ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

音名・階名「ドレミファソラシド」【その②】

ようこそ!ブーです。

 

2回にわたって、音楽入門の音名階名について説明しています。

 

boosensei.hatenablog.com

 

今日は、【その②】で各国の音名についてです。

 

日本では一般的に「ドレミファソラシド」と呼んでいますが、本当は国によって呼び方が違うので分けて紹介します。

 

各国と言っても、音楽で主要なイタリア語・フランス語・英語・日本語・ドイツ語の5カ国語だけですので、参考程度にご覧下さい!

 

 

予備知識!

【その①】でも説明しましたが、音名は幹音派生音に分かれています。

 

幹音は♯シャープと♭フラットが付かない音で、音名の基準となるため1種類しかありません。

 

派生音は♯シャープと♭フラット(変化記号)を使った、、半音1つ分を上下に変化させる「♯シャープ」・「♭フラット」と、半音2つ分を上下に変化させる「ダブルシャープ」・「♭♭ダブルフラット」というものがあります。(日本以外の国は文字で書くよりも「♯・♭・・♭♭」の記号を使って省略することが多い)

そのため派生音は全部で4種類です。

 

あとは、音の高さが変わったときに音名が一緒だとわかりにくいので、その音の高さの違いが見てわかり易いように工夫もされています。

 

音名は、音の高さと同じで周波数のHzという単位で表され、現在は「ラ=440~442Hz」といったように決められているので、楽譜に書かれてある音符は演奏したときに世界共通で同じ高さになるように出来ていることも知っておきましょう。

 (湿度・気温によって多少の誤差は出ます)

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各国の音名

イタリア語 

幹音

Doド・Reレ・Miミ・Faファ・Solソ(ソル)・Laラ・Siシ・Doド

 

派生音

♯=diesisディエジス→Do diesis・Re diesis・Mi diesis・Fa diesis・Sol diesis・La diesis・Si diesis・Do diesis

 

♭=bemolleベモーレ→Do bemolle・Re bemolle・Mi bemolle・Fa bemolle・Sol bemolle・La bemolle・Si bemolle・Do bemolle

 

=doppio diesisドッピオ・ディエジス→Do doppio diesis・Re doppio diesis・Mi doppio diesis・Fa doppio diesis・Sol doppio diesis・La doppio diesis・Si doppio diesis・Do doppio diesis

 

♭♭=doppio bemolleドッピオ・ベモーレ→Do doppio bemolle・Re doppio bemolle・Mi doppio bemolle・Fa doppio bemolle・Sol doppio bemolle・La doppio bemolle・Si doppio bemolle・Do doppio bemolle

 

doppioは「2重・2倍」という意味。

 

高さ

イタリア語の音の高さは、数字を使って表されます。

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フランス語

幹音

Doド(Utウト)・Réレ・Miミ・Faファ・Solソ(ソル)・Laラ・Siシ・Doド(Utウト)

 

派生音

♯=dièseディエーズ→Do(Ut) dièse・Ré dièse・Mi dièse・Fa dièse・Sol dièse・La dièse・Si dièse・Do(Ut) dièse

 

♭=bémoleべモル→Do(Ut) bémole・Ré bémole・Mi bémole・Fa bémole・Sol bémole・La bémole・Si bémole・Do(Ut) bémole

 

=double dièseドゥーブル・ディエーズ→Do(Ut) double dièse・Ré double dièse・Mi double dièse・Fa double dièse・Sol double dièse・La double dièse・Si double dièse・Do(Ut) double dièse

 

♭♭=double bémoleドゥーブル・ベモル→Do(Ut) double bémole・Ré double bémole・Mi double bémole・Fa double bémole・Sol double bémole・La double bémole・Si double bémole・Do(Ut) double bémole

 

doubleは「2倍」という意味。

 

高さ

フランス語の音の高さも、数字を使って表されます。

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英語

幹音

Cシー・Dディ・Eイー・Fエフ・Gジー・Aエー・Bビー・Cシー 

 

