ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

休符の意味と種類。

ようこそ!ブーです。

 

今日は楽譜に書かれる基本の記号である、休符の意味と種類を説明します。

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休符や音符があるおかげで音からリズムとメロディが生まれ、それを基準にハーモニーが作られるので、現在使われている西洋音楽にはとても大事な基本の記号です。

 

 音符の説明はこちらからどうぞ↓

boosensei.hatenablog.com

 

 

休符の意味

休符の記号が楽譜に書かれているときは、その間は音を鳴らさないで休むという意味です。 

休符は英語でRestレストと言います。

イロイロな時間の長さに対応した種類があり、音価という単位を使ってどれくらいの長さで休むのかを計れます。

 

 

休符の形

休符は、音価によって書き表される形が変わります。(8分休符以降はあまり変わりませんが…)

各部位に名称は無く、全休符や2分休符のように紛らわしい記号もあるので、意外と覚えるのが大変です。

 

休符には5線が重要なのでこちらもチェック↓ 

boosensei.hatenablog.com

 

 全休符は、5線の第4線に黒い長方形をぶら下げて書きます。

2分休符と形が似ているので、上下を間違えないように気を付けましょう。

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2分休符は、5線の第3線に黒い長方形を上向きに(帽子みたいに)書きます。

全休符と形が似ているので、上下を間違えないように気を付けましょう。

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4分休符は、ひらがなの「」を縦に伸ばしたような見た目をしています。

5線にバランスよく配置するように気を付けて書きましょう。

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8分休符は、「y」のような見た目をしていて、5線の第2間と第3間にピッタリ収まる大きさに書きます。

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8分休符以降はほとんど同じ形をしていて、横線(౿こういうやつ)がドンドン増えていき、縦の棒はそれに合わせた長さに伸ばします。

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16分休符は第2間に౿が増え、32分休符はさらに第4間に౿が増えます。

そして64分休符は౿第1間に、128分休符は第1線の下に౿が足され、256分休符は第5線の上に౿が書かれます。

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この時点で 5線を最大限に使っているので、ここから先は౿を上下均等に増やしていけばよいでしょう。

 

休符は音符と違って高さが変わることは無いので、決まりとして楽譜上では決まった場所に書かれます。

 

ですが、音符が5線よりもかなり上や下にあったり、複数の声部が同じ譜表上(5線上)にある場合は、基本の場所に書いても見にくくて見落としてしまうことがあり、そんなときは例外として音符の近くに移動させて書くことができます。

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休符の種類

休符は全休符が基準になり、全休符は1小節をすべて使った一杯の長さで、拍子が変わったら全休符のみ音価が変わるときがあります。

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(長さ=音価です。)

2分休符は全休符の2分の1の長さ

4分休符は全休符の4分の1の長さ

8分休符は全休符の8分の1の長さ

16分休符は全休符の16分の1の長さ

32分休符は全休符の32分の1の長さ

64分休符は全休符の64分の1の長さ

128分休符は全休符の128分の1の長さ

となります。 

 

人間が演奏するには不可能なことが多いので使われる記号は限られ、128分休符より短い休符を目にすることは少ないです。

 

ですが、休符の種類は数学的に考えると無限に存在する事ができ、

4096分休符が、コンピューター楽譜作成ソフトウェア「Finaleフィナーレ」で使える最小音価を持った休符として存在し、

1073741824(2の30乗)分休符も、コンピューター楽譜作成ソフトウェア「GNU Lily Pondグニュー・リリー・ポンド」で使える最小音価を持った休符として事実上は存在しています。

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付点休符 

付点休符の役割は、ちょっと音の長さが足りないときに点を付けることで、休符を書き足すこと無く必要な長さの音価が補える記号で、3種類あります。(例は4分休符で書きます)

 

付点休符は、「休符+半分=1+0.5」の計算になり、音価は1.5倍です。

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複付点休符は、「休符+半分+半分の半分=1+0.5+0.25」の計算になり、音価は1.75倍になります。

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3重付点休符は、「休符+半分+半分の半分+半分の半分の半分=1+0.5+0.25+0.125」の計算で音価は1.875倍となります。

より細かいリズムが必要な超絶技巧の曲では、短い音符(0.25の音価など)が使われることがあり、それに合わせた休符が必要になるので3重付点休符を使うことがあります。

