ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

「マイ・ウェイ」でお馴染み、フランク・シナトラ

ようこそ!ブーです。

 

今日は、アメリカが生んだジャズ&ポピュラー歌手のフランク・シナトラと、彼の代表作「マイ・ウェイ」を紹介します。

 

 

フランク・シナトラ

Francis Albert Frank Sinatra(フランシス・アルバート・フランク・シナトラ1915年12月12日-1998年5月14日没)は

アメリカ出身のイタリア系のアメリカ人で、ジャズ&ポピュラー歌手で俳優業もこなしたエンターテイナーです。

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現在でも歌い継がれている世界的ヒット曲や、ゴールドディスク(レコード販売数に応じて与えられる賞)を貰うなど、圧倒的な歌唱力を持っていたので「The Voiceザ・ヴォイス」と呼ばれました。

 

ロック界のレジェンドであるエルビス・プレスリーや、キング・オブ・ポップと呼ばれたマイケル・ジャクソンと並び20世紀を代表する歌手です。

 

 

シナトラの生涯

シナトラは、難産のため鼓膜が破れて生まれてきたことで、耳がよくありませんでした。

ですが、ラジオで聞いた歌手の歌声に憧れて歌手になることを夢見て、20歳のときに地元のボーカルトリオに参加したり、バーのラウンジで歌ったりして下積みを重ねます。

 

そこから人気のあったグループにどんどん引き抜かれて大活躍!

 

戦争のために兵役に志願しますが、耳が悪かったので兵役不合格となり、慰問部隊の歌手の1人として基地などを回り、レコードのリリースや映画出演をしたりと、そこでも音楽活動のキャリアを重ねました。

 

戦争で多くの若者が戦場に行ってしまった中、シナトラの若々しく甘い声は若い女性にとって心の慰めで「アイドル」として凄まじい人気がありました。

 

ですが、戦争が終わりその熱狂的な人気も落ちていき、さらに喉の調子も悪くなり引退か、と思われます。

 

そんな中で映画出演を頼まれました。

主演ではなく脇役でしたが、アカデミー助演男優賞をもらうほどの名演技を見せ、エンターテイナーとして息を吹き返します。

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見事カムバックを果たしたシナトラは、年齢を重ねたことでさらに深みを増した歌声と音楽の質を上げたことで、若者の間でロックンロールが流行っている中でも、かつてのファンが離れていくことはありませんでした。

 

ワールドツアーで世界中を飛び回り、俳優としての活動も高い評価を受け、晩年も色々なアーティストと共演し、亡くなる1年前まではマスコミの前に姿を見せるなど、エンターテイナーとしての使命を果たし続けたのです。

 

ですが、彼の生涯はその華々しさとは裏腹に黒いウワサが絶えず、イタリア系マフィアとの繋がりや政治的策略などがメディアに取り上げられることもありました。

 

そんな逆境にあっても、チャリティーなどをして社会的貢献をしたり、幅広い交友関係の中で困っている友人や後輩などには陰ながら支援するなど、「親分肌」で懐の深い人物だったことがうかがえます。

 

特に、差別問題に敏感で「全米黒人地位向上協会」の活動資金を集めたり、アフリカ系のサミー・デイヴィスJr.の音楽的才能を認めて自分のグループに参加させ、公民権運動に尽力したキング牧師を応援するなど、どれだけの人々に勇気を与えたことでしょう。

 

自分自身もイタリア系の新興移民だったし、舞台に立って他の人よりも目立つためヒドイ目に沢山あったからできたことだと思います。

みんな同じ生き物なんだから、人が人を蔑んではいけない!いじめも同じことです。

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彼の歌が心に響くのは、こういった「人よりも濃い人生経験」があったからなんでしょうね。

 

 

マイ・ウェイ

実は、My Wayはオリジナル曲ではなく、フランスで作られた曲「Comme d'habitudeいつものように」を基にしています。

 

「Comme d'habitude」は、1967年にフランス人のクロード・フランソワとジャック・ルヴォーが作曲し、クロード・フランソワとジル・ティボが作詞しました。

 

原曲を手がけたクロード・フランソワは、シャンソンやポピュラーのシンガーソングライターで「Comme d'habitude」も自身で歌っています。(歌詞が全然違いますが、こっちはこっちで違った良さがあります)

 

これを休暇中に聴いた、カナダ出身のシンガーソングライターのポール・アンカが少しアレンジし英語で独自に歌詞を付けて、自分で歌わずにシナトラに託しました。

 

ポール・アンカは自分が所属していたレコード会社から「自分で歌え」と言われるし、歌詞の内容的に「シナトラがこの曲を受け取ったら何て言われるだろう…」と悩みましたが、

やっぱりイロイロな境遇に合ってきたシナトラこそがこの曲にふさわしく、シナトラ以外が歌うことは考えられなかったそうです。

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My Way

作詞ポール・アンカ 作曲クロード・フランソワ、ジャンジャック・ルヴォー

 

英語の歌詞は載せられないので、私が訳したものを載せておきます。

 

そして今 俺は人生の終焉と

歌手としての終幕を迎えようとしている

友よ聴いてくれ 俺ははっきりと言える

確信を持って 俺の生き様を語れるんだ

満ち足りた人生を過ごし

いろんな道を(経験をして)足早に旅してきた

そんな風に 自分なりにこの道(人生)を進んできたんだ

 


いくつか後悔もあるが

些細なことだから言うまでもないさ

何事も逃げずにやり遂げてきたし

良く考えて決めた道を、注意深く歩んで

そうやって 自分なりにこの道を進んできたんだ

 


そう 君が知ってることもあるだろうな

手に負えないような無茶をしたり

人を信じることが出来なくなっても、全部乗り越えてきた

(嫌なことは)噛み砕いて吐き出しながら

そんなこと(辛い境遇)に直面しても堂々と自分の道を進んできたんだ

 


恋をして 笑ったり泣いたし

いやというほど敗北もした

そして今は 涙も止まって (過ぎてしまえば)全てが楽しいことだったと気付いたんだ

(辛くても全てを)自分で成し遂げたんだと思うと。

言ってもいいかい、姑息なマネはしていないと

そう違うんだ 俺はただ 自分の道を進んできただけだ


俺は何なのか、何を手にしたというんだろう(地位や名誉ではない)

そう結局は何も持っていない、持っているとすればこの身だけだ

感じたままを言おう 人に媚びたり気を使う事無く

打撃を受けたことも(メディアには)記録されているがそれも俺の人生だ!


そう、それが 俺が歩んできた道なんだ

 

 

 

後悔のない人生を…

この歌詞を読んで歌を聴くと、シナトラが自分に向けて語りかけてくれているような気になります。

 

こんな風に胸を張って「自分はこんな道を築いてきたぞ!」って言える人生を送っていきたい。

 

好きなことが出来る幸せを感じながら、自分に自信を持って過ごしていこうと思います!頑張るぞ~!

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