ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

寝る前に聴きたい、ドビュッシー「夢」

ようこそ!ブーです。

 

今日は寝る前に聴きたい、ドビュッシーのピアノ独奏曲「」を紹介します。

 

聴きながらご覧下さい↓

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この演奏者さんの間合いが好きなので、調律や音響がもうちょっと良かったら「ブーの理想的な演奏」はこんな感じです。

 

 

ドビュッシー

Claude Achille Debussy(クロード・アシル・ドビュッシー、1862年8月22日~1918年3月25日没)はフランス出身の「印象主義音楽」を代表する作曲家です。

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同じ時代に活躍していた、印象派の画家クロード・モネの画風に見られる「気だるい雰囲気」を音楽で表現したようなドビュッシーの作風は、印象派音楽の先駆けと言われています。

 

作曲の技法もクラシック音楽の伝統にとらわれない独創性に溢れていて、ぼんやりとして霧や靄が出ているような空気を思わせる複雑な和音の使い方や、それに反したような簡単な曲の構成のため、斬新かつ官能的に仕上がっている曲が多いです。

 

親日家としても有名で、管弦楽曲「La Mer海」の楽譜の表紙には葛飾北斎の浮世絵『富嶽三十六景』が使われています。

 

 

Rêverie夢(夢想)

「Rêverieレヴリィ」はフランス語で「幻想・夢想・白昼夢・空想」という意味があり、この曲は一般的な日本語訳では“夢想”や“夢”が使われています。

 

ブーは、この曲を聴いているときに

「うつらうつら…と夢の中へ誘われる→美しく広がる夢の世界→自由にその世界を飛び回る→夢の世界が意識から遠のいていく→ぼんやりと夢から覚め、現実世界へと戻ってくる」

という風に感じたので、呼ぶときは“”の方が好きです。

 

ドビュッシーは親日家だったので、この曲の中盤にも日本的な音の並びを使っています。

 

個人的には童謡の「さくらさくら」のような和音の配置だなと感じました。

 

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「夢」が作曲されたのは1890年頃と言われていますが、ハッキリとはしていません。

 

それは、この曲が書かれた時代のドビュッシーが、作曲家としては駆け出しの頃で生活に困っていたため、必要に迫られて書いた作品だからなんです。

 

ドビュッシー自身も「やっつけ仕事で書いたたいしたことのない粗悪品」と言っていました。

 

本人的には、若い頃の「黒歴史的」な産物ではあるかもしれませんが、今では世界中の人に愛されている名曲です。

 

演奏時間約4分と決して長くありませんし、初期作品のためドビュッシーにしては初心者の方でも弾きやすい曲だと思います。

 

 

「夢」という作品と自分

この曲は、ブーがまだ幼い頃に母が持っていたカセットテープに収められていて、当時からお気に入りの曲の1つでした。

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ですが、カセットテープというものは気に入っていれば気に入っているほど劣化が進みます。

例に漏れず伸びきって聴けなくなったお気に入りのテープは、とうとう処分されてしまいました。

 

元々、カセットテープには作者や曲名が書いていなかったので、新しくCDなどの音源を探そうにも情報が全くありません。

  

あの美しい旋律をもう一度聴くために一生懸命探しましたが、結局、子どもの知識だけでは見つかりませんでした。

 

『あの曲は、幼い頃に聴いただったのでは?』と思うほど、長年ナゾに包まれた曲だったんです。

 

ところが10年ほど経ったある日、大好きなドビュッシーのピアノ曲集(楽譜)を手に入れてウハウハで目を通しているときに、初めの旋律を弾き始めたところで

 

『あれ?この曲…、曲名は聞いたことないけど音楽は聴いた事があるような…』

 

と思い、急いで次のページへ手を伸ばし曲の確信へ触れてみました。

 

するとブーの愛した、あの懐かしい旋律が自分の手で甦ったのです。

感動しすぎて泣きながら弾いた事を今でも覚えています。

 

でも、『小さい頃から好みが変わっていないんだな』と思うと笑えますよね。

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