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付点休符で付けられる点は、基本的にどの休符でも右側の第3間に書かれます。

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全休符よりも長い休符

休符には基準となる全休符よりも長い休符があります。

 

倍全休符は全休符の2倍の長さで、2小節分の休止を表す記号です。

第3間に黒い長方形を書きますが、他の休符と明確な違いを出すために第3線と第4線に隙間ができないように気を付けてましょう。

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Longa(ロンガ)は全休符の4倍の長さで、4小節の間休止します。

第2間と第3間に黒い四角を縦並びにそろえて書きます。

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Maxima(マクシマまたはマキシマ)は全休符の8倍の長さで、8小節の間休止します。

第2間と第3間に黒い四角を縦並びにそろえた物を2個書きます。

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全休符・倍全休符・Longa・Maximaを組み合わせて使うことによって、何通りもの小節休みを作ることができます。

書くときは大きい順にしましょう。

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でも、休符の組み合わせを使うよりも簡単な方法があり、この頃ではこちらの方が良く使われています。

Η」を横に伸ばしたような記号を書いて、さらに小節の上には休む分の小節数を書く記号です。

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何小節休むのかを分かりやすくするために使われますが、記号の呼び方はさまざまあり「連続休符、長休符、大休符」と呼ばれています。(統一して欲しい)

 

でも、この長~い休符が書いてある間はずっとお休みだから、書いてあっても全然うれしくないですよね。(笑) 

 

 

休符って大事!

「休符って、ただ休んでるだけじゃん!」と思うかもしれませんが、

もし休符がなかったら、音がジャンジャン途切れずに鳴るので、音楽にメリハリが無くなるし、聴いていて疲れてしまうと思います。

 

日本では話すときなどに「間」が大事と言いますよね?

実は、この「間」が音楽では休符と言うことなんです。

 

音楽で、聴いている人の心を和ませたり・楽しませるために、作曲者は休符を効果的に使っています。

その、休符でできた「間」を感じながら演奏できると良い演奏に近づくでしょう!

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「マイ・ウェイ」でお馴染み、フランク・シナトラ

ようこそ!ブーです。

 

今日は、アメリカが生んだジャズ&ポピュラー歌手のフランク・シナトラと、彼の代表作「マイ・ウェイ」を紹介します。

 

 

フランク・シナトラ

Francis Albert Frank Sinatra(フランシス・アルバート・フランク・シナトラ1915年12月12日-1998年5月14日没)は

アメリカ出身のイタリア系のアメリカ人で、ジャズ&ポピュラー歌手で俳優業もこなしたエンターテイナーです。

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現在でも歌い継がれている世界的ヒット曲や、ゴールドディスク(レコード販売数に応じて与えられる賞)を貰うなど、圧倒的な歌唱力を持っていたので「The Voiceザ・ヴォイス」と呼ばれました。

 

ロック界のレジェンドであるエルビス・プレスリーや、キング・オブ・ポップと呼ばれたマイケル・ジャクソンと並び20世紀を代表する歌手です。

 

 

シナトラの生涯

シナトラは、難産のため鼓膜が破れて生まれてきたことで、耳がよくありませんでした。

ですが、ラジオで聞いた歌手の歌声に憧れて歌手になることを夢見て、20歳のときに地元のボーカルトリオに参加したり、バーのラウンジで歌ったりして下積みを重ねます。

 

そこから人気のあったグループにどんどん引き抜かれて大活躍!

 

戦争のために兵役に志願しますが、耳が悪かったので兵役不合格となり、慰問部隊の歌手の1人として基地などを回り、レコードのリリースや映画出演をしたりと、そこでも音楽活動のキャリアを重ねました。

 

戦争で多くの若者が戦場に行ってしまった中、シナトラの若々しく甘い声は若い女性にとって心の慰めで「アイドル」として凄まじい人気がありました。

 

ですが、戦争が終わりその熱狂的な人気も落ちていき、さらに喉の調子も悪くなり引退か、と思われます。

 

そんな中で映画出演を頼まれました。

主演ではなく脇役でしたが、アカデミー助演男優賞をもらうほどの名演技を見せ、エンターテイナーとして息を吹き返します。

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見事カムバックを果たしたシナトラは、年齢を重ねたことでさらに深みを増した歌声と音楽の質を上げたことで、若者の間でロックンロールが流行っている中でも、かつてのファンが離れていくことはありませんでした。

