奏できる楽器でも「電子ピアノ・デジタルピアノ」はピアノをベースとした楽器のため電子琴ではありません。
風琴(ふうきん)
風琴はオルガンのことです。
オルガンが風を使って音を鳴らす仕組みの鍵盤楽器のため、この字が使われました。
似た構造で大規模な鍵盤楽器のパイプオルガンは「管風琴」と言います。
「パイプ=管」ということで、見たままの解りやすい名前ですね。
手風琴(てふうきん)
手風琴はアコーディオンのことです。
風を使って演奏するという構造がオルガンと似ていること、また手で演奏するためにこう呼ばれていました。
口風琴(くちふうきん)
口風琴はハーモニカのことです。(伝来した明治時代には“西洋横笛”と訳されていた時期もありました。)
「風琴」は上に書いたとおりオルガンを指しますが、ハーモニカの名前の由来には諸説あり、「口を使って楽器に風を送り込み音を鳴らす楽器のため」や「オルガンの調律用の道具として使われていたため」だと考えられています。
提琴(ていきん)
提琴はヴァイオリンのことです。
“提”という字は『手にさげて持つ・かかげる』などの意味があり、ヴァイオリンを演奏する様子をあらわしています。(似ている漢字の“堤”と間違えないようにね)
その他にヴァイオリン属の弦楽器類では、ヴィオラ(ビオラ)が中提琴、チェロは大提琴、コントラバスが低音提琴という風に、楽器の大きさと合わせて名前が当てられています。
竪琴(たてごと)
竪琴はハープのことです。
もともとアジアではハープに似た楽器があり、中国では箜篌(くご)、ミャンマーではサウン・ガウと呼ばれて演奏されていました。
“竪”という字は、「縦向き・上下・水平」などの方向をあらわす意味があり、楽器を立てて(縦向きにして)演奏する様子をあらわしています。
“琴”という字は、同じ弦楽器で日本人には馴染みのある「琴」や「箏」を想像することが出来るので、見たままですね。
自鳴琴(じめいきん)
自鳴琴はオルゴールのことです。
解釈としては、人間が音程を調節して奏でる楽器ではなく、設定された音・決まった音をほとんど自動で演奏するため、「自らが演奏し鳴る楽器」としてこの名前が付けられました。
人の手によってスイッチを押したりネジを回したりして音を鳴らすので、『本当に自動といって良いの?』と問いたくなりますよね…。(笑)
横笛(よこぶえ、おうてき、ようじょう)・長笛(ながぶえ)
フルートを日本語にすると横笛になります。
縦向きではなく横に持って演奏するためこう呼ばれますが、フルートだけではなく、邦楽器である竜笛や篠笛など、横向きに構える管楽器は「横笛」と呼ばれるので注意が必要です。
フルートと似た小さい横笛のピッコロは「短笛」といいます。
縦笛・竪笛(たてぶえ)
リコーダーのことを日本では縦笛と呼びます。
横向きではなく縦に持って演奏するためこう呼ばれますが、邦楽器の尺八のほかにクラリネットやオーボエなど、縦に構えて吹く管楽器は「縦笛」と呼ばれるので注意が必要です。
知っているものはありましたか?
私自身、調べるまで知らなかったものの方が多かったです。(笑)
今回は解りやすくスタンダードな楽器を紹介しましたが、次回は知らない人が多いかもしれない楽器も紹介しようと思います!