ブー先生の音楽教室

学校では教えてくれない、音楽のことを書いています。

羽生結弦選手とショパンのバラード。

ようこそ!ブーです。

 

今回は、フィギュアスケート羽生結弦選手と、彼が世界最高得点を叩き出したショートプログラムで使用したショパンのバラード1番という曲について語らせてもらいます。

 

えっと…、選手自身や曲の紹介ではなくて、羽生くんがこの曲を使ったことに対する感想のようなものである事と、ずいぶんと前の話題なのであしからず!

 

 

 

 

羽生選手ってスゴイ!

羽生選手といえばオリンピック2連覇のメダリストということや、その恵まれたルックス、自分に対してはストイックであるのに他人に対しては慈愛に満ちている素晴らしい人柄によって、多くのファンがいるトップアスリートとして知られているのではないでしょうか?(くまのプーさんが大好きという可愛いギャップもあるしね、笑)

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その人気に加えて、2020年2月4日~2020年2月9日に行われた四大陸選手権で優勝したことにより、フィギュアスケートの主要な大会の完全制覇(他のスポーツで例えるとグランドスラム、フィギュアではスーパースラム)という前人未到の偉業を成し遂げたわけであります。ほんまもんのスーパースターです!

 

フィギュアスケートの主要大会は

  • オリンピック
  • 世界選手権の優勝
  • グランプリファイナル
  • 四大陸選手権もしくは欧州選手権
  • 世界ジュニア選手権
  • ジュニアグランプリファイナル

という風になっており、この中でジュニア大会以外の4タイトルを制覇するとゴールデンスラム、ジュニア大会とオリンピック以外の3タイトル制覇でグランドスラムと言います。

 

羽生選手はジュニア大会の優勝はもちろん、ソチオリンピックを制した同年である2014年にはすでに3大会の優勝を成し遂げているので、なんと6年も前からスーパースラムに手が届く状態だったわけですね。

 

4年に1度しかないオリンピック(ソチ大会と平昌大会)では、先ほど書いたように2連覇を成し遂げていたにもかかわらず、毎年行われているハズの四大陸選手権はコンディションなどの問題があり、長年かけてやっと取れたタイトルなのでした。

 

何にでも言えることですが、スポーツって努力だけではなく運も必要なんだなぁと思いました。

 

 

 

 

フィギュアスケーターと音楽との相性

フィギュアスケートはスケーティングの技術だけではなく、芸術性も求められるスポーツなので、「音楽=曲選び」も重要になってくると思います。

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ブーの勝手なイメージですが、羽生君にライバルだと言わしめた町田樹選手は硬派だけどいい意味で型破りなベートーヴェンのイメージだったり、

後輩の宇野昌磨選手は見たことのない独創的で卓越したスケーティングなのでドビュッシーラヴェルをイメージをしたり、

先輩の高橋大輔さんはステップが凄いのでクラシックに限らず現代曲やロックとかも似合うイメージだし、

同じく先輩の織田信成さんはコミカルな中にも技術が光るスケーターなのでガーシュウィンなんかがピッタリだと思うんですよね。 

 

こんな風に選手それぞれに合う音楽のジャンルや曲調がありますが、どんな曲が合うかなんて自分ではわかりにくいだろうし、曲を演技の時間に編集したりするのも相当大変な作業だと思います。

 

そんな中でも、繊細だけどダイナミックな羽生選手にはやっぱりショパンがよく合っているので、1回他のシーズンで滑っているとはいえ四大陸選手権という因縁がある大事な大会で使用するには本当に良い選曲だったなぁ…と、感心しました。

 

 

 

 

ブーが解せない編曲に…

上に書いたようにとっても良い選曲だったとは思うけど、結論から先に言わせてもらうと、編曲具合がいささか納得がいかないんだなぁ…。

 

その世界最高得点を叩き出したショートプログラムで使用した曲は、ポーランド出身の作曲家「ピアノの詩人」と呼ばれるFrédéric François Chopinフレデリック・フランソワ・ショパンの【Ballade No.1 in G minor Op.23 バラード第1番 作品23番 ト短調】、簡単に言うと「ショパンのバラード1番」というピアノ曲です。

 

下に載せている動画が原曲なのですが、羽生くんヴァージョンはブーの大好きな部分(↓動画の2:48位から7:12あたりまで)が丸々カットされているんですよね。

 

ぜひ聴いてみてください!


Chopin Ballade No. 1 in G minor, Op. 23 Rubinstein

 

繊細な中にもショパンらしい芯の強さが感じとれる名曲ですよね~。

 

解せない編曲になった理由としては、ブーが好きな部分がフィギュアを演技する上では拍が取りにくいし、ショートプログラムで使うには曲の時間が長いからカットせざるを得ないためだと思います。

 

 

下の動画は2020年の四大陸選手権でのショートプログラムです。聴き比べてね。↓

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羽生君ヴァージョンも結構人気だし、何より演技が素晴らしい!

 

それにフィギュアスケーターの方々は音楽を主体として活動していないですし、曲を選ぶのも、選んだ曲を演技の時間に調節するために編曲することも大変なことだと思います。

 

でもね…、歌で例えると「Bメロとサビ抜き」に相当する編曲なんですよ!