 

ワールドツアーで世界中を飛び回り、俳優としての活動も高い評価を受け、晩年も色々なアーティストと共演し、亡くなる1年前まではマスコミの前に姿を見せるなど、エンターテイナーとしての使命を果たし続けたのです。

 

ですが、彼の生涯はその華々しさとは裏腹に黒いウワサが絶えず、イタリア系マフィアとの繋がりや政治的策略などがメディアに取り上げられることもありました。

 

そんな逆境にあっても、チャリティーなどをして社会的貢献をしたり、幅広い交友関係の中で困っている友人や後輩などには陰ながら支援するなど、「親分肌」で懐の深い人物だったことがうかがえます。

 

特に、差別問題に敏感で「全米黒人地位向上協会」の活動資金を集めたり、アフリカ系のサミー・デイヴィスJr.の音楽的才能を認めて自分のグループに参加させ、公民権運動に尽力したキング牧師を応援するなど、どれだけの人々に勇気を与えたことでしょう。

 

自分自身もイタリア系の新興移民だったし、舞台に立って他の人よりも目立つためヒドイ目に沢山あったからできたことだと思います。

みんな同じ生き物なんだから、人が人を蔑んではいけない!いじめも同じことです。

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彼の歌が心に響くのは、こういった「人よりも濃い人生経験」があったからなんでしょうね。

 

 

マイ・ウェイ

実は、My Wayはオリジナル曲ではなく、フランスで作られた曲「Comme d'habitudeいつものように」を基にしています。

 

「Comme d'habitude」は、1967年にフランス人のクロード・フランソワとジャック・ルヴォーが作曲し、クロード・フランソワとジル・ティボが作詞しました。

 

原曲を手がけたクロード・フランソワは、シャンソンやポピュラーのシンガーソングライターで「Comme d'habitude」も自身で歌っています。(歌詞が全然違いますが、こっちはこっちで違った良さがあります)

 

これを休暇中に聴いた、カナダ出身のシンガーソングライターのポール・アンカが少しアレンジし英語で独自に歌詞を付けて、自分で歌わずにシナトラに託しました。

 

ポール・アンカは自分が所属していたレコード会社から「自分で歌え」と言われるし、歌詞の内容的に「シナトラがこの曲を受け取ったら何て言われるだろう…」と悩みましたが、

やっぱりイロイロな境遇に合ってきたシナトラこそがこの曲にふさわしく、シナトラ以外が歌うことは考えられなかったそうです。

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My Way

作詞ポール・アンカ 作曲クロード・フランソワ、ジャンジャック・ルヴォー

 

英語の歌詞は載せられないので、私が訳したものを載せておきます。

 

そして今 俺は人生の終焉と

歌手としての終幕を迎えようとしている

友よ聴いてくれ 俺ははっきりと言える

確信を持って 俺の生き様を語れるんだ

満ち足りた人生を過ごし

いろんな道を(経験をして)足早に旅してきた

そんな風に 自分なりにこの道(人生)を進んできたんだ

 


いくつか後悔もあるが

些細なことだから言うまでもないさ

何事も逃げずにやり遂げてきたし

良く考えて決めた道を、注意深く歩んで

そうやって 自分なりにこの道を進んできたんだ

 


そう 君が知ってることもあるだろうな

手に負えないような無茶をしたり

人を信じることが出来なくなっても、全部乗り越えてきた

(嫌なことは)噛み砕いて吐き出しながら

そんなこと(辛い境遇)に直面しても堂々と自分の道を進んできたんだ

 


恋をして 笑ったり泣いたし

いやというほど敗北もした

そして今は 涙も止まって (過ぎてしまえば)全てが楽しいことだったと気付いたんだ

(辛くても全てを)自分で成し遂げたんだと思うと。

言ってもいいかい、姑息なマネはしていないと

そう違うんだ 俺はただ 自分の道を進んできただけだ


俺は何なのか、何を手にしたというんだろう(地位や名誉ではない)

そう結局は何も持っていない、持っているとすればこの身だけだ

感じたままを言おう 人に媚びたり気を使う事無く

打撃を受けたことも(メディアには)記録されているがそれも俺の人生だ!