派生音 

♯=sharpシャープ→C sharp・D sharp・E sharp・F sharp・G sharp・A sharp・B sharp・C sharp

 

♭=flatフラット→C flat・D flat・E flat・F flat・G flat・A flat・B flat・C flat

 

=double sharpダブル・シャープ→C double sharp・D double sharp・E double sharp・F double sharp・G double sharp・A double sharp・B double sharp・C double sharp

 

♭♭=double flatダブル・フラット→C double flat・D double flat・E double flat・F double flat・G double flat・A double flat・B double flat・C double flat

 

高さ

同じ英語圏ですが、イギリスとアメリカで表記に違いがあるんです。(ややこしい…)

 

イギリスの場合は、低い方がアルファベットの大文字の数、高い方はアルファベットが小文字で上に付けた点の数が変わっています。

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アメリカでは、アルファベットの大文字と数字の組み合わせです。

他の国に比べてみると、1番わかり易いと言えます。

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ワザワザ分けて書きましたが、実際には英語圏でも「ドdo レre ミmi ファfa ソso ラla シsi(ti) ドdo」を使うことが多いようです。(笑)

 

 

日本語

幹音

ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ・ハ

 

派生音

♯=嬰エイ→嬰ハ・嬰ニ・嬰ホ・嬰ヘ・嬰ト・嬰イ・嬰ロ・嬰ハ

 

♭=変ヘン→変ハ・変ニ・変ホ・変ヘ・変ト・変イ・変ロ・変ハ

 

=重嬰ジュウエイ→重嬰ハ・重嬰ニ・重嬰ホ・重嬰ヘ・重嬰ト・重嬰イ・重嬰ロ・重嬰ハ

 

♭♭=重変ジュウヘン→重変ハ・重変ニ・重変ホ・重変ヘ・重変ト・重変イ・重変ロ・重変ハ

 

高さ

日本音名は、ひらがなとカタカナ・点を使って高さを表します。

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読み方の例

点がについているものは「下一点は」という風に書き、読み方は『した(しも)いってんは』。

点がについているものは「上三点ハ」という風に書き、読み方は『うえさんてんは』となります。

 

一点ハ』の音が真ん中の「ド」の音になるので、そこを基準に覚えておくと良いです。

 

 

ドイツ語

ドイツ語音名は、イレギュラーな読み方をするところが多々あるので、1番覚えにくいと思います。

 

幹音

Cツェー・Dデー・Eエー・Fエフ・Gゲー・Aアー・Hハー・Cツェー

 

派生音

♯=is→Cisチス・Disディス・Eisエイス・Fisフィス・Gisギス・Aisアイス・Hisヒス・Cisチス

 

♭=es.s→Cesツェス・Desデス・Esエス・Fesフェス・Gesゲス・Asアス・Bベー(Hesヘス)・Cesツェス

 

=isis→Cisisツィシス・Disisディシス・Eisisエイシス・Fisisフィシス・Gisisギシス・Aisisアイシス・Hisisヒシス・Cisisチシス

 

♭♭=eses.ses→Cesesツェセス・Desesデセス・Esesエセス・Fesesフェセス・Gesesゲセス・Asesアセス(Asasアサス)・BBベーべー(Hesesヘセス、Bべス)・Cesesツェセス

 

高さ

ドイツ音名はアルファベットの大文字と小文字・数字で表されます。

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音名の不思議

計算上ではじき出された最高音はアメリカ出身の作曲家トム・ジョンソンの『想像上のトランペットのための「天上の音楽」』にでてくる「C34」で、

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最低音は、ペルセウス座銀河団のブラックホールから放出されている音波で、知られている限り宇宙で最も低い音となり「B♭-54」だそうです。

 

楽譜に書き起こしたり耳で聴き取るのは絶対に無理なのに、「音名」としては存在しているって言うんだから、本当に音楽って不思議だなぁ。

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