 

この曲を知っている側からすると違和感というか、『この後が素敵なんだよね~。ワクワク!』という気持ちからのばっさりカットなのでガッカリしちゃったわけで…。

 

好きな曲だからこそ、どうしてもこの解せない気持ちをみんなに知ってもらいたかったんだーい!

(終わり!) 

 

 

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「米津玄師」って、徳の高いお坊さんみたいな名前だよね。《その②》

ようこそ!ブーです。

 

前回に引き続き、シンガーソングライターの米津玄師さんをご紹介します!

 

《その1》はこちらから↓

boosensei.hatenablog.com

 

《その2》の今回は、米津さんとコラボについてです!

 

米津さんの音楽が好きなのに、少々ネガティブな内容が多くなってしまったことを先にお詫びいたします。(汗)

 

 

 

米津さんとコラボ

前回の記事では孤独が好きな米津さんの1人での活動をピックアップしましたが、彼の音楽性が日々進化していることに伴い、現在はコラボという新たな形が多く取られるようになりました。

 

本人いわく、

『ずっと自分独りで音楽を作り上げるっていうことを、心地よくやってきたんですけど、

一人でやれること(音楽)なんてたかが知れてるなぁ…っていう風に思うようになったんですね』

とのこと。 

 

デジタル化が進んだ現代では、コンピューターを使って自分1人でもオーケストラ以上に多彩な音色を奏でる事ができます。

 

そのため、歌に自信がなかったり楽器が演奏できなかったりしても簡単に音楽を作ることが可能になりました。

 

ですが、その便利さゆえに「独りよがりな音楽」になってしまったり、音楽の持つ即興性やライブ感のような「ワクワクしたもの」が薄れてしまうこと、そして他人と音楽を作り上げる楽しさが無いことに米津さんは気が付いたのだと思います。

 

本当は1人が好きなのに、思い切って自分の殻を破り音楽の世界を広げることができるなんて米津さんの進化はスゴイなぁ…、とも思ったのでした。

 

 

 

初音ミク砂の惑星

米津さんとコラボといえば、一番にボーカロイドの「初音ミクを思い出すのではないでしょうか?

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上に書いたようにコンピューター音楽は時には独りよがりになりがちですが、ボーカロイドとして初音ミクが登場したことは音楽業界に新たな風を送り込み、人と音楽との付き合い方をより近いものにしてくれたという点ではとても素晴らしいものだと思います。

 

米津さんは元々、初音ミクを使って「ニコニコ動画」に音楽を投稿していましたが、前回の記事でも書いたように『ボーカロイドを隠れ蓑にしていたくなかった』という理由から自身の声で歌うようになりました。

 

そして最後にコラボしたのが「砂の惑星」という曲です。

 

この曲では、初音ミクニコニコ動画過去のものとして、まるで決別するような歌詞の内容が見て取れます。


ハチ MV「砂の惑星 feat.初音ミク」HACHI / DUNE ft.Miku Hatsune

 

音楽というものはそもそも流行と共にあるものですが、衰退していく文化とはアッサリお別れなのかな?と思うと、調べていて少し切なくなりました。

 

 

 

DAOKO「打上花火」

「打上花火」では、女性シンガーソングライターのDAOKOさんとコラボをしました。

 

この曲は、アニメ映画《打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?》の主題歌で、米津さんは作詞・作曲・音楽プロデュース・ゲストボーカルを担当しています。

 

DAOKOさんを起用した理由は『声に切なさを帯びている人間が(この曲を)歌うことによってどういうモノになるのか?』ということや『映画自体も男の子と女の子のお話なので、2人で歌う方法が合うんじゃないか?』と思ったからなのだそうです。

 

確かに、繊細でふわふわとしたニュアンスの歌声を持つDAOKOさんはこの曲にピッタリだなと思います。

 

コラボの印象が強いため、アルバム「BOOTLEG」に収録された米津さんのソロバージョンに違和感を感じてしまうのは私だけではないハズ…。

(しかもキーが違うから、カラオケで入れるときにはどっちのヴァージョンなのか確認が必要!)

 

 

 

菅田将暉

「灰色と青 ( + 菅田将暉)」

俳優や歌手としても活動している菅田将暉さんとは4thアルバム「BOOTLEG」に収録されている「灰色と青」で初めてコラボしました。

 

菅田くんとのコラボ曲なので「灰色と青( + 菅田将暉)」と表記されることが多いです。

 

この「灰色と青」という曲は、米津さんが好きな作品である北野武監督の映画《キッズ・リターンから着想を得たもので、この映画の主要な登場人物のイメージと菅田くんが米津さんの中でマッチしたためオファーすることになりました。

 

キッズ・リターン》はボクサーとヤクザになった同級生2人の友情を描いた映画で、このことから『誰かと一緒に歌うことでしか成立しない曲だった』という事と、

米津さん自身はヤンキーとは真反対の人間だと自負しているので、逆に暴力的で情熱的な印象を持った『彼(管田くん)じゃなければっていう風に思ったんだろうな』と語っています。

 

表と裏のような2人が交互に歌うという独特な雰囲気や、「静と動」が絶妙なバランスで感情が揺さぶられるように曲が仕上がっているし、情熱的な菅田くんをオファーしたのは本当に正解だと思うよ。(何様…笑)

 

 

まちがいさがし

「灰色と青 」でのコラボから紆余曲折を経て作曲されたのが、この「まちがいさがし」です。

 