そう、それが 俺が歩んできた道なんだ

 

 

 

後悔のない人生を…

この歌詞を読んで歌を聴くと、シナトラが自分に向けて語りかけてくれているような気になります。

 

こんな風に胸を張って「自分はこんな道を築いてきたぞ!」って言える人生を送っていきたい。

 

好きなことが出来る幸せを感じながら、自分に自信を持って過ごしていこうと思います!頑張るぞ~!

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「交響曲の父」ハイドン。

ようこそ!ブーです。

 

今日は、「交響曲の父」として有名なハイドンを紹介します。

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音楽家としてのハイドン

Franz Joseph Haydn(フランツ・ヨーゼフ・ハイドン1732年3月31日-1809年5月31日没)はオーストリアの作曲家です。

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音楽の歴史的には、バッハが活躍したバロック時代より後の「古典派」の時代に生きた人で、モーツァルトやベートーヴェンと同じくらいの時期に活躍しました。

 

交響曲や弦楽4重奏曲の先駆者であり、良い曲もたくさん書いたので「交響曲の父」・「弦楽4重奏曲の父」と呼ばれ、現在でもクラシックの重要な人物として学校でも習うことがあります。

(作曲した交響曲は104曲、管弦4重奏は68曲)

 

彼が作曲した弦楽4重奏曲第77番第2楽章で使われた皇帝讃歌「神よ、皇帝フランツを守り給え」のメインメロディはドイツの国歌になっています。

ハイドンはオーストリア人なのに、何でドイツ国歌にメロディが使われているかというと、題にもなっている「皇帝フランツ」がオーストリアで力を持っていたハプスブルク家出身のドイツ系の貴族だからです。

 

ハイドンの作品は、その時代に有った音楽のジャンルのほぼ全てを網羅していると言えるほど多彩なもので、歌曲・オペラ・舞台・室内楽・重奏・管弦楽・交響曲・ピアノ・民謡などを作曲しました。

 

なんと!その作曲数は未完成・断片・偽作・紛失したものなどを抜いても、700曲を超えると言われているんです。 (多いなぁ~)

 

一般的にハイドンの作品番号は、音楽学者のホーボーケンがまとめた「ヨーゼフ・ハイドン主題書誌学的作品目録」に付けられたHob.(Hoboken-Verzeichnisホーボーケン番号)が使われ、ジャンルによってⅠ~ⅩⅩⅩⅠ(1~31)のローマ数字で分けられます。

 

  • Ⅰ=交響曲
  • Ⅰa=序曲
  • Ⅱ=4声部以上の嬉遊曲(ディベルティメント)
  • Ⅲ=弦楽4重奏曲
  • Ⅳ=3声部の嬉遊曲
  • Ⅴ=弦楽3重奏曲
  • Ⅵ=2重奏曲
  • Ⅶ=協奏曲
  • Ⅷ=行進曲
  • Ⅸ=舞曲
  • Ⅹ=弦楽器であるバリトン(ヴィオラ・ダ・ガンバの1種)の作品
  • ⅩⅠ=弦楽器(バリトン、ヴァイオリンorヴィオラ、チェロ)の3重奏曲
  • ⅩⅡ=弦楽器のバリトンを含んだ2重奏曲
  • ⅩⅢ=弦楽器のバリトンのための協奏曲
  • ⅩⅣ=ピアノ(チェンバロ)のための嬉遊曲
  • ⅩⅤ=ピアノとヴァイオリンorフルートとチェロのための3重奏曲
  • ⅩⅤa=ピアノ2台を使う曲
  • ⅩⅥ=ピアノソナタ
  • ⅩⅦ=ピアノの小曲
  • ⅩⅦa=ピアノの連弾曲
  • ⅩⅧ=ピアノの協奏曲
  • ⅩⅨ=オルガン時計(Flötenuhr)の小曲
  • ⅩⅩ=キリストの「十字架上の七つの言葉」をオマージュした器楽作品
  • ⅩⅩ-2=ⅩⅩの合唱バージョン
  • ⅩⅩⅠ=Oratorioオラトリオ(日本では聖譚曲と呼ばれる)演奏規模が大きな宗教曲
  • ⅩⅩⅡ=ミサのときに使われる宗教的な声楽曲
  • ⅩⅩⅢ=それ以外の宗教的な作品
  • ⅩⅩⅣ=管弦楽が伴奏のカンタータ・交声曲(大規模な声楽曲)とアリア・独唱曲(切なさや感動などの気持ちを歌う小曲)
  • ⅩⅩⅤ=2声部、3声部、4声部に分かれている歌曲
  • ⅩⅩⅥ=ピアノ伴奏の歌曲とカンタータ
  • ⅩⅩⅦ=宗教的なカノンと世俗的なカノン(Canonカノンは1つのモチーフとなるメロディを使って、声部ごとにいろいろと展開させる曲。輪唱に似ている)
  • ⅩⅩⅧ=オペラ
  • ⅩⅩⅨ=ジングシュピール(Singspielはドイツの歌芝居で、小規模なオペラのような物)
  • ⅩⅩⅩ=劇付随音楽(劇に使われるBGMのこと。雰囲気を伝えるための曲)
  • ⅩⅩⅩⅠ=スコットランド民謡を編曲した曲、ウェールズ民謡を編曲した曲