菅田くんと米津さんが同い年ということや、お互いに尊敬し合っているとても良好な関係、米津さんの菅田くんに寄せる熱烈な想いなどがあって、菅田くんに合うような良い物(曲)にしたいというプレッシャーが強まり曲作りが難航したそうです。

 


菅田将暉 『まちがいさがし』

 

曲の盛り上がり方が情熱的な菅田くんの歌にピッタリで、『流石は米津さん!菅田くんのこと好きすぎて良い曲に仕上がってるな。笑』と思いました。

 

 

 

中田ヤスタカ「NANIMONO (feat. 米津玄師)」

映画「何者」の主題歌では、私がリスペクトしている作曲家の中田ヤスタカさんとのコラボが実現しました。

 

主題歌の「NANIMONO (feat. 米津玄師)」で米津さんは、作詞を担当しています。

 

作詞作曲ができる米津さんがゲストボーカルを務めるなんて斬新!

 

 

 

Foorin「パプリカ」

日本の公共放送を担うNHKでは、2020年とその先の未来に向けて頑張っているすべての人を応援していくプロジェクトのために「パプリカ」という楽曲が提供されました。

 

このコラボでは「Foorin」というオーディションで選ばれた小学生5人のユニットが歌と踊りを担当しています。

 

最近、全編英語の歌詞で国際的に歌うFoorin team E=team Einglish native(私が訳すと「英語で歌える仲間」)も結成されました。

 

パプリカはNHKの教育番組などで流れていることもあり、かなり前から子どもたちに大人気ですが、最近では街中でもよく耳にしますよね。

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コーラスだけじゃなくて本人が歌ったバージョンも聴きたいなとあれほど思っていたのに、テレビやお店屋さんで流れているBGM的なものとして「Foorinのパプリカ」に慣れてしまっていたことや曲調が違うこともあって、本人が歌ったバージョンは何だか『これじゃない感』が否めないブーなのでした。(笑)

 

 

 

嵐「カイト」

期待しすぎたせいもあると思いますが、紅白歌合戦で初披露した嵐とのコラボは『残念』の一言に尽きる感じでした。

 

紅白歌合戦は出演者や曲順が決まっているので、コラボした菅田将暉さんやFoorinが出ても米津さんが歌わないことが事前にわかっていたし、そのことについてガッカリしたわけではありません。

 

当日発表の嵐とのコラボ曲「カイト」が一体どんな風に仕上がっているのだろうかとネットニュースで見てから数日の間、と~っても楽しみにしていたんです。(録画予約もしてたしね!)

 

米津さん本人もインタビューで、「カイト」という曲を作詞作曲するにあたってこのように熱く語っています。

 

この「カイト」という曲を作るに当たって、いろんなことを考えましたが、そのうちの大きな一つは

今の自分は誰かに生かされてきた

ということでした。

 

自分の身の回りにいる人間や、遠くで自分に影響を与えてくださった沢山の方々。

その全てにちょっとずつちょっとずつ許されながら

お前はここで生きていてもいいんだ」と、

そういう風に許されながら生きてきたのが今の自分だと思っていて、そういうことを考えていました。

 

日々漫然と生きているとそういうことは何だか忘れがちになってしまいますが、それは決して忘れてはならないことだと自分を戒めるような気持ちでこの曲を作りました。

 

とても良い曲になったと思います。

この曲を作るきっかけを与えてくださった沢山の方々、並びに嵐の皆さんに感謝の気持ちを述べたいと思います。

本当にありがとうございます。

 

確かに、今までの集大成的な曲・NHK2020ソング・今年解散を控えている嵐とのコラボ曲…等々、いろいろな理由をつけて考えてみると、『曲調が軽めの「海の幽霊」みたいだな…、歌詞のラルラリラは「パプリカ」と共通した米津さん特有のスキャットなんだな…。』という風に無理やり自分の中に落とし込めるのですが、嵐が歌うと爽やかすぎてインタビューで語っていたような感情の重みが感じ取れないし、胸にも全然響いてこないんですよね~。

 

嵐も米津さんも好きなのに、なぜかこの曲は微妙に感じてしまいました。

 

とは言え、『オリンピック・パラリンピックが開催される2020年とその先の未来に向けてアスリートや若い世代を応援する楽曲』として制作された曲ですので、NHKみんなのうた」で2月から3月にかけて放送されるとのこと…、忘れずチェックしておきます。(笑)

 

 

 

 

米津さんの音楽、好きだよ。

『これじゃない感』とか『微妙』とかディスり気味でしたが、米津さんの音楽はスマホにダウンロードするくらい好きです!

 

これからもどんどん活躍して欲しいな!

 

 

 

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「米津玄師」って、徳の高いお坊さんみたいな名前だよね。《その①》

ようこそ!ブーです。

 

今回は、2回にわたってシンガーソングライターの米津玄師さんをご紹介しようと思います。

 

米津さんの作った音楽を聴かない日は無いんじゃないかと思うくらい、日本中の其処彼処で彼の曲が流れていますよね?

 

実のところJ-POPに関してはかなり疎いので、去年の今頃は米津さんの名前と顔が一致しないくらいだったのですが、毎日無意識に聴き続けて今では彼が作り出す音楽の中毒者になりつつあります。

(きっと聴きすぎて無意識に洗脳されているんだな…笑)

 

昨年に引き続き、今年も映画やドラマの主題歌などを担当し大活躍の米津さんなので、ご紹介するには今更感があるとは思いますが、どうぞお付き合いください!