曲数が多いので、こういう風に分けてあると少しは探しやすいですね。 

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交響曲第20番だったらHob.Ⅰ:20、ピアノソナタ第35番だったらHob.ⅩⅤⅠ:35という風に書かれ、ほとんどの作品はこのようにHob.が使われています。

ですが一部のピアノ曲などは、一般的にどの作曲家にも使われている作品番号op.(オーパス番号)が使われることもあるので注意しましょう。

 

 

ハイドンの生涯

音楽学校の6歳頃から音楽の才能を認められて音楽の勉強を始めます。

 

8歳から音楽の都ウィーンに住んで聖歌隊として声変わりする17歳ごろまで働きました。

そこでプロの音楽に触れ、音楽家としての厳しさも学びます。

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声変わりのため聖歌隊を辞めてからは、音楽の知識を補うために猛勉強をし、宮廷楽長の仕事を経て、交響曲・弦楽4重奏曲・オペラなどの作曲と、演奏の指導をして生計を立てました。

 

その質の良い音楽と、作曲数の多さからたちまち有名になり、ハンガリーの貴族で大地主・事業家でもあるエステルハージ家楽長になります。

楽長とは、雇われ先で行なわれる音楽の全てを取り仕切るトップの役職のことです。

 

雇い主であるエステルハージ侯爵が亡くなるまでの約30年近く、人生の大半ともいえる時間を過ごしました。

 

エステルハージ家を去ってからも作曲の意欲は衰えず、病気になって作曲が出来ないほどひどくなるまでは精力的な音楽活動を行なっていたんです。

 

作曲が出来なくなった晩年は、自分が作曲したオーストリアの祝歌をピアノで弾いて、「もっと音楽がしたい」という気持ちを慰めていました。

 

ハイドンの77年の生涯は、若い頃は音楽にあふれて忙しく、晩年は病気のためであっても自分の音楽を味わえる人生だったようです。

 

 

ハイドンの音楽も良いもんだなぁ。

ブーは、「古典派」時代の音楽よりもラヴェルやドビュッシーなどが活躍した「ロマン派」時代の音楽が好きです。

 

でも今回、ハイドンのことを調べるために音源をいろいろ聴いてみたら「あれ?ハイドンの音楽って分かりやすいな…。なんだか聴いていて頭がスッキリするぞ!」って感じがしました。

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曲数も多いので、これからは勉強や事務作業などの時にはBGMとしてオススメしたいと思います!

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ピョンチャンオリンピックの開会式を観て印象に残った曲。

ようこそ!ブーです。

 

今日は、2018年2月9日から韓国の平昌(ピョンチャン)で開催されている、第23回オリンピック冬季競技大会の開会式で、個人的に印象に残った曲について書きます。 

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夏・冬通してオリンピックの中ではフィギュア・スケートが1番好きで、競技ではないですが2番目にオリンピックの開会式と閉会式が大好きなんです。

開催される国のことをただの資料としてじゃなくて楽しい映像として気軽に観れて、その国の象徴的なものに触れることが出来るからでしょうね。

 

それに、「今年はどこの国がどんなウェアを着て出てくるかな~」とか、「こんな国があって、こんな国旗なのか!」と、意外な見所もありますよ。

 