 

 

 

米津玄師という人物について

米津玄師さんは日本のシンガーソングライターで、1991年3月10日生まれのO型、身長はなんと188㎝もあります。

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羨ましいほどの高身長と、目を隠すような髪型、そして独特な服装のセンスが相まって、まるでモデルさんみたいな容貌でとても素敵ですよね。

(お坊さんみたいな名前から勝手にイメージしていた「私の中の米津玄師像」とのギャップに、初めて見たときにはかなり驚きました…。笑)

 

出身地徳島県の県庁所在地である徳島市となっていますが、本人曰く『徳島の片田舎、ものすごく狭い世界』とのことで、学生の頃は『何にも無いところ、音楽や色んな事をやっていても話の合う人があんまいない、早くここから出て行きたい』と思っていたそうです。

 

見た目に反して(?)お酒が大好きで、有名YouTuberさんや有名人との豪華な飲み会の写真をネットなどで拝見することができます。

(食べ物ではお寿司が好きで、嫌いなものはトマトです。)

 

生まれ変わったら『1回女の子になってみたい』そうで、自分とは全然違う生き物であるという感覚と、今の自分では低くて太い声しか出せないから女の子の高くて儚い声に憧れを抱いているのだとか…。(笑)

 

 

音楽だけではなく…

そんな米津さんは、音楽だけではなく自分自身の作品に合わせて、イラストレーター映像作家としても手腕を振るっています。

 

幼い頃から漫画や絵を描くことが好きで、音楽家を志す前は漫画家になりたいという夢があったり、芸術系の専門学校に通っていた経歴をお持ちですが、専門学校については『一応通ってはいたけど、そこで学んだことは無い』と豪語しています。

 

とはいえ、そこで出会った同世代の仲間たちと楽しい生活を送っていたとも語っていたので、無駄な時間ではなかったようです。

 

 

まさかの本名!? 

《米津玄師》という名前は本名で、読み方は「よねづけんし」となります。

 

私自身、しばらくの間「玄師=げんし」だと思っていたので、読みを間違えてしまう人が多いのではないでしょうか。

 

本名については、インタビューでご本人が 

親に聞いたことないんですよね、名前の由来とか。

玄人(の玄)に師匠の師って…、

名前負けしないような生き方をしていくためには、これからどうやって生きていくかみたいなこと、結構考えていたのは覚えてますね。

名前の漢字自体にすごい仰々しい響きがあるから…、

それに負けないように気を張って生きていかなければならないなっていう、

そういう風に思わせてくれるっていうのは、まぁ、それはそれで良かったのかなっていう風に思いますね。』

 

と語っており、まさかの名前の由来を本人が知らないパターンでした。

 

ですが、名前の意味を自分なりに解釈して堅実に過ごしていると知って、米津さんのまじめな人柄に好印象を持ちました。

 

私は単純に「徳の高いお坊さんみたいな名前!本名なのに格好良い字面で羨ましいなぁ…」と思っていたのですが、

『俺の名前の呼び方はみんな千差万別なんで…、大体《よねづげんし》って呼ばれるし、

小学生の頃からずっとそうだから、名前の呼ばれ方を訂正しなくなってメチャクチャ久しいんで、何でも良いですね(笑)』 

 

とのことで、珍しい名前にも苦労があるんだという事も分かりました。

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別名義「ハチ」 

彼がクリエイターとして音楽活動を始めたのは、まだ10代だった2009年からで、当初は「ハチ」という渋谷駅前にいる忠犬みたいな名前でソロ活動をしていました。

 

『インターネット上のやり取りで、本名でやる奴なんかいない』という理由から、コミュニケーションを取るためのハンドルネームとして使用していた名前で、現在でも別名義として使用するときがあります。

 

この「ハチ」というハンドルネームの由来は、少女マンガ「NANA」に登場する、主人公の歌手ではない方のナナのあだ名である《ハチ》からきているそうです。

当時、お姉さんが好んで読んでいた漫画だったため、米津さんにとっても身近な存在だったのでしょうね。

 

ハチ名義で活動していた時代は素顔を明かすことは無く、ボーカロイドを使用した楽曲を独りで制作し、イラストや映像とともにインターネット上(ニコニコ動画)へ投稿していました。

 

 

2012年からは本名の「米津玄師」名義になり、メディアに自分自身が出演するようになりましたが、ハチという名前で顔も明かさないというスタンスが定着していたので本名であるにもかかわらず、しばらくの間は違和感があったのだそうです。

 

ですが、アルバム《BOOTLEG》を作曲した辺りから「米津玄師」としての自分が確立されメディアにも顔を見せるようになりました。

 

とは言っても、メディアに出ることに対してはかなり消極的なので、ラジオやテレビに出演しているのを観たり聞いたりしていると、余計なお世話ですが『米津さん大丈夫かな?緊張してるんじゃないかな?』とドキドキしてしまいます。(笑)

 

 

 

米津さんの音楽人生

米津さんの音楽人生の転機は小学5年生の頃、家にインターネットが開通したことに始まります。

 

当時、インターネットの向こう側では《フラッシュアニメ》という、既存の音楽にアニメーションをつける動画が流行っていました。

ニコニコ動画のはしりの様なものらしく、流行している音楽に自分で作ったアニメーションを勝手につけるものだそうです。

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漫画やアニメが好きだった米津さんは、この《フラッシュアニメ》に興味を持ったと同時に、この独特なインターネット文化に天地がひっくり返るような衝撃を感じます。

 

アニメーションと音楽の融合に美しさを感じ『音楽ってこんなに良いもんなんだな…』と音楽自体の見方も変わっていったことによって、『自分もこういうモノを作ってみたい、自分ならやれるんじゃないか?』と思ったそうです。

 

その後、日本のロックバンド「BAMP OF CHICKEN」や「ASIAN KUNG-FU GENERATION」に憧れを持ったことなどにより、音楽に対して本格的な興味が湧き始め、自身も彼らのようなバンドマンを目指してギターを購入、弾き語りやコピーバンド的なことをして過ごしていました。

 

今の彼からは想像がつきませんが、学生の頃には友達とバンドを組んだりもしていたそうです。

 

その中で『自分のオリジナル曲を作りたい。自分の曲を物として残したい。』という欲求も生まれ、本格的な機材も着々と揃えていきます。

 

ですが、メンバーとの温度感の違い『俺はけっこう本気でやっているのに…』という感情や、もともと個人主義のため独りで作り出すことが好きだったので『人と一緒にモノを作り上げるのってめんどくさい、全部自分で作り上げた方が手っ取り早いし気が楽』だと思っていたこと、それに加えて1人で活動する事ができる環境などがあったので、ソロで音楽活動をすることに決めたのでした。

 

このような経緯から、独りで活動することに関しては『ネガティブなニュアンスで作っている部分っていうのもあった』と語っています。

 

上で説明した【1人であるが故の孤独】や、自分が【当時影響を受けていたものが色濃く反映されすぎている】という理由から、ニコニコ動画に30曲ほどアップしていた「ハチ」時代の動画作品はすべて削除されているので、もったいないなぁ…と思わずにはいられません。

 

 

そういう経緯もありながら、2012年ついに本名での活動を開始します。

 

この時点での人気や認識としてはハンドルネームでボーカロイドを使った活動を行う「ハチ」というインターネットの中の人でしたが、急に本名で生身の「米津玄師」が出てきたものだから、ユーザーの方々は驚きと動揺を隠せなかったそうです。

 

ですが米津さん本人は、自分の作品が認められ人気が出てきたからこそ『ボーカロイドを隠れ蓑にしていたくなかった』と語っています。

 

現在の活躍から考えると良い選択だったとは思いますが、今まで築き上げてきたものをリセットしてしまうなんて自分だったらそんな判断はできないし、本当に勇気あるなぁ…と思いました。 

 

 

 

米津さんの音楽の魅力

米津さんの音楽には色々な魅力があると思いますが、私が特に魅力的だなと感じたものを書き出しました。

 

 

歌声は才能!

米津さんの曲を聞いたときに『魅力的だな』と感じたのは、幅広い音域を操る深みのある歌声と、独特なこぶしやビブラートのかけ方でした。

 

こぶしは演歌や民謡に使われている音(メロディ)を不規則に揺らす歌唱方法で、ビブラートとは歌に限らず音を伸ばすとき一定に音を震わせる技法、簡単に言うとどちらも歌声の揺らぎ部分のことです。(ビブラートvibratoはイタリア語)

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声を揺らす技法は歌手の人なら普通に使っているものですが、米津さんの場合は他の人にはないような独特さがあり、良い意味で曲のスパイスとなるので聴き手の印象に深く残ります。

 

そのため、個人的な意見ですが彼の曲を他の歌手の人が歌っていても、本人が歌っているときほどのトキメキが感じられないんですよね…。(コラボなど、その人のために書いた曲は別ですよ!)

 

米津さんの書く曲はどれも素敵なのでリピートして聴いてしまい、いつの間にか覚えてしまっていて、ついつい『カラオケで歌ってみたいなぁ…』などと思ってしまうのですが、彼のような声の揺らぎは簡単には出せませんし、それに加えて高音と低音の幅が広いので、覚えるのは簡単でも歌うのは本当に難しいんですよね~。

 

私が学生の頃に声楽の先生から聞いた話によると、『歌っていて、低い声(音)が出せる人は同じ幅だけ高い声(音)も出せる』ということなので、米津さんの地声がもともと低音であること、それによって生み出される声の深みや音域の幅広さは、彼の生まれ持った才能だと思ったのでした。

 

 

曲に漂う色気…

次に挙げるのは、曲に漂う色気です。

 

彼の音楽を聴くたびに『曲全体に漂うこの色気は、一体どこから来ているのだろう?』と考えていました。

 

もちろん曲の音楽としての構成や彼の歌声も魅力的ではありますが、この色気はもっと別の部分にあると踏んだわけです。

 

音楽の部分でもなく歌声でもないとすると、残った歌詞の部分に秘密があるんじゃないか?と気が付きました。

 