 

アリラン

朝鮮民謡の代表曲で、その国に生きていなくても不思議と故郷を思い出すような、哀愁のある曲調です。

 

オリンピックの開会式では、現代風に編曲されたものや、ノーマルなものを70代のおじいちゃんが歌ったりしていました。

おじいちゃんの歌声があんまりにも味わい深すぎて、もしくは緊張し過ぎていたからあんな感じだったのか…、ブーは思わず画面に向かって「おじいちゃん頑張れ!」と応援。(笑)

 

「アリラン」は朝鮮で歌い継がれていますが、明確な楽譜がない時代の曲なので、歌のメロディ以外の伴奏や拍子はその時々で変わります。

 

アリラン峠や白頭山(中国との国境にあり、朝鮮の発祥と言われている霊峰)、そこに咲き誇る花、青い空や小さな星、夢、など美しい風景が思い浮かぶような歌詞が使われているのが印象的です。

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江南スタイル(カンナムスタイル)

選手入場のときにかかって、「わぁ~!懐かしい!!」とめちゃくちゃテンションが上がりました!

選手入場はK-POPばかりだったのですが、特にこの曲を聴いたら嬉しくなっちゃったので紹介します。

 

この曲は、江南出身のPSYが作詞作曲し歌いました。(PSYと書いてサイと読みます)

 

You Tubeにあげたミュージックビデオがきっかけで世界的なヒット曲に!

ブーもその時代にこの曲を知りました。 

 

カンナムとは、ソウル特別市江南区のことで高級住宅が並んでいます。

そのカンナムに住む富裕層の暮らしをテーマにしたのが「江南スタイル」です。

 

一緒に観ていたお母さんに「日本で言ったら、白金みたいなところに住んでる人の歌だよ」と、白金に住む人には大変失礼な説明の仕方をしました。(笑)

 

ノリの良い裏拍を強調した16ビートの曲調と、カンナムスタイルを象徴する『乗馬ダンス』って楽しいから、ついつい一緒に踊ってしまいます。

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オリンピック讃歌

オリンピックの旗をあげるときに、韓国のキレイなソプラノ歌手のお姉さんが歌っていました。

 

曲自体が印象に残ったんじゃなくて、歌の序盤で気が付いてしまったんです。

「あれ?いや…、まさか口パク…?」

 

それに気が付いた要因がいくつかあります。

 

まず、あんな寒いところで腹式呼吸したら肺や喉がおかしくなるし、腹式呼吸で歌っていたらお腹がもっと動くはずだ!

ソプラノ歌手だったら腹式呼吸しないわけがないんだから、このことが回避できるわけないですよね。

 

そして、彼女の前に歌っていた人とのスピーカーから聴こえる歌声の音量・音響の差が激しすぎるし、あんなに風が吹いていたのに、風の音も入らず声だけ大音量でクリアに聴こえるのは明らかにおかしい。

あと、マイクは一体どこにあるの~?って感じでした。

 

まぁ、お姉さんがキレイだったから口パクでも許すけどね!

 

 

イマジン(Imagine)

まず思ったのが「なぜ韓国なのにイマジン?」でした。(好きな曲だからいいんだけどさ…)

 

むしろ日本の方がまだ使っても不思議じゃないでしょ?だってこの曲を作ったジョン・レノンの奥さんはオノ・ヨーコさんだもん。

 

まぁ、オリンピックのテーマが「Passion.Connectedひとつになった情熱」ということで、韓国がグローバリゼーション=世界と一体化していることを見せつけたかったのかなぁって感じですね。

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他にも理由はさまざまあるでしょうが、この曲が世界の人へ向けた平和的なメッセージ性のある作品だから選ばれたのかなとも思いました。

 

歌はあんまり上手じゃなかったから、あのクオリティーで口パクは無いだろう!(笑)

 

 

一番の衝撃!