歌詞の言葉選びについて、米津さんはこう語っています。 

『適切な言葉って何だろう?って考えるんです。

それは出来るならば、優しい言葉で…わかり易い言葉で説明できたら、それが1番良いなぁという風に思うんですけど、

でも簡単な言葉っていうのは、簡単な言葉なだけあって解釈の幅が広くなり(歌詞の意図ではない)いろんな意味合いを持ってしまう。

難しい言葉・あまり知られていない言葉は、それ以外の意味が無い言葉になるんですね。

だから自分なりの表現に対して真摯になればなるほど、どうしてもそういう言葉(のチョイス)になる』 

のだそうです。 

 

難しい言葉・あまり知られていない言葉のストレートな表現に新鮮さを見出し、そこに色気を感じていたんだろうなぁ…と思いました。

 

そして、私が好きな椎名林檎さんと米津さんの曲に似た色気を感じていたのは、『歌詞に昔ながらの難しい言葉をチョイスしているせいなんだ!』と新たな気付きもあって、何故か嬉しかったです。

 

 

 

米津さんの音楽の特徴

米津さんの作る曲の数々は「イメージの要となる歌詞の秀逸な言葉のチョイス」や、「突拍子は無いけれど曲の印象を決める=大事な鍵となる音のはめ込み」が斬新ですよね。 

 

斬新過ぎて、始めて聴いたときには驚きを感じるのではないでしょうか?

 

ですが、この驚きがクセになり何回聴いても飽きがこないということが彼の音楽の特徴であると思います。

 

最近発表されたアニメーション映画《海獣の子供》の主題歌「海の幽霊」にもこの特徴が良く出ています。

 

聴いたことのない方は聴いてみてね↓

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曲の冒頭や要所に出てくるエフェクトという音声の加工によって重ねられた「電子的な声」により、複雑で切ない感情が感じ取れます。

 

米津さんにしては珍しい始めから高い歌声を使った音の揺らぎや、言葉がもともと持っている抑揚による揺らぎはまるで砂浜に打ち寄せる波を感じさせ、サビ前の間奏部分では海の生物(イルカの鳴き声)のような音が聴き取れたりするので、意識していなくても海を想像しちゃいますよね。

 

そして、なんと言ってもサビのエネルギッシュさには鳥肌が立ってしまうのではないでしょうか?

 

実際、私が初めて視聴したときには何の考えも無くヘッドフォンで聴いてしまったので、サビで使われている鯨の鳴き声のような鼓膜や脳全体を震わせる重低音に思わず『えっ!耳壊れた?』と驚かされてしまいました。(笑)

 

そして、驚くけれど音楽の内容と印象に合っている音楽が作れる米津玄師という音楽家の底知れない才能に、凄味を感じてしまうのでした。 

 

 

 

私と「Lemon」

私が初めて米津さんの名前と作品が一致した曲がこの「Lemon」だったので紹介させてください。

 

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実は、初めてこの曲を聴いたときの印象はあまり良いものではありませんでした。

 

歌詞の内容や、最初は静かな曲調で淡々としているのにサビの部分での感情が爆発したような激しさから『ストーカー気質のある人の失恋ソングかな?心の不安定さを感じる不思議な雰囲気の曲だなぁ…。』という、すごく失礼な印象を持ってしまったんです。

 

さらに、MVでは演出の独特な雰囲気も相まって、不思議さというか…不気味さが増した印象で苦手意識すらありました。

 

その独特な雰囲気や不思議さの理由は米津さんがこの曲を作曲した経緯にあるのですが、その経緯を聞いたことによっていい意味で先入観を持って曲を聴くようになり、今では好きな曲の1つになっています!

 

「Lemon」は、サスペンスドラマである《アンナチュラル》の主題歌として依頼された曲です。

 

このドラマは、不自然死した遺体を解剖&調査し、数々の事件を解明していくという趣旨を基本としているので、米津さんは曲を書くに当たりドラマと自分との共通点として【人の死を想う】ということをイメージしました。

 

米津さんは20代とまだ若いので、人の死というモノに触れる機会も少なく、曲を書いていてもピンとこなかったのではないかと思います。

 

それに加えて曲を作っているときがツアー中だったということもあり、作曲中の集中している状態にどっぷりと入り込みたいのに、集中できる時間が足りず悶々としていました。

 

現に、ドラマの1話を撮り終えて編集の段階まできていたのに、細かいニュアンスの追求のために曲がまだ完成していない状況だったのだとか。

 

ですが、この曲に明確な転機が訪れます。

 

作曲している時期に、米津さんのおじい様が亡くなられたのです。

 

このことで、あまり関わることの無かった死を身近に感じ、サビの部分を急遽書き直すに至りました。

 

【人の死を想う】曲を書いているさなかに、自分の肉親が死ぬっていうのは、何かあるなと思って。

 

頭の中にある《死》っていうフワッとしていた概念だったものが、急に自分の脇のほうからバッ!と形として現れて、果たしてこれで(この曲で)いいんだろうか?と思うようになってしまった。』

という複雑な心境や経験が米津さんの中でうまく絡み合って、名曲「Lemon」が完成したのでした。

 

 

奇妙な「Lemon」の余談

みんなが気になっているであろう「ウェ・ウェッ」という奇妙な音を入れた理由は、『バラードなのにヒップホップで使われるような音を使ったら面白いんじゃないかな?と思って』ということなのだそう。

 

打楽器のクイーカを電子音にしたものかと思いきや、あの音はなんと人の声をサンプリング(電子音として録音)したものなんです。

 