歌以外で一番衝撃を受けたのは『人面鳥』ですね。

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出てきた瞬間、思わず「キモっ!!」って言っちゃいました。

クオリティーの問題ではないにしても何だか奇妙で、架空の生き物だとしても怖すぎる! (汗)

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世にも奇妙な、ハイドンの交響曲第45番『告別』

ようこそ!ブーです。

 

今日は、「交響曲の父」として有名なハイドンの世にも奇妙な交響曲を紹介します。

 

 

ハイドン

Franz Joseph Haydn(フランツ・ヨーゼフ・ハイドン1732年3月31日-1809年5月31日没)はオーストリアの作曲家です。

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交響曲や弦楽4重奏曲の先駆者であり、良い曲もたくさん書いたので「交響曲の父」・「弦楽4重奏曲の父」と呼ばれ、現在でもクラシックの重要な人物として学校でも習うことがあります。

 

世にも奇妙な、ハイドンの交響曲「第45番」

Symphony No.45 F-sharp minor・Hob.Ⅰ:45・交響曲第45番嬰ヘ短調は、1772年頃に作曲され『Abschiedssinfonie告別』というあだ名です。

 

ハイドンの作品番号には、音楽学者のホーボーケンがまとめた「ヨーゼフ・ハイドン主題書誌学的作品目録」で付けられたHob.(Hoboken-Verzeichnisホーボーケン番号)が使われ、ジャンルによってⅠ~ⅩⅩⅩⅠ(1~31)とローマ数字で書かれます。

Ⅰ=交響曲です。 

 

この曲は、交響曲の形式通り4つの楽章で構成されているにもかかわらず、演奏時間は約25分と短く、

基本の楽器構成も、オーボエ2、ファゴット1、ホルン2、第1ヴァイオリン2、第2ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1、コントラバス1、の計13人で少ないです。

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楽器構成はハイドンが勤めていたエステルハージ家の宮廷楽団員の人数だったと考えられます。

なので、現代の演奏会では見栄えがするように人数が増やされて演奏されることが多いです。

 

曲を聴いた感じは、

  • 第1楽章は、荒々しく緊迫した雰囲気。
  • 第2楽章は、のっそり・ゆったりとしていますが、何かたくらんでる感じがします。
  • 第3楽章は、楽しさと不満の音が交互にやってきます。
  • 第4楽章は、何だか細かくて急いでいる様子ですが、徐々におだやかに・静かになります。

書き出してみると、意外と普通ですね。 

 

 

どこが「世にも奇妙」なの?

この曲は最終楽章のときに演奏中にも関わらず、演奏者が少しづつ舞台から去っていきます。

 

演奏者が座っていたイスがズラーッと並んでいるのに、

最後にはヴァイオリンたった2人と指揮者のみという、「他の人、神隠しにでもあったんかな?」と思うくらい、なんとも不思議な空間が出来上がるんです。 

(演奏者によってさまざまな演出があり、指揮者が居なくなる場合もあります)

 

演奏会で観るその衝撃は言葉に表せないですねぇ…。

 

初めてこの演奏を観る人だったら、「え…えぇ?ちょっと!ちょっと!!みんな、どこに行くの?」って怖く感じると思います。(知っていたら笑っちゃいますけどね)

 

でも、本当に楽譜にそういう指示があるんだから仕方が有りません!

 

しかも曲が秀逸に作られています。

その場で観ていれば人が減っていくようすがわかりますが、CDでは演奏者が居なくなったかどうかわからないくらい、本当に徐々に音が小さくなっていって、まったく不自然さを感じないんですよ。

 

本当にハイドンってスゴイな!

 

youtu.be

 

 

ハイドンの優しさ

この曲、実は彼が雇い主であるエステルハージ侯爵に宛てて作曲した抗議の曲なんです。

 

エステルハージ侯爵が離宮に滞在している期間が長くて、一緒に勤めていた宮廷楽団の人たちが家に帰れなくて家族を恋しがってることを代弁(代曲?)するためにワザワザ作曲しました。

 

しかも当時は、演奏が終った順にロウソクの火を消して去っていくという演出つきでした。

 

口で「帰らせてくれ」っていうことは簡単だけど、演奏を聴いて・観てわかるようにした理由は、

  • エステルハージ侯爵に直接言うと侯爵に恥をかかせてしまうから。
  • エステルハージ侯爵と楽団員の間に角が立たないようにするため。

なので、ハイドンは人のことをよく考えた優しい人だなと思いました。

 

音楽が好きなだけあってエステルハージ侯爵も良い人で、演奏した翌日に楽団員たちは無事家族のもとに帰ることが出来たそうです。

良かった~!

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