この「ウェ・ウェッ」という音による遊びは他にはない斬新さを持っていて、より聴き手に大きな印象を与え脳裏に焼きつくので、何度も聴きたくなるのでしょうね。

 

そしてなんと!米津さんは「Lemon」のMVでハイヒールを履いています。(上の動画の足元を良~く観てみてね。)

 

『もしかして米津さん…、そういう趣味があるの?』と思ったら、ちゃんとハイヒールを履いている理由もありました。

 

米津さんが昔、夢の中で見たお葬式の光景をそのまま「Lemon」の世界観として表現したかったためで、『亡くなった人との繋がり、2人だけに通じる合図がハイヒール』だったのだそうです。

(女の子への憧れのせいじゃなくて良かった~。笑)

 

 

 

書きたいことが増えて…

調べれば調べるほど米津さんが魅力的過ぎて、書きたいことが増えていってしまったので、2回に分けてご紹介することにしました!

 

次回は「米津さんとコラボ」について書こうと思います。お楽しみに!

 

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三浦大知さんが披露した「歌声の響」

ようこそ!ブーです。

 

話題にするには遅くなりましたが、2019年2月24日(日)に行われた天皇陛下御在位三十年記念式典にて、歌を披露した三浦大知さんと演奏された「歌声の響」という曲に感動したので、ご紹介しようと思います。

 

演奏の様子はこちら↓ 

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三浦さんの歌声が少し上擦ったり、最後の部分のヴァイオリン演奏がブレて「キー」という音が入ったりと、緊張感が伝わってくる演奏でした。

 

意地悪で言っているのではなく、世界で活躍するような「日本を代表する音楽家」たちが声や手を震わせるほど一生懸命にこの曲に取り組んでいる姿を目の当たりにして、素直に感動したんですよね。

 

『そう言えば、十年記念式典でX JAPANのYOSHIKIさんが作曲した「Anniversary」が奉祝曲として演奏されていたけど、色々と批判されてて大変そうだったよなぁ』と、思い出しながら観ました。

(私はX JAPANが好きなので、YOSHIKIさんが選ばれて喜びましたけどねぇ…。笑)

 

だから二十年記念の式典ではミュージシャンを起用しなかったのかも知れません。

 

なので、今回の式典で三浦さんや千住さん達が起用されたことに対して、柔軟な考えが広まってきた結果かな?と嬉しい気持ちになりました。

 

 

 

「歌声の響」

今回の式典で歌われた「歌声の響」という曲は、作詞を天皇陛下、作曲を皇后陛下が手がけられた作品です。

 

 

作詞

歌詞は天皇陛下が詠まれた琉歌が基になっており、「うちなーぐち」という沖縄の方言を用いて書かれています。

 

琉歌とは沖縄特有の和歌のようなものです。

 

和歌は5・7・5・7・7の文字数ですが、琉歌は8・8・8・6が基本の形(定型詩)となり、言葉はもちろん沖縄の方言を使って詠みます。

 

単純に詩として詠まれるだけではなく、沖縄県で主に使われている弦楽器の三線を伴奏にして唄われることも特徴です。

 

式典で演奏された「歌声の響」の歌詞に使われている琉歌は、1975年(昭和50年)に両陛下が沖縄を初訪問した際、沖縄の国立ハンセン病療養所を訪問したときの歓迎の《お返し》として詠まれたもので、その経緯も感慨深いものがありました。

 

当時の沖縄県民は、両陛下が訪れることに歓迎と反対の感情が交錯する不安定な時期にあり、献花に訪れた【ひめゆりの塔】の前では、過激派から火炎瓶を投げつけられたりと、命を覚悟するような緊張の訪問だったと思います。

 

そんな中、ハンセン病の療養所に居た患者さんたちはみんな笑顔で迎えてくれて、お別れの際には自然と、沖縄の船出歌である「ダンジュカリユシ」を歌ってくれたのでした。

 

『ダンジュカリユシ』とは沖縄の方言で『とてもめでたい・大変めでたい』という意味があります。

 

混沌とした中での心温まる歓迎に感動したことは、上の動画にある琉歌の内容を読んで貰えれば解って頂けるのではないでしょうか?

 

歌の歌詞は、書いたときの状況や経緯・作者の気持ちやその時の思いがわかっていると受け取り方も変わって、より深く音楽を感じることができると思います。

 

 

作曲

美智子さまが手がけられた作曲は、『この琉歌を特別なものにしてほしい』という要望から、琉歌を歌詞として用いてメロディや伴奏を付けたものです。

 

琉歌の「うちなーぐち」を使った独特な言い回しの歌詞や、沖縄で出会ったハンセン病患者さんに向けて贈る曲ということに因んで、メロディには琉球旋法(一般的には琉球音階)という沖縄特有の音の並びを使っています。

 

現在、一般的に使われている西洋音楽の音の並び【ドの音を基準としたハ長調】で説明すると「ドレミファソラシド」の7つの音で音楽・曲が作られますが、琉球旋法の音の並びは2番目と6番目のの音を抜いた「ドミファソシド」の5つの音や、6番目の音を抜いた「ドレミファソシド」の6つの音で音楽・曲を作っていきます。

 

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琉球旋法は沖縄などの地域では当たり前に使われている音階ですが、それ以外の土地に住む人は聴いていて直感的に「南国らしい温かみのある音の並び・特別な音の並び」として認知することが出来るのではないでしょうか。

 

ブー的には「ハイサイおじさん」に使われているイメージ。↓

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琉球旋法は「ハイサイおじさん」のようにテンポ(曲のスピード)が早いときには陽気な印象を持ちますが、「歌声の響」のようにテンポがゆっくりになるとしっとりとした切なさも表現することができるので、素晴らしい音階ですよね。

 

 

 

三浦大知

三浦大知さんは沖縄県出身で、歌手やダンサーとしてはもちろんのこと、作詞・作曲やライブの振り付け・演出もこなすエンターテイナーです。

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1997年から芸能活動を始め、沖縄アクターズスクール出身の小中学生7名で構成された「Folder」という男女混合グループに所属していました。(女優の満島ひかりさんも所属していたグループとしても知られています。)

 

当時は「DAICHI」という芸名で活動していましたが、変声期は活動を休止し、ダンスのスキルアップに励んだそうです。

 

2005年に芸名から本名の「三浦大知」へと戻して、本格的なソロ活動を始めました。

 

声変わり前には大人には出せないハイトーンボイスを見事に操り、声変わりした後は切なさを含んだ裏声と深くて甘い歌声が魅力的な歌手となりました。

 

さらにダンスまで見事に踊れる彼は、世間でも言われているように「和製マイケル・ジャクソン」という表現が本当にシックリきますよね。

 

そのダンスの上手さから、他のアーティストさんにも振り付けを提供しています。

 

こちらでも紹介しました。↓

boosensei.hatenablog.com

 

沖縄出身ということと歌手としての認知度の高さがから、この「歌声の響」を歌うのに適しているため選出されたのだろうと思いますが、期待以上に良い演奏だったのではないでしょうか。

 

 

 

千住明

千住明さんは作曲家・編曲家、音楽プロデューサー、自身もピアノ演奏や指揮を行うマルチな音楽家です。(タレントとしてテレビ出演をすることもあります。)

 

私の中では、松本清張さんの推理小説を基にした2004年版の「砂の器」というドラマの音楽を担当していた印象が強いです。

千住明ピアノ協奏曲「宿命」第一楽章

千住明ピアノ協奏曲「宿命」第一楽章

  • 千住明
  • サウンドトラック
  • provided courtesy of iTunes

 

素晴らしい作曲・編曲技術のある千住さんですが、沖縄らしさが良く出ている「歌声の響」の琉球旋法を使ったメロディーに西洋音楽的な伴奏を付けるとなると、かなり前に紹介した「君が代」のようにチグハグになったりしないかと心配でした。

 

ですが演奏を聴いてみて、絶妙なバランスで調和のとれた、人の心を揺さぶる美しくも切ない響きに『流石は千住さん!』と終始感動しっぱなしでした。

 

「君が代」のチグハグさについてはこちらから↓

boosensei.hatenablog.com

 

 

 

千住真理子

千住真理子さんは、上で紹介した作曲家・千住明さんの妹さんで世界的なヴァイオリニストです。(1番上のお兄さんは日本画家の千住博さんというのだから、多方面に亘る芸能一家ですよね…。スゴイ!)

 

ヴァイオリンの最高峰といわれている「ストラディヴァリウス」を愛器として所有しています。

 

億単位という高額で取引されるため、ストラディヴァリウスは音楽財団が所有していてることが多く、それを音楽家へと貸し出すことが普通なのですが、千住さんは自己所有です。(お兄さんたちが金策を頑張ったのだとか…)

 

楽器が凄いだけではなくて、『弾きたいけど弾けない』という挫折の時期を味わったことのある彼女の演奏には深みがあり、滑らかな音の運び、それでいてネットリとまとわりつく様な耳触りはクセになります。

 

ただし、今回の「歌声の響」の演奏については失礼な言い方になりますが、曲の作り的にヴァイオリンパートは別段無くても良かったんじゃないのかな~と、思ってしまいました。

 

 

 

この曲が聴けて良かった!

今、沖縄ではいろいろな問題があるので、沖縄と関係のある「歌声の響」が選ばれて演奏されたのかな?と憶測する人も中にはいるかもしれません。

 

ですが、私はこの暖かい歌詞の内容やメロディの優しい響き、千住さんの素晴らしい編曲、そして三浦さんの心のこもった歌声のおかげでこの曲が単純に好きになりました。

 

そのうえ、普段の生活では触れることの無いような沖縄の「琉歌」という伝統が知れましたし、「琉球旋法」と西洋音楽の素敵な融合が聴けたので、勉強にもなって良かったです!

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明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます!

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亥年に因んで、今年は何事にも『猪突猛進』で頑張りたいブーです。

 

 

昨年はいろいろな方にブログを読んでいただき、またコメントやスターを頂けるようにもなり、交流が持てたことがとても嬉しくて、楽しい1年でした。

 

 

本当にありがとうございます!

 

 

拙いブログではありますが、今年もどうぞ宜しくお願い致します。

 

 

年明けからピアノを弾ける時間が出来たので、存分に指を動かして、食べ過ぎたお正月料理のカロリーを消費した気分になりました。(笑)

 

 

今年も大好きな音楽に囲まれて、ブログもコツコツと頑張りたいと思います。

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